第3話 ブリタニアンヘビーメタル 連獄

「じゃあさじゃあさ、私工作やりたい。面白いの作りたい。」

コイツは親戚のフィーナ。北アイルランドのバノト伯爵令嬢なんだけど、フルネームが結構長いんだよな。なにしろフィーナ・アドスン・ウェブリスコット・バノトなんだ。名前だけなら我々の中では一番お嬢様っぽさあると思うんだ。

「はい、じゃあ工作と日記はフィーナがすることになったし、算数はルカ。国語の読書感想文は輪奏よろしく。自由研究は私で行く。俳句?これは輪奏にやらせるか。生活作文?こんなのもあるんだ。じゃあそれフィーナよろしく。」

「日記あるよ?」

「じゃあ日記もルカ。桃琴ラジオ体操のスタンプとアサガオの観察日記よろしく。」

「なぁ、毎日つけないとダメか?私朝弱いからアサガオの日記なんて。」

「そこは機転きかして、3日たっても芽が出ないから諦めました。アサガオの代わりにビルバオ咲かそうと思います。って書いとけば良くない?」

「そっか。それもアリだな。」

いやビルバオ咲かせるものなのか?それで納得するか?桃琴お前常識人のはずなのに!?

























そんなこんなで我々が夏休みの宿題を終らして、新学期。ヤツが取りに来た。さぁて、どーゆー感じになるのかしらね。と、とりあえずあのおばちゃん、ホントに5万円ポンとくれたよ。どうもジャンボ3等当たったから5万円あげても問題なかったどころか、海外旅行の予算にしてたみたいだね。そんならもっと引っ張ってもよかったかな。だーがコイツらにはこっからが・・・。


ピーンポーンピンポピンポピンポピンポピンポ・・・

うわっ!なにこの呼び鈴ラッシュ。絶対近所迷惑なやつやん。

「リゼルお嬢様!またそんな食べ方して!指とか手を火傷しますよ!?せめて包み紙をしてください。てか夕方のおやつにフライドチキンって。」

「けどこれがいいんだよこれが」

フキフキ

「そんで私のメイド服で指をふかないでもらえますか(怒)」

「すまんな、本当にすまん。」

やっぱね、揚げ物ってのは揚げたて1時間以内だろうが素手手掴みで食べるのが美味しいんだこれが。いつもは揚げ物食べた手や指はルカのマントでふくもんなんだけど、そのルカ近くにいないってなったらね、近くにいるメイドさんのメイド服でふいちゃうよね。めんちゃい。そーいや前に桃琴のフォレストグリーン色の長い髪で指や手をふいたときは相当怒られたよな。はい?そら怒られるって?

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