第1章 旅立ち ミアータの村
第5話 兵士アルフレッド・エンデ
男の名は、アルフレッド・エンデ(26)。兵士である
日々の鍛錬で鍛えた、たくましい身体に、青い瞳。金髪の髪は、短く刈り上げてある。彼は、家業である漁師は継がず、16歳で故郷を離れ、単身で帝国ミクラスの兵学校に行った。座学はサッパリだったが、卓越した剣術と、
その後は一兵士として、内戦や暴徒制圧の作戦に参加。幾つもの功績をあげ、勲章を貰うほど優秀な兵士だった。そんな彼は昨年、配置希望を出し、今は希望通り故郷である、マズーダ領主国の首都ユノースで城兵として、働いている
「あ〜あ、今日も平和だなぁ」
「おい、アル。交代の時間だ」
先輩兵士のフロイトが、呼びにきた。アルフレッドは引き継ぎを終え、
「おっ!あった、あった〜 待ってたぜ〜」
取り出したのは、ボロボロに読み古された、一冊の
「う〜ん!
これまでこの手の物は、艶本師が描いた、高額な物しかなく、こんな、田舎の小国の庶民の手には、到底届かない代物だった
だが数年前、『転生者』と呼ばれる人々がもたらした数々の技術により、この世界は魔法研究と、機械技術を中心に、大きく進歩した
良質で安価な製紙技術が確立し、ホンモノそっくりの絵を、瞬時に描いてしまう技術”
この休憩室にあるこの一冊も、兵士長殿が数年前ミクラスに出張に行ったときのお土産だ
読み古されて、あちこち何らかのシミだらけ、既に紙がガビガビになったページを開くと、生まれたままの姿で、少し恥ずかしそうな表情の、若い娘の姿が大きく映る
「ムホ!ムフフ〜う〜ん、堪らん!勃起!」
もう我慢が出来なくなったアルは、はち切れんばかりに怒張する、
「エンデ一等兵!いるか!」
声の主は、
「エンデ、今すぐに旅支度をし、アンフィニ卿宅へ参れ」
「はっ!恐れながら。俺......いや私は、“クビ”と言うことでしょうか?」
「違う、そうではない。今朝方、アンフィニ卿から伝令があったのだ。アンフィニ卿直々に、名指しとはお前、そんな高貴な
「いえ、マズーダの漁師、アルベルト・エンデの次男です」
首を傾げながらも、休憩室を後にした上官の背中を見送ると、アルは言われるがままに、身支度を始めた
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