異空間の前に

第2話 真っ白な異世界?

 そこはもない真っ白な空間だった。異世界の神たちがチュートリアルのために異空間に送ると言われたのに、真っ白なちょっとひんやりとしたかなり広い空間。

 しかも、神様が最後に言っていた事は本当だったみたいで、人は彼女以外誰もいなっかた。



 今までも、ファンタジーだと思っていたけど。

 この空間は、これが正解なのかな?それとも異常事態?ゲームとかプログラムで言うバグとかじゃないといいんだけど。

 というかさっきまで、ベットの上に居たけどなくなってポツンと立ってたんだけど。こんな空間で、これからどうしろと?


 そういえば、アニメとかマンガだと自分しかいないのに、思ってることをそのまま声に出してた場面をふと思い出した。あれって、慌てたり混乱してること多いいよね?それでだいたい落ち着いてたし。意外と私も意外と混乱してるし、声に出してみたら落ち着くかな?

 とりあえず落ち着くことを考えよう、その為に思いついた事からやってみよう。まずは、さっき思い出したアニメとかマンガの真似から。

 今一番思ってること言いたいことは、やっぱり。


「いやいや!何でなーーんも無いの‼あの神様たち異空間で詳しい説明あるって言ってたよね?あれ??私が寝ぼけ聞き間違えた?違うよね?……違うはず多分」


 声に出してみたもののあまり変わんなかった。多分もっと声に出して叫ぶ事はあるんだろうけど。きっと他の人達が叫んでくれてるはずだから、私はいいや。

 何か叫んだら、疲れが一気に出てたし一先ず寝よ。寝れば落ち着くでしょ。

 それに熟睡してる時に起こされたんだもんまだ眠い、だから寝よ。あと、寝て起きたら何かが変わってるかもしれないし。

 掛ける物ぐらいは欲しかったけど、仕方がない。


(あ、床ひんやりしてて気持ちいい。それじゃ、おやすみなさい)


 彼女は目を閉じて、ほんの数秒で寝落ちた。

 ちなみに、異空間に来てから5分も経ってなかったりする。




 その様子を床から半分?出ていた光の球が2つ実は最初から見ていた。


 しかし、いきなりの事で混乱しているだろうからと、少し出るタイミングを待ってた。待っていたら逆に出るタイミングが分からなくなり、困っていたら担当の子が寝てしまったのである。

 とりあえず、光の球達は困惑しつつ起きるのを待つことにした。だってこんな状況だから、すぐに起きると思ったから。





 1時間後


 まだ起きない。

 光の球達もまだいいかと、そのまま見守っている。





 5時間後


 まだ起きない。

 これには、光の球達も慌てだした。彼女の周りを動き回り、声をかけ始めた。


「あのーそろそろ起きて欲しいのですヨ‼」

「もう5時間は立ってるんですナノ‼」


 最初は普通の大きさで呼びかけ始めたが、彼女は全然起きなかった。

 仕方なく呼びかける声の大きさを上げていったけど、やっぱり彼女は起きない。





 12時間後


 彼女はやぱりまだ起きてなかった。

 そのせいで光の球達が、落ち込み背後に暗くどんよりしたものが漂っている。それも仕方ないかもしれない。あれからずっと、本当にずっと声を大にして呼びかけ続けていから。


「…おっヒク…起きた欲しいの…っヨ」

「…っいい加減…スン…起きて…っナノ」


 光の球達が今まで我慢して、頑張っていたのがついに泣き出してしまった。

 ボロボロと辺りが直ぐに水溜まりを作っていく。


 真っ白な空間で何も無かったはずなのに、何故かすすり泣いてる様な音が聞こえる。

 手のあたりが濡れてる?それに、目を少し開けたら水溜まりの上に光の球が二つ在った。


「…う…む?…おはようございます?」


 彼女はやっと、ホントにやっっと起きたようだ。

 光の球達は彼女の目の前、目の高さまで行く泣きながら。


「あ~えっと…何だか…ご迷惑をおかけしました?私は一回寝ると中々起きないもので…本当ごめんなさい」


 私はなんとなく、この光の球達頑張って起こそうとしていたのが分かった、それで中々起きないから泣かせたのだろうと思う。家族によく言われたし、目覚ましは最低十個セットしないと起きれなかたから。


