第10話 スキル……ガチャ?
しばらく三人が固まったり興奮し続けて、やっと動きだす。
ーーーあ?二人とも正気に戻ったのかな!?
じゃあ、早速この事を伝えて………やらなくちゃ〜直ぐに!!
「お帰り二人とも!!早速で!悪いんだけどーー!ステータスカードの『スキル』を見てくれない!!早く!早く!」
二人が正気に戻ったら、とても興奮している蓮華を見て驚きと少し呆れてしまった。
「あ〜今少し引いたね?まぁ、気持ちは分かるよ。行き成りこんなハイテンションになってる人が居たら………。」
蓮華が二人の視線で段々とテンションが戻っていく。
「取り敢えず……二人ともステータスカードを出して『スキル』の所を本当見て?」
テンションが戻った蓮華にもう一度言われて、言われた通りに『スキル』を見た。すると、そこにはデカデカと、
『 初回限定
無料でスキル・従魔ガチャ200連!! 』
の文字が目に映る。
「っえ?」「っノ?」
二人もコレを見て、目を大きく開き驚く。
「ね?凄いし、ビックリしたでしょ?コレ……」
と言いつつ蓮華が、ステータスカードに書かれている文字を指差す。
「「ビックリニャ〜/ナノ〜!?」」
二人はコクコク頷き、カードをジーーーっと見詰めたまま動かない。
「でね?私、体力が無いから……今からコレを回していい、試しに……?」
蓮華が今からガチャを回すと聞いて、二人がキラキラ目を輝かせて頷き。
「ニャ〜!!私も回すニャ〜!?」
「ノ〜!!私も回したいノ〜!?」
自分も自分もとガチャを回す事に賛成する。
わ〜!ヒスイもルリもガチャ出来るって分かったら、目をあんなに輝かせて〜、まぁ〜分かるけどその気持……。ただな〜、ガチャ…か〜……。
出て来るモノがどんなスキルかって、表示がないんだよね〜困ったことに……。それに……従魔って?スライムとか?どんな魔物か書いてないのが……ちょっと怖いよね………。ただ、従魔に関しては確率が“かなり、凄ーーっく低い”て書いてあるんだけど……。
いくら200連でも、あまり期待しない方が良いよね?神様が此処まで低いって言うなら。
アレかな?ガチャで沼にハメて、欲しいスキルはショップで買えって事?
神様………えーー?色々凄いですね……?としか、考えられない。と言うか、アレだね……私は深く考えるのを止めた。って事で。
まぁそんな事より、二人も待ってるし、ガチャを早く始めよう!!準備はもう出来てるし!!
蓮華が頷いて、ヒスイとルリも頷く。
「「「せーの!!」」」
三人仲良く、ガチャのボタンを押した。
ボタンを押したら、十枚のカードが現れてそれに雷が落ちる演出で、迫力があった。
演出も終わり出てきたカードが、どんなモノか見える様になる。
三人とも体力や魔力あと筋力や歩行がほとんどで、ステータスが一枚だけ出た。
「「「………」」」
「……気を取り直し……続きいってみようか?」
「「ニャー/ナノー」」
さっきまでの元気は無くなり、ショボーンッとなってしまい、ボタンを押して続きをする。
◇◇◇◇◇
結果は………、とても残念な、事になりそう……。
あ、後20しか無いのに……、私にはスキルらしいスキルが来ない………。
今日はツイてない、絶対良いの引ける気しないよ……。
イヤ、何時もガチャは当たらなかったけ………。素直に出るまで回すか、天上まで回すかだったからな〜。
このガチャのジンクスってナニ?あったら教えて〜〜。よくある書けば出る?イヤイヤ、ナニ書けばイイのさ!?
あぁ、ああーーー!!どぉしよーーー!!
