第31話 仲間たちとの会話と狩猟をするよね。

トオルの周りのお花畑は、トオルの魔聖気の影響できらきらと輝いてさんさんと輝いていていた。それはマムの解呪を大地に祝福されているようだった。


起きたら、大きい何かに包まれて、耳元で泣いている声が聞こえたよ。

「うーん、僕はどうして……なんで倒れてたんだ?」


「トオル、トオル、妾のために……無茶をして!!」

「トオル君!! マムのためとはいえ、また無茶をしたでしょ!! めっ! なんだから」

「トオル、またお前の身長が縮んでいるだ、鍛えなおしだあ」


無茶?? 確かに自分の細胞を強化したときは無茶したかも.……それに身長が縮んでるってどういうこと? 

そう思って自分の手を見つめると何となく小さくなった気がする。

ゴン太によると身長が155センチくらいになってるらしい。5センチ縮んだなあ。


仲間がワイワイしている中、妖精たちの庭園からセレスまで飛んできたよ。

「森から巨大な魔力が発せられたので何事! と思って見に来たのですがトオルでしたか、それにしても……まあっ、トオルが小さくなってるわ。カワイイ……」


最後の言葉は小声で聞こえなかったけど……。そんなに魔力を発していたんだね

ちらっとマムを見ると風になびく銀髪の長髪が凛々しい大柄の肉体の女性になっていたよ。よかった、マムの解呪はちゃんとできたんだね。


マムはツンツンと僕の頬をつつきながら、テレっとしているね、ついでに僕の片腕を抱きしめているよ。どうやら小さくなった僕の姿が気に入ったらしい。なんで僕の周りの女性はショタコンばかりなんだ?


「もうっ! マムとばかりイチャイチャして! 僕ちゃんもいるのに!」

「それを言うなら私もいますわ、トオルの片腕は私のものです!」

いつの間にか、僕のもう一つの腕はセレスの胸の中に抱え込まれていたよ。それを見た、リリィはぷーっと頬を膨らませて僕の口にチューをしてきたよ。


「あーっ、ずるい私もしますわ!」

「妾も!」


その後、めちゃくちゃマムたちとキスをしたよ。興奮したリリィが脱ぎ始めてあわててゴン太と止めたのはいいことだったのか、悪いことだったのか。


「トオルは本当によくやっただ。マムの解呪はどの呪術師にもできないことだったんだ」

「本当にそうよね、妖精たちの庭園にもマムの呪いのうわさは届いていましたもの。私も何度か解呪しようとしましたが、リスクが大きすぎてできませんでしたわ」

「本当にトオルはすごいのよ、あの魔聖気のきれいさと言ったら……」

「トオル、本当にありがとう……妾は一生トオルのものじゃ……」


なんか一名プロポーズみたいな感じになってるけど……それはいったんスルーしてこちらこそマムの解呪が成功してよかったよと言ってると森から怒気をはらんだ闘気を纏ったものが近づいてくる。


