第2話:日本で暮らす下準備
「家着いたよ」
小雪と話しながら向かっていたのだがあっという間に着いてしまった。「鍵私持ってるから開けるね」
しかし小雪の後ろ姿を見ると…
「ん?なに見てるのさ、...変態」
「いやー何処がとは言わんがでかいなぁってね」
変な事を言うと小雪はスマホを取り出し
「あのー小雪さん?どちらに電話かけてるんです?」
「警察」
「Sorry俺が悪かった」
「嘘だよwww」「正直ビビったぞ」
小雪は昔からイタズラが好きだったからなぁ、なんか怖い...
「先入って良いよ」
「んじゃお邪魔するわー」
ベチン!!////
玄関は開いたものの網戸を開け忘れていたので俺はなんとも言えない痛みを味わった
「…ごめんジョー、普通に二重で閉めてたの忘れてた」
「…大丈夫、、、だ」 痛い、そして恥ずすぎる
例えるならサッカーでヘディングしようとしたら後ろにいる相手選手にヌルッと取られてしまうほどだ
家に入るとそこは家具が全くない閑散とした茶の間の部屋だった。
「あれ?小雪の家じゃないのか?ここ」
そう小雪に聞くと
「あぁ、なんかパパが私とジョーの為に一軒家買ったんだって」
「なんでも、2人がより仲良くなって欲しいかららしいよ」
「へぇ、土田さん凄いなぁ」「っていうか風呂どこだ?」
10時間という莫大な時間を飛行機の中で過ごしていた今、お風呂に入らなければ小雪に嫌われてしまうだろう、というか日本が寒すぎて風邪ひきそうだ
「お風呂ならそこの左のへやだよ」「ねぇ久しぶりに私と一緒になんてどうかn」
俺は小雪の話を無視して風呂場へと向かう
「ジョー悪かったってぇ」
「よーし日本に来て久々のお風呂ジャー!!」
「あ、ごめん、お風呂もう二日も掃除してない」
「ぐぅわーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」
な、なんでだよ、どんだけ汚いんだこれ
何故ここまで驚いているかというと、、、、
「ジョー、なんか変な虫とかいない?」
「あぁ、いるよ、ゲジゲジとゴキブリが3匹ずつな...」
「頼む助けてくれー....」
俺は小雪に助けを求めた、なぜなら俺は虫が大の苦手だからだ
「えぇ、そう言って乙女の大事なところ見ようとしてるのぉ??」
「安心しろお前で興奮なんてしないから」
「興奮しない?じゃぁ私の胸みてでかい言ったのって何?」
「あれは本当にでかかった」「まるでアメリカにいた時のガールフレンド並みに」
「思春期男子の考えていることは世界共通か、」
「分かった、今殺虫剤持ってきて風呂場に攻め込むからジョーはタオルかなんかで隠して出てきて」
何とか助けてもらえるそうだが、、
「入るよジョー」
「あらほらさっさーい」
小雪が入ってくるタイミングで俺はタオル一枚で風呂場を抜け出した。
「ひゃっはー害虫どもはあの世行きだぜーーー!!!」
小雪ってこんなやつだったっけと思う一瞬の出来事だった。
「ジョー!湯加減どう?」
「あぁ、丁度いいぞ」
少してんぱってしまったがなんとかお風呂に入ることができた。
「小雪覚えてる?俺と初めて出会ったとき」
「覚えてるよ、あの時私珍しそうな表情でジョーに話しかけに行ったよねw」
俺と小雪の出会いは急だった、今でも鮮明に覚えている
あれは16年前の公園だったかな、俺は国籍が違うという理由で幼稚園に入れなかったり、近所のやつらからは肌が黒いせいか化け物とまで言われていた。
そんな時に公園にやってきたのが、土田さん夫婦と小雪だった、
小雪は、「ねぇ一人より二人で遊んだほうが楽しいよ」
と俺に話しかけてきてくれた、そこからだ。
俺は小雪と仲良くなりたくて母に日本語を教えてもらえないか直訴した。
当時は片言で日本語が伝わらなかったと思っているが、俺と小雪が過ごしたあの一年間は絶対無駄ではないとはっきり分かる。
「ジョーさ、あの時日本語まだ完璧には話せてなかったよね」
「あの時はどうにか小雪に気持ちが伝わってたらいいなくらいしか思ってなかったわ」
「私だって英語がジョーに伝わるかどうか毎日ハラハラしながら遊んでたんだよ?」
そうだったっけか、小雪が俺のために英語で話そうとしていたとは、
「やっぱ10年以上経つとお互い良い方に変わってきてるよなぁ」
「そうだよねぇ、私、基地でジョーを見た瞬間でかいなぁって思ったし」
「でかい?もしかして身長のことか?」
「いやジョーの肩幅とかズボン越しに見える棒とか」「小雪さんあなたどこみてるんすか?」
「まぁまぁ落ち着きんしゃい、今夜の夕飯デリバリーで何か注文しとくから」
こいつ話しそらしたな
「...じゃぁ日本食が食べたいな、もちろん箸を使わないやつで」
「おけ、んじゃぁ風呂あがったら部屋に荷物置いといたからそこでゆっくりしといて」
「分かった、色々とありがとうな」
小雪がいろんなことをしてくれている、俺も何か手伝っていかないと、
なにせ俺は今まで小雪に助けられてばかりだし、、、
「...上がるか」「パンイチで廊下で歩かないでね」「そんなことせんわ!!!」
部屋に入ってみたがなんか、蜘蛛の巣が多い。
小雪いわく、この部屋はあまりにも汚すぎて開けていなかったらしい。
WHY THIS ROOM!? THIS ROOM CANT SPEND BY ME!!!