 もう光の球達はしゃっくりのせいで話せなかったけど、頷いてるみたいで上下に動いた。



 それから光の球が落ち着くのを待った、なんとか喋れるようになったもたいで話し出す。


「…起きてくれて良かったヨ」

「…本当に良かったナノ」


 そう言いながら深いふかーい溜め息をついた。


「いや、本当にすみませんでした。」


 これしか言えなかった。あんな深い溜め息は初めて聞いたな。


「とりあえずここの説明するヨ。ここは簡単に言うと待合室みたいな,

 ロビーみたいな所ヨ」

「ワタシ達はお迎えとサポート役ナノ。貴女がここに来てすぐは、混乱してると思ったから待ってたら寝てしまったナノ」

 力なく、ボソリと呟く感じで話している。

 背後は、どんよりと暗いままだった。


 それお聞いて両手で顔を覆った、なんかスゴく恥ずかしい。


「……予定と確か違うけど。えっと、それで貴女には選んで欲しいことがあるのヨ。まず、ワタシ達と正式に契約するか、異空間までの案内と説明だけをするかですヨ」

「そうナノ。予定と何か違うの。ワタシ達と契約が正式結んだら、これあら行く異空間での生活を一緒にして、ダンジョンにも一緒に行くのナノ」


「予定狂ったのは私が寝てたからでしょ?だから気にしないで。それとあなた達が一緒に?それはありがたいけど、いいの?さっきわざとじゃぁないけど、あんなに泣かせちゃったのに」


 私が背後を気にっしながらそう言えば、2つの光の球はビックと動いて。目が逸らされた?と目の場所が分からないのにそう感じた。


「「……だ、大丈夫ダヨ……か、かく、覚悟は出来て、ルから」」


 頑張って付けてます感の語尾がなくなった!あと何か話し方が変わって来てる?

 え、あれ?全然起きなかったのって、そんなにトラウマになるの?

 スンッごくバイブみたいに震えてるけど。


「…本当に?そんな震えてたら、その契約辞めとこうかと思っちゃうんだけど」


「「……すみません。貴女じゃなくて元上司?みたいな人?を思い出しただけなので、貴女のせいではないんです」」


 勢い良く光の球なのに頭を下げられた。そう感じるのは、何だか不思議な感覚でちょっと面白かった。


(私ってそんなに元上司に似てるのかな?…え、あんなに怯えられる人と?そんな人と一緒にされるの嫌だな)


「えーと私と、その契約?をして貴女達に何か得な事があるの?契約だから私だけが助かるって訳じゃないよね?」


「「…はい。」」

「ワタシ達は、今回迷惑をかけた異世界の生まれかけだった精霊なんです」

「ワタシ達生まれていなかったので、その、今回のことで消滅しかけてるところを、被害にあった神様達に助けてもらったんです」


 さっき少し背後が少し明るくなったのに、また暗くなってしまった。

 私ってやらかした神に似ているの?さっきも嫌だと思ったけど、余計に嫌なんだけど。


「それから、ワタシ達の存在出来るギリギリで、今は不安定な存在なんです。ホントに壊れかれ、デ、ボロボロなんです」

「そのギリギリなのを何とかするために、正式に契約してダンジョンに一緒に潜ってポイントを貯めこと。

 それから、この体を作るのにお金というかポイントかガってるんです。だからその分を、自分自身達で何とかしないといけないんデす」

「正式に契約されなければ、ワタシ達も専用の異空間で色々な借金分のポイントを払わないといけなイのです」


 2つの光の球は背後の様に球も黒く、暗くなっていく。

 ファンタジーだけじゃなくホラー要素も強いのか、周りがひんやりしてきて、見えない圧力もかかっているのか、身体が重く感じて息も苦しい。


 顔が引きつるのが分かっる。これは、仕方ないだろうこんな体験初めてなんだから。ちょっと怖い。

 私の様子に光の球達が気付いて、慌てて球の色?や背後の色が戻った。

 おかげで身体の重さと息苦しさが無くなった。私は、深いため息をはいて、光の球達を見る。


「「すみません。…魔力が少し漏れました」」

「あ、うん。…とりあえず、戻ったならいいよ」

「思い出したのですが実はこの話、貴女に言うはずじゃなかったんです。正式に契約するか聞いて」

「する場合は、チュートリアル用のダンジョンでポイントを稼ぐですノ。それでそれのポイントを使って、本当にワタシ達と契約するか聞くだけだったんですノ」

「あ…チュートリアル用のダンジョン忘れていましたです」

「忘れてましたナノ」


 段々と床近付き水溜まりを作る。かなり落ち込んでいるみたい。また、凄く震えてきた。しかも、光が点滅してきた。点滅は少したてばおさまった。




「あの、今その神様方に問い合わせをしたのです」

「そしたら、神様方が先に貴女の貯金と保険金をポイントに替える許可がでましたナノ」


 また背後が暗くなってる。光も暗い。


 何だか、かける言葉がみつからない。私には、とても重い話しで、これから2つの光の球達が大変なことぐらいしか分からなかった。


(予定狂ってたのは自分達も言ってたけど。そのチュートリアル用のダンジョンに行く予定は、大切な事だったんだな)


 まぁとりあえず、空気を読まずに話してみよう。うん、少しでも雰囲気が変わればいいんだけど。



「えっと、私が寝てたから予定が狂ったせいだと思うから、ね?そんなに気にしないで。あ、それで私の貯金と保険金がどうとかの説明してくれる?」


 出来るだけ明るく言ったのが良かったのか、また目の高さまで上がって来てくれた。


「……そうですね。っ説明を続けますネ、と言っても貴女の貯金と保険金をポイントに替えるんだけです」

「1ポイント=1円ナノ。貴女のポイントは一千万ポイントナノ。それから、貯金とかは日本にい帰るときにする事だったナノ」

「ワタシ達と契約するのに2000ポイントと名前を付けるのが必要でス」

「ポイントを追加するとワタシ達を強化出来るのですノ。これ、このカードが色々出来る端末ですノ」


 そう言ってガラスみたいなカードを差し出され。

 カードの表面に『契約しますか? はい/いいえ 』とかいてある。


 背後が暗かったのが少し明るくなってきた。後、少し輝いてる。

 期待されてるみたいで、こちらを見られてる。

 まあ、答えは決まってるけど、名前考えるの苦手なんだよね。とりあえず、はいを押して次に画面に現れたのは動物の画像だった。これは、2人に選んでもらおうかな。


「2人とも、この中からこれからの体?のモデルを選ぶんだって。どれにするか好きなの選んでくれる?」

「「‼契約してくれるんですか/ナノ。」」

「あ、えっと、えっと、白と茶色の猫が良いです」

「…えっと、この白兎が良いですナノ」


 そう言えば契約するって、うん、言って無かったなぁ。

 光の色も背後というか周りが白くすっごく明るくなった。うわ、眩しい。


「じゃあそれで、後は名前だね。その前に、お願い眩しいからもう少し抑えて」

「「ごめんなさいです~」」


 光はさっきより収まってきている代わりに、花が舞ってる、あ星も増えた。

 それに光の球からもう猫と兎の姿になっていた。


「猫の子がヒスイで。兎の子がルリでどうかな?…後自己紹介がまだだったよね。真壁 蓮華です。これからよろしくお願いします。」


 今更だけど自己紹介してなかったのを思い出して。2人が名前を気に入ってくれるか分からないし自信なかったから。誤魔化すためにも自己紹介のとこは、早口になってた。


「……ワタシはヒスイです!!」

「……ワタシがルリですノ!!」

「「マスターありがとうございます!!これからよろしくお願いします/ナノ!!」」

「名前気に入ってもえたみたいで良かったよ」

「「はい〜!!とってもです/ナノ!!」」

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