【Arca：機械少女は神話の霧を解き晴らす】

case.2 人形の森─クインヘイム─

登場人物

※こちらcase.1までのネタバレ内容を含んでおります。

case.2を快適にお読みいただくために用意したものになりますので、case.1をお読みでない方はネタバレとなってしまいます。

ご了承ください。

【アルカ】4☓☓歳

　本名、アルカディア・エイヴリー。稀代（きだい）の発明家アラン・エイヴリーと二代目王妃イザベルの娘。父親による投薬の影響で、十二歳から成長が止まったまま400年以上生き続けている。そのため臓器などは劣化、手脚（てあし）は事故などで部分的に失っており、機械や義肢（ぎし）にお世話となっている。

　ペルケトゥムの方舟（はこぶね）、数の申（もう）し子（ご）の異名を持ち、ゲネシス王国の産業革命を支えた一人者であるが、本人は神話学者を名乗っている。好奇心旺盛（おうせい）、自由奔放（ほんぽう）で、突拍子（とっぴょうし）もないことを言い出すが、大人な一面も併（あわ）せ持つ。

【エドワード・フィリップ・ガヴェンディッシュ】22歳

　フィリップ伯爵（はくしゃく）家の長男。幼いころからの英才教育のたまもので、古語に堪能（たんのう）、芸術方面の才能に長けていたり、歴史に詳しい。しかしその堅苦（かたくる）しい教育が窮屈（きゅうくつ）になり17のころ家を飛び出すが、ヴィクトリア女王のおかげもあって両親と仲直りを果たす。

　隣国（りんごく）に婚約者がおり、関係は良好。落ち着いた話しぶりから大人びて見えるが、アルカに依存（いぞん）してしまったりと子供らしい一面もあった。今はその確執（かくしつ）も解けている。

【オリビア・セルバンテス】24歳

　ソウウルプスの丘の上の地主の娘。両親を亡くしてからは大学を中退し、形見（かたみ）の養蚕（ようさん）工場で工場長をやっていた。現在工場は研究所の管理下にあり、オリビア自身は大学に再入学することになる。機械工学を専攻しており、手先も器用。

　趣味でソウウルプスの伝承をまとめていたことが、アルカの研究やソウウルプスでの問題に役立つことになる。お淑（しと）やかで穏やかな性格。研究所の精神のような立場になりつつある。

　実は恋愛に関してのみ、かなりの鈍感。

【ミラグロス・ベス】26歳

　十六の時にアルカに拾われた、海の外の国からやってきた女性。薬品でピンクに染めた髪をツインテールにしたり、真っ黒な服にヴィヴィッドカラーを合わせたりなど、独特なファッションセンスを持つ。しかし頭はよく、研究所では菌類の研究を行っており、看護師の資格も持つ。それにギャップして、どこかの国の武術を体得している。五感（ごかん）が鋭く、敏感。

　パーティーで出会った同業者らと手を組んで、不老不死を目指す薬の開発を行っている。そしてベスは人間で初めての非（ひ）検体（けんたい）となることを選んだ。

【サミュエル・エリオット】20歳

　ゲネシス王国の北に位置するエルランディア皇国（こうこく）の端の村出身。村では成績が良かったために推薦（すいせん）でゲネシス王国にやって来るが、アルカという天才を前に自分は凡人であると知る。しかしオリビアに天才を支えられるのは秀才しかいないのだと励（はげ）まされ、気を持ち直すように。大学の二年生で、生物学を専攻。

　オリビアに励まされた一件や、周囲にオリビアのような類の女性がいなかったことから、彼女のことが気になり始める。実は初恋。オリビアが舞台俳優の様だと褒（ほ）めるほどの美形なので、言い寄られるか、そうでなくともあまり賢くない女性しか身近にいなかった。

【ヘンリー・グレイ】30代半ば

　グレイ公爵（こうしゃく）家の跡継ぎ。王室に仕える公爵家の一つとして、ヴィクトリア女王の護衛（ごえい）や足を担（にな）っていた。目つきや佩（は）いた仕込（しこ）み杖（づえ）などから堅気（かたぎ）でないと言われがちだが、本人は不本意でしかない。

【ヴェロニカ・ウェストン】40代半ば

　ウェストン女男爵。夫を10年前に亡くし、娘は今16歳。スキンヘッドに男装という格好だが、親しみやすい性格。研究所の所長(経営者)であるとともに、医師の免許も持っている。

【シャーロット王女】14歳

　ヴィクトリア女王が崩御（ほうぎょ）された後、王位継承権（けいしょうけん）第一位となった二十代目国王の娘。王室の女性らしいわがままな性格と、年齢相応の大胆（だいたん）さを併（あわ）せ持っている。しかし王女としての気品を忘れておらず、身分に関わらず誰にでも敬語で接する。

　ヴィクトリア女王のように、アルカとお友達になりたいと思っている。