「文句言うなら私と寝る?」「絶対にお前とは寝ないぞ」
「...ダッテネコミオソイソウダシ」「私そこまで欲求不満ちゃうわ!!!」
「全く、どこでそんな日本語覚えて来たのよ」「え?JAPANESE ERO GAME」
「あーはいはい私よりゲームの女の子が可愛いですもんねー」
「そんなすねんなよ小雪の姉御」「その言い方やめろ玉ねぎ切らせるぞ」
「というか夕飯届いたよ」
正直に言えば今日はこれを楽しみにしていたのだ、さぁ、平らげるぞー!
「はい、ジョーが日本食食べたい言ってたから海鮮丼中心だよ」
「ほらあーん」「ん、んな夫婦みたいなことできるかよ」
「えぇ、だってこの家には私とジョーだけだよ?男女が二人きりですることなんてこんなことじゃないの?」「俺らまだ高校生だろ...」「高校生だからじゃない?」
これがジャパニーズ恋愛ってやつなのか?
「.........明日からジョーってどうするの?」
小雪から聞かれた、確かにそうだわ、ずっと家にいるのもあれだし
「そうだなぁ、実は俺もダディから言われてないんだよね」
「じゃぁ今お父さんに電話したら」「それもそうだな」
俺はダディに電話を掛けた、もちろん英語での会話となる
「お、ジョーじゃないか、こんな夜遅くにどうした?」
「ダディ、俺、明日から何しながら生きて行けばいいの?」
「....呼吸」「それはしなきゃ死んじゃうだろ!」
「嘘だよ、小雪さんと同じ学校に通うことになってるからな」
「え、それって、、」「お前がやってたエロゲーと同じで男女で徒歩で通うんだよ」
「ダディのパソコンでエロゲやってることばれてたーーーーーー!!!!!」
「えっと、ジョー?英語で何言ってるのかわからないけどうるさい」
「あ、あぁごめん。」
「それで、お父さんはなんて?」
「明日から小雪と同じ学校に通うんだって」
「げ、やだ」「俺だってごめんだよ」
「だってなんでジョーと一緒に登下校しなきゃなんないの!?」
「だって二人で暮らしているからねぇ」
何故こうも小雪は俺と一緒に学校へ行くことを嫌うのだろうか
「なぁ、どうしてそんな俺と行きたがらないんだ?」
「...なんかやだ」「俺はそんな子に育てた覚えありません」「お前が親とか死んだほうまし」「あら小雪さんったらなんて酷いのかしら」
やっぱ夜になるとおかしな単語ばかりが思い浮かんでしまう、
「ところで小雪、お前もう23時だけど寝ないのか?」
二人で雑談しまくっていたら何時の間にか午後11時を回っていた。
俺は明日母さんと一緒に住民票だったりを登録しに行くため別に何時に寝てもいいのだが、、、小雪の方を見て見ると
「あ、私もしかして、、やばい、厳しいって」
なんか焦っていた、まぁ無理もないだろう。日本では時間を絶対に守らないといけないと聞いたからな。なんで日本は学生に対しても軍隊レベルのルールを求めるのだろうか。
「はぁ、しゃーないな、軍で指導されたすぐ寝れるストレッチ教えてやるよ」
「え、そんなものあるの?」
「まず体を180℃温めt」「おい嘘つくなや」「嘘ついていかなきゃやってられねwww」「うざ」「ごめんね」
「ちゃんとしたやつ教えるよ、」「まずゆっくりと深呼吸し、顔の筋肉をリラックスさせてみて」「うん、わかった」
正直これは他人に教えたくないんだがな、だから省略して教えている
「あれ、、、、なん、、か、、ちか、ら、が」「なんでこいつ睡眠薬飲まされたような言い方するんだ」
「小雪~?」「zzzzzz」
まさかこんなすぐ寝てしまうなんて想定外だった、
「.....俺も寝るか」
俺はその場で寝てしまった、もらい泣きならぬもらい寝ってやつなのかもな。
「うえ、なんか腹当たりが重いような、」
俺は目が覚め立ち上がろうとしているのだが、
少し首を上げてみると、、、
「おはよう、ジョー」「、、、重いわ」
いるよ、なんか俺の上にまたがってるんですけど、どけて欲しいがこれ無理やりどかしてみても面白そうだな。
「おりゃ!」「ひゃーー」
「女子高生にそんなことしていいと思ってるの!?」「小雪だからいいや」
「よくねーよプロテイン1か月禁止したろか?」「水あるんで大丈夫です」
「うわ論破された」「論破の意味調べようか」
あれ?よーく考えたら日本人が外国人に日本語指摘されてるのおかしくね?
