第6話 もう1つの

「「「ごちそうさまでした~」」」



 ヒスイとルリは初めての食事を終え、幸せそうにうっとりしている。周りが黄色く光らせ、今度は花ではなく星が輝かせている。


 蓮華は、ヒスイとルリの可愛い反応にほっこりしながら、背後の光や周りに出るモノが色々あることに感心した。


(あの背後の光とか周りの花や星は、二人の感情なんだろうな~。に、しても反応がすっごく可愛いの何でだろ?)


 そんな三人は、食後の休憩をまった〜〜りしていた。


 ヒスイとルリは食事の余韻が落ち着いて、自分達のステータスカードを取り出し眺め始め。二人は顔を見合わせて、「えへへ」と笑い出す。



 二人は新しいオモチャを買ってもらった、子供の様にはしゃぎ一つ、一つアイコンを開いて見始め。


 少しすると、ピッコンー!と二人のステータスカードから音がした。



「「?!ーー?今度はワタシ達にメールが来たニャ〜/ナノ〜!!」」


 ビックリしている二人の頭を撫でて、落ち着かせようとする蓮華。しかし、二人は叫んだ後固まっている様で、動かなくなった。


「ヒスイ?ルリ?大丈夫?…………お〜い二人とも?」


 何度か声を掛けても、返事がないので。大きな声で呼び掛けながら、二人を揺すってみる事にした。


「お〜い!!二人〜!!と・も〜〜!!」


「「…………っぁは!!び、ビックリしたの…………」」

「うん、おかえり二人とも。取り敢えずメール見てかビックリしよ?」


 蓮華がメールの内容で、驚く事を前提で二人に言うので。その言葉にも、ヒスイとルリがまた驚いた。


「「?ただいまニャ/ナノ?ーー?っえ、またビックリするニャ/ノ??」」


 などと、話しながら二人は不安そうに、メールを恐る恐る開いて見る。



 すると、メールなのに声が聞こえて来た。


 聞こえて来た声は、あのやけっぱち気味で、テンションが高った男の人ぽい神様みたいだ。


『 やー! 今日は、消滅しかけだった精霊達。

 被害受けた異世界の神だよ。


 まぁ、最初におめでとう。サポートキャラから従魔になれて、しかし、従魔と言っても候補の候補だから、契約者とこれから頑張って。


 さて、お祝いを言うためにメールを出した訳じゃないから、さっさと本題を言うね?


 君達、何時までチュートリアルを受けずに、いるつもりだい?と、言うかね?そこに行って何時間経ってると思ってるんだ。


 何時間か前に、契約者の方にメールを送ったはずなのに、チュートリアルが始まらないのは何でなんだい?

 これは忘れてる?これ絶っっ対に忘れてるでしょ!!


 君達から、契約者に二件目のメール見ろって!言ってくれる?


 それじゃあ!!ヨロシクね〜〜!



 ーーっあ、そうそう。ちょっとやらかした異世界の方の『神達』が、また洒落にならない事を、やらかしそうだから、君達は早く強化した方が良いよー!



