第5話 サポートキャラから
「……ゴメン、二人とも。それわざとじゃないの。間違えただけなの……」
さっき思わず出た、うっはーがあまりにも恥ずかしかったのか、顔だけじゃなく耳まで真っ赤になっていた。
「……だから、もうマネするの、……止めてくれない?」
まだ、うっはー!うっはー!と言っていたから。
蓮華に言われて、二人がマネするのを止めて、蓮華に顔を向けると、恥ずかしすぎて今は薄っすら涙目にもなっていた。
「「――ゴメンナサイ……」」
少し気不味くなって、沈黙が続いた。
「……コッホン」
態とらしく蓮華が咳をした。そして、背筋を伸ばして、この雰囲気を変えるため、少し気になっていた事を聞いてみることにした。
「え~と、少し気になってたんっだけど、二人の口調とか語尾もしかしなくても無理してるの?」
そう聞かれて、今度は二人が恥ずかしそうに、もじもじし始めて顔を赤らめた。
「そ、その~神様達にキャラ付けは大切な事だって言ってたニャア~」
「そ~ナノ。でも、契約してもらって、強化もしてもらえたから安定してきたノ~」
顔は赤いまま、嬉しそうに笑顔で言う。そんな二人を見て蓮華も嬉しそうに笑う。
「それは良かったね!」
「ーーっあ!追加だった場所が今は『強化』になってるってことは、まだまだポイント注ぎ込めるんだ〜」
笑顔だった蓮華が、急にスンと真顔になった。
カードを良く見たら、二人の名前の左横に『強化』とあった。しかも、自分のはステータスの左横にある。
コレは、本当にポイントがいくらあっても足りない。
(ステータス良く見たら、気になるとこしかなかった……。左横の『強化』とか、年齢とか……)
『強化』[名前]真壁 蓮華 レベル1
[年齢]13
『強化』[ステータス] レベル1
『強化』[体力] 1
『強化』[魔力] 1
『強化』[力] 表示不可
『強化』[防御力] 表示不可
『強化』[知力] 表示不可
『強化』[俊敏] 表示不可
『強化』[器用] 表示不可
『強化』[幸運] 1
『強化』[スキル]レベル1 表示不可
『強化』[従魔] レベル1
『強化』ヒスイ(候補の候補) 強化レベル1
『強化』ルリ (候補の候補) 強化レベル1
「何かすっごーーく『強化』が付いてるんだけど……」
困惑している蓮華とは対象的に、ヒスイとルリの二人は、蓮華のステータス画面を見てニコニコ笑顔で、背後が黄色く温かな光で輝いていた。
「ルリ!ルリ!ワタシ達!!ちゃんと従魔になってるニャ〜!」
「ヒスイ!ヒスイ!なってるノ〜!なってるノ〜!ちゃんと!でも、候補の候補ナノ〜」
「これからポイント稼いで強化していけば良いだけニャ〜」
二人は最初、キャッキャッと喜んでいた。
しかし、ルリは少し落ち込み、直ぐに笑顔に戻る。ヒスイはやる気いっぱいなのか両手上げて、蓮華を見上げてくる。
そんな二人の反応を見ていた蓮華は、取り敢えずこの可愛い子達を見る事に集中する為に。他の事、強化に必要なポイントとか、歳の事とかは後で考える事にした。
それから少し経って、二人がこんなに喜んでいるか気になったから聞いてみる。
「二人とも嬉しそうなのは良いんだけど……。でも何がそんなに嬉しかったの?」
「あのニャ!あのニャ!ただ正式契約しただけたと、サポートキャラのままだったのニャ!」
「そうナノ!そうナノ!サポートキャラのままだと、消滅しかけてるのが少しづつ進んでしまうノ!」
「でも!でも!マスターが追加でポイント払ってくれたから、従魔になれて消滅しかけで止まってるのニャーー!」
ヒスイとルリは両手を強く握りしめて、興奮しているから早口で説明してくる。
蓮華は、そんな二人の勢いに押され気味だった。
しかし、二人が言った言葉を頭の中で思い出し、消滅しかけだと言われて心配していた。それが、止まっていると言われて、少し安心しする。
蓮華は笑顔で、二人に言葉をかけた。
「っうぁ。そ、それは良かった!ーーうん。本当に。消滅しかけって聞いてたから、何処か痛いとこがてでくるんじゃないかと、心配してただー!」