「てかお前その服装って、、」
ゲームの世界だけだと思っていた。
ツインテールに長い袖、胸元のリボンにミニスカート。
なんだろう、、軍に入ってよかった(泣)
「あのージョー?なんで私の事ずっと見つめてるの?」
「え?だってゲームやアニメでしか見れなかった女子高生の制服みれたから」
「ジョーってマジでこんなやつだったっけ?」「こんな人間です」「別の意味で日本人より日本人だな」
「てかそろそろ俺のかあさんが来てもおかしくないんだが、」
「ジョーが寝てる間に電話来てたよ、」「おぉ、なんて言ってたんだ?」
「今日で登録と制服の注文全部するから覚悟しなさいって」
俺はお恥ずかしながら無意識に聞いた
「つまり俺のスカート履くんか?」「着たいなら私の部屋にあるから着とけ」「小雪の奴なんか破れてそう」「二度と飯食わせねーぞ?」「冗談ですやん姉御」「誰が姉御だよ」
「ってもう時間がないじゃん」「朝ごはん冷凍庫に冷やしてるから温めて食べといて!」「おう、いってらっしゃーい」
日本人はみなこのような試練を幼少期から乗り越えているのか、そりゃぁあんなに礼儀正しいわけだよなぁ
「....待ってあいつ冷凍庫に朝ごはん入れたって言った!?」
「...ねぇ母さん、俺の一家って判子?ってやつなくない?」
市役所で登録等を済ませようとしているところだ、
「...あんたがサイン書くだけでいいんじゃない?」
「それもそうだな」「それか血判状みたいなのしたら?」
「母さん、それ何?」「自分の血を指に付けて紙に押すのよ」「絶対にヤダ」「やれ」「やってたまるか」
なんで母さんとまで漫才みたいなことをしているんだ、
早く小雪と一緒になりたい...
「ただいま~」「あら?ジョー君じゃない、小雪なら部屋にいるわよ」「あれ?由奈さんじゃないすか」「どうしました?」「小雪に頼まれたのよ、あの子料理が出来ないから代わりに夜ご飯用意して欲しいって」あ、俺も料理出来ないから終わったわ
「あ、そうだ」
俺は急に約束を思い出したので小雪の部屋へと向かう
「そういや向こうで仲良かったフレンドに電話するんだけど話してみる?」
「英語不安だから翻訳して、お願い」「分かった」
俺はメリーに電話をかける、多分アメリカは朝早そうだけども
「何ジョー、こっち今午前の3時で眠いんだけど」
いや出てくれるんかい
「いやぁ日本で一緒に住んでる人紹介したいなぁとね」
「ジョーこの人だれ?」「この人はメリー・ビシェット、向こうで仲良かった人よ」「ジョー通訳頼んだ」「ほへ?」
「初めましてメリーさん、ジョーの彼女の小雪です」
馬鹿野郎彼女ですなんて訳せるかよ
「カノジョ?アンタガ?」「あ、」
そうだった、メリーにふざけて変な日本語教えてたんだ
「二人とも~?俺スマホの電池やばめだから一回切りたいんだけども」「ねぇもしかしてメリーって人と付き合ってた?」
「ジョー?私はあなたに色々日本のこと教えてくれたしジャパンタウンにも連れてってくれたよね?」
はい完全に終了~~~~~、俺もしかしてこれ二股してるように思われちゃってる~~?
とにかくこの状況をどう逃げ切るか...
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