               被害を受けた神より        』



 メールというかメッセージを聞いて、三人は言葉が出ないほど驚いて固まる。


「「「ーーーーーー」」」


「「ーーーマ、、マスターーー!ど、ど、ゆうことなのーー!!」」


 先に、正気に戻ったのは、ヒスイとルリの二人だった。蓮華は、二人の叫び声とポコポコ叩かれる少しの痛みで、正気に戻った。


 正気に戻った蓮華は、メールが来た時のことを思い出す。


 あの時はあの時で、驚いたりして色々大変だったからな〜、二人とも固まちゃうし。それで、私が気にしないで色々、まぁ〜勝手にして。で、それから…………。



 ふ〜〜と、深い溜息を吐いて、二件目の事で蓮華が言えることは。


「ーーぁ、あー、そのー、ゴメンナサイ……。…………二件目、見るのを忘れてました…………」


 シッーーーーン


「「「…………………………」」」


 ヒスイとルリは、蓮華にメールが来た時のことを思い出し、手で顔を覆い溜め息を吐いた。


「………………ゴ、ゴメンね。……二人とも。……取り敢えず『スタート』を押して良い?」


 ヒスイとルリは力なく、首を横に振りながら、


「「…………マ、マスターだけのせいじゃないの……。『スタート』押して良いの…………」」


「ーーーありがとう。じゃぁ、押すね」




 そう言いながら、力なく蓮華に二人が抱き付き。蓮華が抱き付く二人の頭を優しく撫でて。


『スタート』を押した。



 すると、三人の周りの床が、目を開けていられない程光出した。そして、光が収まると三人はそこに居なかった。




 眩しくて目を閉じていた三人は、恐る恐る目を開けてみた。もう眩しくないのを確認して、周りを見渡す。しかし、先ほどの光が眩しすぎて。


「「「………目、チカチカする…………」」」


「…………コレ神様の意地悪じゃないよね?」

「…………違うと思うナノ」


 ヒスイとルリは蓮華に抱き付いてたので、蓮華より目の回復が早かった様だ。


 ルリは、座り込んでしまった蓮華の頭を優しく撫でていた。そして、ヒスイはまだ蓮華に抱き付いたまま、興味津々の様で辺りを見渡している。



 少しして蓮華も目が回復したので、もう一度辺りを見渡した。


 目の前に在ったのは、アニメやゲームとかに出て来そうな、石で出来た神殿みたいな建物の前だった。


 三人は神殿みたいな建物を見上げて、思わず“っお~~~⁉”と声を出して驚く。


 何故なら模様が凝っているし、神殿の前にある広場は石畳になっているから。


「ーーーえっ?……これなら、最初っから此処に来てれば良かったのでは??」

「それはそうなのニャ〜??」

「……確か、神様達が魔力をいっぱい消費したいから、段階を何回かに分けたノ。何か罠?も仕掛けてるって言ってたナノ」



 ちょっとルリが言ってる罠が、すっごく気になってるけど、多分聞いたら後悔しそう。それに、ルリも罠について良く分かってないみたいだし。



 まぁ、このまま此処に居れないから、中に入ってみないとなんだけど。ヒスイとルリに、何か説明あるか聞いてからにしよう。


「で?……二人とも?何か説明有るんじゃない?」


 二人が蓮華に言われて、っえ?みたいな顔でお互いの顔を見合わせて、


「…………確かに、有ったはずニャ……」

「…………そうナノ……。此処で、チュートリアルをするノ。後、罠が……人によっては罠になるって言われたノ……」


「二人は罠が何か、分からないんだね?」


 二人は説明の事を聞かれて、内容をあまり覚えてなく、その事に段々不安になってきて、顔が俯いていく。


 コクリと、無言で頷く。


「ーーそっか、仕方ないね……」



 そう言いながら、蓮華が二人の頭を撫でて、目の前にある神殿を睨みだした。しかも、二人には見えない様に。


(ーーー可愛い二人を不安そうにさせて?悲しい顔させた?ヒト達に何かしたいな〜〜?)


 蓮華は思わず、神様達が困る様な事を考えて、それができないかを考える。


 しかし、蓮華は何も思いつかない事に、少しイラッときた。

 それはそのはず、まだチュートリアルをする事しか知らない蓮華が、神様達を困らせる事が分かるわけないのだから。


 ただ神様達に、蓮華は勿論ヒスイとルリは少し問題児と、認識され始めていた。



「ーーほら、二人とも。元気出して、そろそろあの神殿の中に入ってみよ?」


「「………はいニャ/ナノ……」」



 ヒスイとルリは蓮華の手を掴んで、ピッタリと引っ付いて入口の方に、ゆっくりと歩いていく。


 入口の前に着いた三人は、派手ではないが立派な扉を見て。


「「「ーーーっす、スゴーーイ⁉」」」


 また三人は目的を忘れて、扉や壁それと柱などを見て回る。建物は意外と高く大きい派手ではない、でも綺麗で細かい模様が施されたものだった。


「神様達拘ったね~~。コレ見て回るのも良いね!」

「ニャー⁉細かいお花ニャア~⁉」

「猫と兎もあるノ~~⁉可愛いナノ~⁉」

「ーーースキルと魔法が使えるようになるなら、…………こういうの作れそうなヤツ取るのも良いかも」

「「…………マスター気持ちは分かるニャア/ナノ」」





========

 これから蓮華は、神様達にイタズラ?困らそうと考え始める。

何をすれば困るかな?

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