第6話 ガスターブル

AlieWorldサービス開始から1ヶ月。アリーエ大陸に存在するいくつかの国の一つ。銃帝国 ガスターブルが解放されました。


ミカンはログインした瞬間ガスターブルへと突撃します。

「ちょっとっ...!!早すぎるよミカンちゃん!」

ミカンは《瞬足》を使用し駆け抜けていきます。「だって銃帝国だよ!?きっと凄い銃とかめっちゃあるんだよ!」

ミカンが通った場所に出現したモンスターはポップ音がなった瞬間に銃声が響きパーティクルを出しながら消えていきます。


そして何分か走り続けたあと、2人は《ガスターブル》に到着しました。

周りには様々な銃を抱えた軍人が、

「うぉー!帝国ってだけあって軍人いっぱいいるなぁ!」

そしてミカンは

「街の奥の方にいい鍛冶屋があるって聞いた!」

と言い走り出しました。

「今日...走ってばっかだなぁ...」


「お、あれかな?」

とミカンが言った方向を見ると、確かに鍛冶屋がありました。そこにはいかついスキンヘッドの男性NPCが、《ダッド》と表示されています。

「ダッドさぁん!銃作ってくださーい!」

とミカンが言うと

「...好きなものを持っていけ。」

とダッドがいい様々な銃を取り出しました。

「んー、、、AK47とかないの?」

「そんなものはうちには無い。」

「そこをなんとか!」

「ミカンさん...ここやめましょうよNPCに何言っても無駄ですよ」

「お願いします!ダッドさん!」

「ミカンさぁん!」

「そんなに言うなら儂の頼みを聞いてくれたら作ってやってもいい。」

「え?」

とカノン

「任せてください!」

とミカンが叫ぶと2人の視点の左端に《魔銃の行方》というクエストが表示されました。

「ここクエストスタート地点らしいんだよね。」

「なるほど」

二人が話しているととダッドが語り始めます。

「わしは昔魔銃と呼ばれる属性の入った銃を作っておった。」

「なんやて」

「欲しい。」

「あんたらのように欲しがる連中が沢山おってな。うちはぼろ儲けやった。そんな時にわしの弟子である《マルコ》が店1番の魔銃、《デルタ・ライトニング》を持って逃げやがった。そして人殺しを始めやがった...わしはその責任を負い、マルコを見つけ捕えなきゃならん...だがもう歳での...頼むからお前さんたち、捕まえてくれへんか?」


「なーんか、よくある感じのクエストだね。」

「それにしても《デルタ・ライトニング》かー!光属性なのかな?」

と話しながらダッドが教えてくれた場所へと向かっています。

「ここの帝国冒険者協会で情報貰えるって聞いたけどほんとかな?」

ミカンは協会のNPCに、話しかけます。

「すみませーん!マルコって人の情報知りたいんですけど!」

「マルコについてですか...あの人は最近近くの廃工場を住処にしてるって言う情報がありますよ。」

「じゃあそこ行ってボコせばいいのか!」

「いや、そんな簡単に行かんでしょ。」

カノンがそう言うとNPCが

「ですが、この廃工場は何やら危険なため帝国に封鎖されており帝国の冒険者との戦いに勝利したものが入れるようなのです。」

「なるほど...ガンバトルってことか。」

「マルコは昔聖職者だったので光属性の攻撃は注意してくださいね!」

「なん...だと...?」

「聖職者...カノノンとおそろっちだね。」

「ミカンさんや、絶対このクエクリアしましょ。」


二人が帝国の役所に着くと1人の男性が話しかけてきます。

「おふたりさん方、もしやあの廃工場に行きたいのかい?」

「あぁはい。何故それを?」

「ははっギルドから連絡があってね君たちがそうなのではと思ったのさ。」

「ほほぉ、それでおじさんがその対戦相手?」

「いかにも、《トモ》と呼んでくれ。」

「よろしくトモさん。」


2人とトモが闘技場のような場所に着くと、トモがマシンガンを取り出します。

「おぉ!マシンガンかぁ...!いいなぁ欲しいなぁ。」

「君たちの勝利条件は私に降参と言わせたら。それでどうだい?」

「...たぶん残りHPが3割ぐらいかな?」

「だろうね。おじさん!その勝負乗った!」

「了解した。では」


2人の画面いっぱいに


《!!BATTLE START!!》


と表示されたと同時に。

トモのマシンガンが火を吹きました。


バババババッッッ!と数え切れないほどの弾丸が2人を襲います。

ミカンは《瞬足》を活用し、銃弾をよけ一気にトモの後ろに走りだします。

カノンは《跳躍》で大きく飛び上がり銃弾を辛うじて避け切りました。


その動作をトモがチラリと見た直後。


バンッ!


と2回銃声がなりました。


2つの弾丸はミカンとカノンの心臓にあるクリティカルポイントを狙い撃ちました。

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