自己紹介

「えぇぇぇえっ!空と同じクラス!?」

「あはは……ごめんごめん、ルナと同じのは知ってたけど、伝えるタイミングがなくって……」


空はいたずらっぽくクスクスと笑う

クラウドブルーの髪を弄りながら、整っている童顔で笑うのはまるでイラストレーターが描いた美少女のようだ


「添い寝したときに伝えなさいっ!」

「こ、こらルナ!こんなとこでこういうことは言ってはいけないよ?」

「はっ……!」


ルナと空の周りの目の色は、様々だった

どんな関係なのか知りたい、ピンクの目

見下す表情を見せる、黒い目

他にも驚きの目であったり冷やかしの目であったり様々だ


(あぁもう!ルナは時々暴走しちゃう性格なんだよ……どうにか弁解しないと……)


空は頭の中でこの周囲に誤解を産んでいる状況を打破しようと考える

普通科や進学科だったら別にいいのだが、2人ともアイドル科

こういう噂が出回るとよくないということは空は重々承知している


「添い寝?ボクたち、そんな関係じゃないだろう?ボクがただキミと一緒に遊んでる時、キミが寝落ちしちゃっただけじゃないかい?それもリモートで、添い寝じゃないよ?」


ルナは空の発言に一瞬驚く

がしかし、空の目を見てルナは空の意思が伝わった

長年幼馴染しているのだ、お互いの目を見ただけで大体わかる


(空……あたしの尻拭いのために……うん、空、ちゃんと合わせてやるわ!)


「えへへ……ごめんごめん、今日は寝落ちしないように頑張るから、今日もお互い頑張ろう!」


周りの目はなんだ、ただの寝落ちか

その反応で大体はおさまった

ただ一部、例外はあったのだが……

その例外の目線は、空ではなく、ルナに向いていた



「わぁ!空と席が隣だね!よかった!」

「ルナ……ボクも嬉しいよ……」


ルナと空は席が隣だった

中学校は違ったので久しぶりの同じ学校、そして同じクラスで隣の席という運命のようなシチュエーションになってしまった

もちろん2人とも内心発狂したいほど喜んでいる



「────ということで、アイドルは自己紹介も大事!みなさんには自己紹介をしてもらいます!」


ざわざわと騒々しくなる教室

もちろんこの2人も……


「ボク、無理かも……」

「大丈夫、あたしが空に勇気別けたげる、先生!あたしからお願いします!」

「月ノ瀬さんですね、お願いします!」


ルナは堂々と胸を張ってクラスメイトの前に立つ

そして高らかに宣言をする


「あたしの名前は月ノ瀬ルナ!アイドルになりたくてこの学校に来ました!西門にしかど学院出身です!踊りとか歌は一応そういうスクールに通ってました!あたしはこの学校でいちばんのアイドルになりますっ!」


おぉ〜っ!と教室は盛り上がりを見せる


(やるね、ルナ……天性のエンターテイナーって感じがする……)


空はルナにそのような評価をつけていた

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