蓮華だけ最初に引いたスキル以外来なくて、落ち込んでいた。あまりにも他のスキルが来ないから。
それに比べてヒスイとルリはジャンプキックと農耕、快眠が当たっている。
あまりにも落ち込んでいる蓮華をヒスイとルリはハラハラしながら見守っていた。ちなみに、二人はもうガチャを引き終わっている。
「………じ、じゃぁ、後二十連……行くよ……?」
蓮華がそう言うと、ゴクリと喉を鳴らす。
すると………、今までとは違う演出が起こった。
雷は青くカードに雷が落ちた後、虹色に輝き出したのだ。
「こ、コレ、は………ま、さかの……レア?演出っ……!?ーーし、しかも二枚!?何が起こったの!?」
今までとは違う演出で、蓮華はもしかしてレアなのか?と、驚き声が震える。
ヒスイとルリも、そんな蓮華の様子に驚きつつ、見守っていた。
「と、取り敢えず。この何故か虹色に輝いてる、カードから……行くね?」
戸惑いながらヒスイとルリに、何とかそう言う蓮華。ヒスイとルリも無言のままコクリと頷き、カードが何か確認する事を促す。
二人にも尋ね、それから……返事をもらい。恐る恐るカードに指を伸ばし、震えながらカードを押した。
すると、カードから光が溢れ出て、目を開けてられない程の光が辺りを照らし続ける。
暫くして、やっと目が開けられるようになった。
其処には………………、一人の少年が……こちらを鋭い眼差しで……睨んでいた。
目がまだチカチカする………。
あれ?まだ何か目が変だから……、幻でも…見てるのかな〜?
イヤ!?だって!!すっっごーーく怖い顔で、コッチというか私の事を睨んでるんですけどーー!?えっ?何で!?引かれるのがイヤだった……とか?でも、それなら私のせいじゃ、な・い……はず………だよね?……多分。
少年の眼差しに驚き怯えてしまったヒスイとルリは、素早く蓮華の足にしがみつく。
「フーーー」
少年は何故か、深く長い溜息を吐いて。
ギロリっと、さっきよりも鋭い眼差しを向けてきた。
「ーーー遅い!!遅すぎる!!」
そう少年は叫び、
「もう少し遅かったら、無理やり来るとこだった!!何を固まってる!?早くもう一枚のカードを!!」
叫び続け、蓮華の腕でを掴み無理やり、虹色のカードに触れさせる。
しかし、次に起きたのは先程の目を開けていられない程の光は無く。どちらかというと、弱々しい小さい光だった。
少年は蓮華の腕でをもう用が済んだと、勢い良く離し弱々しい光をまるで壊れ物の様に抱き締める。
その様子を見てた三人は、どういう事か分からないけど………。この少年が抱き締めている、光の塊が弱っていて、危ないトコだったのかな?と思った。
それに、あんな風に抱き締めて、表情と目をするなんて、凄く大切な子なんだろうな〜と見守ることにした。
◇◇◇◇◇
それから暫く経って、少年が三人に向かって頭を下げた。
「すまなかった……。急いでいたとわいえ……、睨んで、怖い思いをさせて。マスターにいたては、強く腕でを引っ張り無理やり動かしてしまい、本当に申し訳ない………」
そう言いながら、もう一度深く頭を下げる。
「あ〜えーっと?何か事情が?あるみたい……なので、それに謝ってもらったし?」
ヒスイとルリは蓮華の足にしがみつきながら、コクコクと頭を縦に振る。
「ありがとう。そちらの小さい二人も、本当にすまなかった」
まだ怯えているヒスイとルリに、今度は目線を合わせて少年は謝る。
「それで?私が遅いって、どうゆう事?」
「う?ああ。実は……ずっと見てたんだ………、この空間に君が来た時から……」
少年はそう言いながら、気不味そうに顔を逸らした。
「………此処に、来てから……」
「ああ」
「ずっと?見てた………?」
「そうだ」
少年は大きく頷き、ジーーーっと蓮華の顔を見た。
此処に来て………からの……、見て……。
ボッフっと音がたちそうな勢いで、蓮華の顔が真っ赤になった。
ヒスイとルリは何とも言い難い、宇宙猫の様な顔になる。
そんな三人を気にせず、少年は話を続ける。
「ハァーー。俺は巻き込まれになるのか?まぁ、今回の被害にあった異世界の精霊だ。一応高位だった。」
三人はへ〜〜ぇっと言い、少年の話の続きを待つ。
「それから…………、この光が……俺の弟だ。この子は上位精霊だった……」
話している途中から悔しそうな、とても苦い物をそれから辛い物を食べた様な顔をし始めた。
「この子は元の異世界が崩壊し始めた時に………、他の精霊達に……崩壊を少しでも止めるための、……贄にされた」
三人はそこまで聞いて目を見開いて、少年が大事に壊れ物の様に抱き締めている、ソレを見つめた。
そして暫く、皆が何も言えなくて無言になってしまう。
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お読み下さりありがとうございます。
最後の方ですが、初めてランキングに入りました。
ありがとうございます。
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