いちねんいちくみ

紅楼学園1年1組

ルナや空たちが配属されたクラスで、主にグループを結成していない、デビューしていない、入学試験で優秀な結果を出した生徒たちが集うクラス

今このクラスで自己紹介が行われている……


「ということで、みんなあたしと仲良くしてね〜っ!よろしく〜」


砕月空は空気に徹していた

自分が自己紹介しないようにするためだ

空は人見知りなところがある

なので、自己紹介という行為自体が苦痛なのである


「空?そろそろ順番来ちゃうよ?準備できてる?」

「いや、したくない……」


幼馴染の月ノ瀬ルナに勇気をもらったのだが、まだ足りていない


「大丈夫、なんとなくで切り抜けられるよ、空なら大丈夫だから……」


ルナに元気つけてもらっているが……


(嫌だ嫌だ!絶対にしたくないもんね!ふん!何がアイドルは自己紹介が大事だ!ファンサと歌と踊りでなんとかなるだろ!)


空は内心少しキレていた

しかし、事態は好転するはずもなく……


「それじゃあ、そのクラウドブルーの髪の人〜」

「空、出番だよ、頑張って!」

「まったくもう、しょうがないなぁ……」


やれやれと言いながら、空は自己紹介を始めた


(なんでボクがこんな注目されてるんだ?ぼ、ボク何かしたっけ?)


そんなことを思いながら……


「あ、あかつき学園から……来ました、砕月空です……おわり……」


教室が騒がしくなる


「あ、暁から……?」

「そ、空……様……砕月空様……あ、あの鬼神夜行きしんやこうの……」

「な、なんで紅楼に……?」

「そ、空様ーっ!」


ルナは困惑する

みんながなんでこんな反応するかわからないからだ


(そ、空……?な、なんで空があんなに有名なのかしら?ま、まさか……あたしに隠し事を……)


「ねぇ、ちょっと聞きたいことあるんだけど……」

「ん?どうしたのルナっち?」

「る、ルナっちって……」


ルナが聞き質したのは空の前に自己紹介をした少女

ギャルっぽい見た目をしていて、髪と目の色はオレンジだ

非常に社交的は彼女の名前は堀田涼夏ほったすずか

「逆にルナっちよく知らないよね〜」

「え、えぇ?」

「空様はさ、暁学園っていうとこの鬼神夜行っていうグループのセンターだったんだよ?」


ルナは涼夏が何を言ってるのかよくわからないままだ

涼夏はルナが空のことを知らないのが驚いている


「あ、暁学園ってどこなの?」

「と、隣の県にあるアイドル科がある学校、全国的にも有名だよ?」


涼夏にまさかそこまで知らなかったとは……

という反応を取られる

ルナは


「し、知らなくてもしょうがないじゃん!あ、あたしそこまでアイドル詳しくなかったんだし……」


(空ってアイドルやってたんだ……あとで色々と聞きたださないと……!)


ルナは空の新たな一面に驚くのであった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る