第5話 ワイルドフォレストダンジョンレスキュー (2)
【30階】
【ワイルドフォレストダンジョン】
【中立エリア】
【310年】
【15:10】
モンスターを倒し、複数のフロアを駆け抜けた後、私はレベルアップした。
【100 EXP GAINED】
【魔法のランナー RANK D】
「おめでとう!」
「ありがとう!」
次に、自分の走行ペースを確認した。
【ペース:5時間26分】
【距離:30 km】
【移動時間:4:00:00】
【心拍数:95 BPM】
「魔法のランナーが今どの階にいるか分かるか?」
「50階で連絡が途絶えました」
「なるほど」
「休憩が必要か?」
「はい、お願いします」
「わかった。少し休んでいいよ」
私は走りをやめて安全な場所まで歩いた。そして、エネルギージェルを取り出して食べた。また、水筒から水を飲んだ。
レイラニは別の話題を私に投げかけてきた。
「個人的な質問があるんだけど、答えてくれる?」
「答えるよ」
「なぜボストンマラソンに参加したいのですか?
「想像上の幼なじみと約束したんだ」
「想像上の幼なじみ?」
レイラニはためらいがちに答えた。
「くだらない約束だよ」
「そのお友達は男の子?それとも女の子?」
「私の友達は女の子。でも、彼女の外見は覚えていない」
「彼女との思い出は何かある?」
「彼女との約束のことしか思い出せない」
「なるほど、あなたの幼なじみは実在すると思う」
「えっ?」
「なぜ、その幼なじみは偽物だと思ったの?」
「彼女にまつわることをみんなに聞いてみたけど、みんな私の空想だと思ったみたい」
「幼馴染みの記憶は消えている」
「でも、なぜ約束のことを覚えているんだ?」
「彼女と強い絆で結ばれている」
「君の言うことは理にかなっている」
「魔法が関係していたと思う」
「なるほど。記憶は取り戻せるのか?」
「わからない。でも、調査を手伝うよ」
「どうもありがとう!」
「どういたしまして」
幼馴染みが実在していたことに安心した。レイラニの助けがあれば、幼馴染みの調査を始められる。
突然、足音が聞こえた。こちらに向かって歩いてくる人物をすぐに発見した。
「誰が来ているのだろう?」
「お待ちください。カメラのズームインが必要です」
数秒後、レイラニが素早く私に知らせた。
「あれはアンデッドナイトだ。彼らはエリートモンスターだ」
「追いかけてくるのか?」
「はい。モンスターと戦わなければなりません」
私はアンデッドナイトに向かって走り出した。
【呪文:火の玉】
火の玉はアンデッドナイトに向かって飛んでいった。しかし、モンスターはすぐに盾で火の玉を遮った。
よく見ると、アンデッドナイトは黒い鎧をまとっており、紫色に光る目を持っていた。
「射撃呪文は効果がない。武器呪文を使わなければならない」
「了解」
【呪文:スピリット・カタナ】
小さなポータルが現れ、そこからスピリットカタナが出てきた。私はすぐにその刀を手にした。
剣の外観は、青く透き通っていて光っている。
スピリットカタナを振りかざし、アンデッドナイトめがけて駆け出した。剣がぶつかり合い、互いに受け流し始めた。
しかし、私は別の呪文を唱えた。
【呪文:ライトフラッシュ】
アンデッドナイトは目が見えなくなり、私はその首を斬り落とした。斬った瞬間、モンスターは塵と化した。
「モンスター退治完了」
「よくやった!」
「ありがとう!」
霊剣が私の手から消えた。私は走り続けて次の階に向かった。
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