そして、その言葉に二人もより笑顔で、周りも輝かせ花も咲かせながら、
「「ーーー!!マスター!ありがとーーうニャ!/ナノ!」」
少しの間、三人で喜び合った。
「それじゃあ、気お取り直して。……二人とも従魔の候補の候補って何?」
「……実は、ワタシ達もあまり分からないのニャ〜」
「神様達の説明だと、あるレベルまで上げたらマスターが、日本に帰っても一緒にいられる様に、なれるっていてたノ〜」
「それで、もっとレベル上げたら、え~と。後、何か転生や転移しても一緒にいられるとも言ってたノ!」
ヒスイとルリは首を傾けながら、少し困った表情をしつつ。神様達に教えてもらった事を思い出しながら、説明してくれた。
聞いていた蓮華も、首を傾げる。
転生や転移の言葉で、どうして今の状況になったか。
それを三人は思い出し、顔を見合わせて頷く。
「ーーーまぁ、気になる事が凄くあるけど。今は取り敢えず、気にしないでをこう?色々後悔しそうだから……」
「「ーーそれが良いと思うニャ/ノ……」」
「私はうっかりのおバカだからね。深く気にしない。取り敢えず、ポイントを稼いで平等に強化していこうと思う。で?二人は?」
コクコクとヒスイもルリも頷きながら。
「ーーそれが良いニャ」
「ーーそうナノ。ただポイントをいっぱい稼いで、ワタシ達が欲しいスキル取って、いっぱい強化してれば平気ナノ」
そう自分達に言い聞かせる様に、顔色が少し悪くしながら話し続けた。
疲れ果てた蓮華は、此処に来て何も食べてない事を、思い出して二人に聞いてみる。
「ーーー気分を変える為に、何か食べる?」
二人は、キョトンとした顔をして、何を言ってるか分からない。そんな、反応だった。
「「ーー??ー食べるニャ/ノ?」」
二人の反応に思わず、溜め息をついた。
(先の睡眠が初めてなら、食事も初めてだよね……)
睡眠の時の二人を思い出し、その時の失敗も思い出した蓮華。
食事は失敗しない様に、少し気合いをいれて、二人に喜んでもらおうと思った。
「じゃ、何を食べたいか、『ショップ』で見ようか?……あ、後、テーブルとクッションも。二人が食べ辛いかもしれないし」
まだキョトンと固まっている二人に蓮華が、『ショップ』の画面を見せながら、食べみたい物を聞いていく。
「うん。じゃぁ、二人ともハンバーグ弁当で良い?」
コクコク
二人はまだ固まりながら、首を縦に動かす。
「私も一緒のにして。飲み物はりんごジュースで平気?」
コクコク
今度は凄い早さで、首を縦に無言で動かす二人。
(弁当が3ポイントでジュースが1ポイント、テーブル10ポイントでクッションが5ポイント、……やっぱり色々気になるけど…………気にしない。そんなことより二人の初めての食事を…………)
蓮華が操作をし終えて、直ぐに光、テーブルとクッション3個、そしてハンバーグ弁当3個とりんごジュースも3個が現れた。
ヒスイとルリの目がハンバーグ弁当に釘付けになり、だんだん輝かせる。
蓮華がササッと、テーブルやクッションを並べ、弁当を直ぐに食べれる様にセットし。動かないヒスイとルリをクッションに座らせた。
「ーーー二人ともガン見だね〜。は〜い!いただきます」
「「ーーーいただきます」」
あまりにも動かないヒスイとルリに蓮華が、あ〜んと言って一口づつ食べさせ。スプーンを手に握らせる。
「「〜〜☆☆◇◆■□!!」」
二人が言葉になってない言葉を発し、勢い良く食べ。
目をキラキラ輝かせて、周りに花を咲かせる二人を蓮華はニコニコ笑顔で、今度はちゃんと出来たとガッツポーズをした。
(二人ともちゃんと嬉しそう!今度の初めては成功した!!しゃ〜〜!!)
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お読みいただきありがとうございます。
意外と続きを書けてます。
少しでも、面白いと思ってもらえてたら嬉しいです。
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