僕はまだ動けないのでマムたちが構えていると……

闘気で空気をゆがませた大きい悪鬼がやってきた。三本角に銀髪の褐色肌のイケおじの190センチはあろうかという大鬼だったよ。

その大鬼はふーうっと空気を吸い込んでこういった。


「マムは嫁にはやらん!!」

あーっ、このパターン見たことあるなあって思ったよ。


マムは一瞬、ガオウの姿を見て驚いたが、すぐにため息をついた。


「父上、またその話ですか……妾はもう子供ではないのじゃ」

「なんだと!? マムはまだまだ俺の娘だ! 嫁にやるつもりなど毛頭ない!」

ゴン太やセレス、リリィたちが顔を見合わせてクスクス笑い始めた。


「ふふ、ガオウは相変わらず娘さんにデレデレですね」

「マムのことをそんなに愛しているんですね~」

「う、うるさい! これは親として当然の反応だ!」とガオウは頬を赤くしながら怒鳴った。

マムは恥ずかしそうにトオルに目を向けた。「妾は父上のことを無視しておくのじゃ。トオルよ、狩猟のことについて話そうではないか……。」


「う、うん……」とトオルが答え、二人は話を続けようとした。


だが、ガオウは引き下がらなかった。


「マム、いやうちの娘を解呪してくれたことには深く感謝する。どんな高名な呪術師に見せても駄目だったんだ」


「なら……」

「いーや、マムを嫁にやるとは一言も言ってないぞ! というかこんな人族でも見かけないチビに娘をやるわけにはいかん!」


「トオル、もういい! 父上のことは置いておいて狩猟に……」


「いや、待て! 俺も狩猟に参加する! マムが危険な目に遭わないよう、俺が護るのだ!」

「父上! 妾はもう子供ではないと言っておるだろう!」とマムが声を荒げたが、その様子にみんなが笑い声をあげた。


「何を言っている! 体が元に戻ったからと言ってそんな子供と二人きりでの狩りなんて認めるわけなかろう! 俺がついていけば安心だ!」



マムはガオウの強引な提案にうんざりした表情を浮かべながらも、仕方なく頷いた。


「父上がそこまで言うなら、仕方ありませんの……。では、一緒に狩猟に行くのじゃ」

「おう! 任せておけ、マム! 絶対にお前を危険な目に遭わせん!」ガオウは大きく胸を張った。


セレスやリリィ、ゴン太もそれを見守りながら、興味津々でトオルを見た。「トオル君も行くのですか?」とセレスが問いかけた。


「えっ? もちろん行くよ。マムに狩猟を教えてもらう約束だからね」とトオルはやる気を見せた。

「ほっほっ、トオルも狩猟か。面白いものが見られそうだな」とガオウが笑いながら、トオルの肩を軽く叩いた。力の強さに、トオルは少しよろけた。


「ちょ、ちょっと、強すぎますって! 僕、まだ子供みたいになってるんですから」と苦笑いしながらトオルが言うと、リリィがケラケラと笑い声をあげた。


狩猟の場所に移ると、広大な森が広がり、草木のざわめきや鳥のさえずりが聞こえてくる。そこには、数々の野生動物や魔物が潜んでいた。トオルは少し緊張しながらも、マムやガオウに続いて森の中を歩き始めた。


「まずは、獲物の気配を探るのじゃ。風の流れ、獣の鳴き声、足跡……すべてを見逃さないことが大事じゃ」とマムが指導を始める。


トオルは真剣な表情でマムの言葉に耳を傾けた。少し離れた場所でガオウが見守っている。


「トオルよ、獲物を仕留めるには慎重さが肝心じゃ。無闇に突っ込むと返り討ちに遭うぞ」とガオウがアドバイスをするが、その後にニヤリと笑った。


「だがな、一度見つけたら、素早く仕留めるのがコツだ! ドカンと一発、仕留める瞬間が最高に気持ちいいんだ!」


「いやいや、そんな乱暴なことを……」とトオルは苦笑いしながらも、心の中で自分の魔聖気や錬菌術をどのように使って狩りに役立てるかを考え始める。

すると、茂みの中から小さな音が聞こえた。何かが動いている。トオルはその音に反応し、立ち止まった。


「これは……獲物か?」と呟く。

マムがすぐに彼の横に立ち、静かに頷いた。「ああ、獲物じゃ。だが油断は禁物じゃ。狩猟では最後まで気を抜かぬことじゃぞ」


トオルは頷き、少しずつその音のする方向に進んでいく。緊張感が高まり、彼の手の中で魔聖気が静かに輝き始めた。


トオルは静かに呼吸を整えながら、獲物の気配に集中した。茂みの奥から現れたのは、大型のイノシシのような獣だった。だがその体には瘴気がまとわりついている。その牙は鋭く、力強い体つきが一目でわかる。獣はトオルたちに気づいて、低い唸り声をあげた。


「これは……かなり大きいな」とトオルは呟いた。

「しかも瘴気が……こいつは魔獣化しているかもしれぬな。トオル、魔聖気でこいつの動きを止めれるか?」

「もちろん!」


魔獣とは、獣が正気に支配され、巨大化し、理性を失ったものである。


「気をつけろ、こいつは突進してくるぞ!」とガオウが叫びながら、大剣を構えた。

ガラルの大剣術はガオウに習ったものかもしれない。


「トオル、まずは妾が引きつける! その隙にお前は魔聖気で動きを止めるのじゃ!」とマムが指示を出す。


「分かった!」トオルは即座に応じ、マムが獣に向かって駆け出すのを見守った。彼女は驚くほどの速さで、獣の目の前に立ちふさがり、大弓を構えた。

「こっちじゃ!」マムは力強い声で獣の注意を引き、その瞬間、獣は唸り声をあげて突進してきた。


「今だ、トオル!」ガオウが叫ぶ。

トオルは素早く魔聖気を練り上げ、その力を手のひらに集中させた。彼の中で、力が静かに脈打ち、狙いを定める。「魔聖気・抑制!」


トオルの手から放たれた魔聖気が、獣の足元を覆い、動きを鈍らせた。獣は足を絡め取られ、急にバランスを崩して動きを止めた。

「やった!」トオルが叫ぶ。


だが、その瞬間、獣が体を揺らし、再び突進しようとした。

「まだよ! 油断するでない!」とマムがすぐに大弓を引き、鋭い矢を放った。矢は獣の前足に命中し、獣が苦しげにうめき声をあげた。


ガオウがその瞬間を逃さず、力強く大剣で首を切りつけ、魔獣の首からたたき切った! 魔獣はその場に崩れ落ち、動かなくなった。


「ふぅ……これで終わりじゃな」とマムが息をつき、トオルに微笑みかけた。「よくやった、トオルよ。お前の魔聖気のおかげで危険なく仕留めることができたのじゃ」


「ありがとう、マム……でも僕一人じゃ無理だったよ。みんなのおかげだ」トオルはマムとガオウに向かって微笑んだ。


ガオウも満足げに頷き、「お前、思った以上にやるじゃないか! チビでも役に立つことがわかったぞ!」と大声で笑った。


「それはありがたいけど……僕、チビ扱いされるのはちょっと……」トオルは苦笑いした。

その後、みんなで狩った獲物を担いで村に戻ることにした。獲物の重さに驚きながらも、トオルは一緒に持ち運びを手伝い、みんなとの連携に心地よさを感じていた。















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