第2話 王子様を見つけた日②

 五月四日、雨上がりの空に虹が出てた。

 絵を描くのに疲れていたわたしは、外の空気を吸うことにした。公園に行って、濡れた芝の上で体を湿らせている猫さんと出会う。

 猫さんはわたしが触っても逃げる様子はない。君、オスかな、メスかな。お友達になってくれる?

 誰かの気配があったけれど、わたしは気にしない。今は猫さんと遊んでるんだもの。

 この人もおそらく、虹を見に来た人。お仲間だね。

 少し、親近感を感じて振り返る。

 あれ? 見たことのある人。

 だけど、どこかが違う。そう、メガネがない。

 えー。素顔のままの方がずっといいんですけれど。生徒会長さん? 

 いつものあのダサいメガネは伊達メガネ?

 わたしはさりげなさを装って、忍田先輩に声をかけていた。

 先輩もどこか恥ずかしそうにしてる。

 わたしたち、似てるのかな。

 気がついたら、この後行く予定の場所にお誘いしてた。

「用事ないから、ついてくよ、どこでも」

 なんて、会長は言って、やっぱりすごく照れ屋なのか、頬がピンク色だー。

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