ファン
「嘘泣き、かな?」
空は男装少女の涙を見てこう言った
空は暁学園時代にたくさん仕事があった
その中には演技のお仕事もある
空はプロの役者の演技を何回も目の前で見てきた
だから、嘘泣きか本当に泣いてるのかわかるようになったのだ
(ボクは見破れる……けどかなり技術は高いね、うん、劇団の人気役者顔負けだよ)
第一、男装少女が可愛すぎるのだ
中性的な顔から放たれるその嘘泣きの破壊力はとてつもない
(男装してるから男っぽいって思ったけど、案外女の子っぽいとこもあるね)
「……嘘泣き半分、本当半分、だよ……空くん、君はね、僕の憧れなんだっ……!」
そういいながら空に抱きつく男装少女
周りは歓声に包まれている
(おかしいな……ボクのイチャつくなって言ったのはキミだろう?なんでキミがこのボクにイチャついてるの?)
空は疑問に思った
でもひとまず抱きついてる男装少女をなだめて、離そうとする
「わかったわかった、キミ、名前は?」
「……
空は面倒だなと思いつつ、いつかやりたいな〜と薄々思っていたファンサをしてみる
「翼ちゃん、かな?ボクのこと好きでいてくれてありがとう、ボクも、翼ちゃんのこともっと知りたいな?」
「っ……!」
翼からしたら空のこの声は尊死ボイスである
(空くんの生声っ……!しかも僕の名前呼びで……これ、脳にクるっ……!)
翼は、空がアイドル活動を初めた当初からのファンである
1人の時も、メンバーと一緒の時も、そしてグループから抜けた時はとても心配した
だけど、この学園に入ってくると聞き、とても驚き、歓喜した
自身の憧れの存在がやってくるんだから……
そして、いつかまた聴きたいと思ってた空の歌
「それじゃあっ!みんなの前で一曲!披露してくれないかな?」
「しょうがないね、一曲だけだよ?」
空は気分が乗ったので、久しぶりに人前で、ノリノリで曲を披露した
空のパフォーマンスを見てルナはこう思った
(あ、あたし、すごい人に恋しちゃったのかも……!?あ、あたし、ちゃんと空のことを射止めれるのかな……?)
「お、終わりっ!」
「「「空様さすがー!かっこいいー!」」」
「ふふん!ボクを讃えよ!」
(久しぶりのパフォーマンス……やば……体力キツいなコレ……なんとか無理して息切れを止めてるけど、油断したら倒れ込んじゃうっ!)
空は無理をしていた
空は自身の曲でダンスパフォーマンスが激しい曲をリクエストされたので、やったところ想像以上に体力の消耗が激しかった
もっとダンスが少ない曲や歌がメインの曲もあったのだが……
空はファンに応えるのがエンターテイナーとして、パフォーマーとしての最大限のファンにできる敬意だと考えてるため断れなかったのだ
(や、やっぱりちゃんとレッスンしよ……)
空は体力トレーニングしなければな、と思った
空の弱点 体力のなさ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます