第3話 追加ポイント=課金
二人は余程、契約と名前が嬉しかっのか。私の周りをグルクル走り回っている。
しかも、本物の猫と兎じゃなくって、二足歩行でマスコット的なぬいぐるみ感のあるモフモフの体で、大体身長が六十センチ位?で紺色の甚平を着たとても、とっても可愛い猫と兎の姿で。
それと、走り回る二人の周りに花を咲かせながら。
可愛いんだけど、ずっと見てると目が回りそうな速さになってきてる。
でも、止められないんだよね可愛いから。
それに見てると笑顔になれて、今の状況を忘れられて精神的にもいい。自分がどれだけ混乱してるかが分かった。それに、まだ混乱してる事も。
(二人が落ち着くまでもう少し待ってよ。それに、癒されるかし)
蓮華は今のうちに、さっき渡されたガラスのカードを見る事にした。
大きさは少し大きめなスマートフォン位あった。表面には、よくあるゲームとかのホーム画面みたいなものが表示されている。
カードの下の方に『ホーム』『ステータス』『従魔』『アイテム』『ダンジョン』『スキル』『ショップ』の7個アイコンがあり。その上には『地獄(地獄仕様 罰金・賠償・保釈)ポイントセット数 現在 0セット』とあった。
(な、何だろう?このセット数って。何ポイントで?1セットになるか書いてないのが怖いんだけど!!それに、セットってトレーニングみたいに複数で1つ何ポイント?しかも、地獄仕様ってのが余計に怖い!!)
ポイントセットと書いてるのを見て、蓮華は思わず顔を歪め上を見上げ、肩が下がり、身体から力が抜けていく。
何故なら運動、身体を動かしたりは好きな方だが、筋トレ等のトレーニングがあまり好きじゃない。大体三日続けば良い方だからだ。
だからセットで思い出すのは部活、テレビとかで紹介している筋トレや健康の為のトレーニング、ダイエット等だったからだ。
アレらは、何種類かのトレーニングを〇〇回、一日何セットだった。
それに、ポイントを集めるのはゲームのイベントとかを思い出す。ゲームに寄ってはかなり集めるのがキツイ物がある事を知っている。
しかもそれが地獄仕様、嫌な予感しかしない。
(昔あったブートキャンプ?とか自衛隊とかのトレーニングとか、ゲームアイテム集めるやつで、なかなか集まらなくって周回するアレな感じ?)
ピッコン!! ピッコン!! と、音がなった。
ビックリしてカードを見てみると、カードの真ん中ぐらいに『メッセージが2件届きました』と表示される。
ヒスイとルリも音に驚いて、走り回るのを止め蓮華を見上げていた。
「えっ?!メッセージ?何で?誰から?」
「マスター?神様からメッセージニャ~?」
「マスター?なんて書いてあるんですノ~?」
「えっと、これ神様からなの?何か二人の契約した時に払った追加ポイントが、神様達の決めてたポイント数を超えたからその特典を送る。って書いてあるよ。あ、それから、このカードの上に手を置いてって書いてあるね」
「「……え?マスターいつの間に追加ポイント払ったんですか~?!」」
「二人が体を選んでる時に払ったよ?一万ポイントずつ。まぁ、追加ポイントって課金と同じかな?って思ったから。そんな事はまあいいから、手ここに置いて?」
「「…課金……そ、そんな事…」」
二人の何とも言えない、とても苦い物と酸っぱい物を同時に食べたようなそんな顔をしていた。これがよく言われている宇宙猫と兎?になっていた。
((あまり詳しく説明をしていなかったからって、契約はしても追加まではしないと思ってた、思っていたのに何で?何で?何も聞かずに追加ポイントまで払ってるニャー/ノー⁉しかも、課金って‼まぁ、ゲームとかでよくある課金を神様達が参考にしたから、確かに一緒だけど~‼))
それもそのはず、二人も神様達も追加ポイントを払うと思ってなかった。
本来ならこの真っ白な亜空間でチュートリアルをした後。
獲得したポイントで二人と正式に契約するため、普通は追加できても一~百ポイントだと思っていたからである。それが、一万ポイントを追加したと言われれば、誰でも驚くだろう。
まだ特典とかの大切な事を説明していなのに、軽くスルーして気にしていない蓮華を見る二人の顔が、宇宙猫と兎から仏様みたいに穏やかな顔になっていった。
そんな二人を全然、まっったく気にしない様子で、蓮華は持っていたカードを床に置き、二人の片手をそれぞれ持ち、カードの上にそっと置いた。するとカードが光りだしたと思ったら、光の球が出てきて二人の前に蓮華と同じカードが現れる。
「「……って、う、っわぁー。…マジか、マジなのか~。本当にステータスカードだ……マスター、やらかしましたね…」」
「?このカードってやっぱりステータスカードだったんだ?…っうん?やらかした?……っえ…あ~あれだ、…うん、あれ、こまけ~事は気にすんなって事で」
「細かくないノ〜⁉凄っく大切な事ナノ‼」
ルリは興奮した様子でピョンピョン飛び跳ね、それから目に涙を浮かべながら、蓮華の足をポコポコ叩きながら言う。
蓮華がルリのこんな反応も可愛いなと思いながら、ヒスイの方に視線を向けると。
「アババババババ」
ヒスイを見ると、頭から湯気を出して左右にスッゴイ速さで震えていた。目も白目になっていた。
蓮華とルリは、そんなヒスイの様子に驚く。
「っえ!?っちょっとヒスイ落ち着いて。ね?何か分かんないけど、ゴメン!!だから落ち着いて、ね?」
「ヒスイ〜落ち着くノ〜!!ヒスイ〜!!マスターに説明してから慌てるノ〜。それに、これでずっとマスターと一緒ナノ!!」
蓮華がオロオロしながらヒスイに話し掛けて、落ち着かせようとしているし。ルリが混乱して、慌てるのが前提で話し掛け続けていた。
「あばば、…お、だ、…ダイジョウブニャ…コレグライ、…ダイジョウブニャ」
ヒスイは意識が少しだけ戻ったみたいで、頭から出ていた煙と震えは収まったが、まだ目の焦点があってないようで少し揺れていた。
そんなヒスイを蓮華とルリが、頭や背中を撫でてもう少し落ち着くの待つことにした。
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