第9話 復旧エリア
【復旧エリア】
【魔法のランナー旅団本部】
【ルナ王国の寓話タウン 】
【310年】
【22:30】
回復エリアに到着すると、見慣れない機器がたくさんあることに気づいた。
「まずは、魔法のランナーの衣装を解除する必要がある」
「了解」
【魔法のランナー解除】
服が普段のランニングウェアに変わった。
赤外線サウナに案内する」
「赤外線サウナ?」
「赤外線照明付きのドライサウナで、発汗によるデトックスや美肌効果が期待できるんだ」
「なるほど」
次に、仕切り板のある場所へ近づいた。レイラニが中へ案内してくれた。
「服を脱いでください。タオルは向こうにあります」
「わかった」
レイラニは赤外線サウナのいくつかのボタンを押し始めた。赤外線サウナを見ると、ガラス戸のついた木製の箱だった。
「サウナの中に入って座って。後で迎えに行くから」
「了解」
レイラニは私をサウナの仕切り部分に残して去った。私はサウナの中に入った。
【回復エリア】
【魔法のランナー旅団本部】
【寓話タウン、ルナ王国 】
【310年】
【23:00】
30分後、私は汗だくになり、レイラニが戻ってきた。彼女が中に入る前に、私は急いでタオルを巻いた。
「大丈夫?」
「大丈夫」
「よかった。次は銭湯に連れて行ってあげるわ」
「私の服はどうなるの?」
「心配しないで。私が預かっておくから」
「ありがとう」
「どういたしまして」
銭湯から戻ると、レイラニが新しいパジャマを用意してくれていた。パジャマは私のロッカーに置いてあった。
幸いにも、銭湯は私一人しかいなかった。銭湯エリアを出ると、レイラニが迎えてくれた。
「お風呂はどうだった?」
「リラックスできたよ」
レイラニは微笑んだ。
「次は高圧酸素室へ案内するわ」
「高圧酸素室は何に使うの?」
「酸素の回復。さっきめまいを感じたのは酸素不足が原因だ。また、ダンジョンでは酸素レベルが低下する」
「なるほど」
そして、私たちは高圧酸素室のある場所へと向かった。そこに行くと、カプセルがいくつも並んでいた。
レイラニは高圧酸素室を起動し、私にマスクを渡した。
「カプセルの中に入ってください」
「わかった」
カプセルの中に入ると、私はクッションに横になり、酸素マスクを装着した。
「何か必要なものがあれば、あそこに無線機が掛かっているから」
「了解」
私の隣にラジオが掛かっているのが見えた。
「また後でな」
レイラニはカプセルを閉めて出て行った。私は眠りについた。
【回復エリア】
【魔法のランナー旅団本部】
【ファブルタウン、ルナ王国 】
【310年】
【01:30】
「ミキチ、起きて」
1時間後、レイラニが私をたたき起こした。
カプセルから出て、眠気から目が回った。レイラニはすぐに私の腕を掴んだ。
「横になる必要がある?」
「はい」
レイラニは近くのベンチに私を連れて行った。私たちは一緒に座った。
「私の膝に頭を乗せていいよ」
「わかった」
レイラニは私の頭を優しく撫でてくれた。私は意識を失い始めた。
「おやすみ」
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