俺と彼女の異文化恋愛

かまぼこ

第1話:また会えるさ、そして久しぶり

「ジョー、荷物をまとめてくれ」



家に帰るとダディが締め付けるような表情で言った

そして俺が聞く暇もなく勝手に、


「俺が大佐だということはお前が○子の頃から言ってたな?」


「ダディ、流石にマミーの腹の中時代は記憶が無いぞ」


「…じゃあお前が3歳まで日本に住んでたことは覚えてるな?」


そうなのだ、俺は3歳まで日本に住んでいたのだ。

そしてそこで出会った同い年の日本人の女の子、

正直言えばまた会いたい、あの子のおかげで孤独を抜け出せたのだから


「出発は今夜の19時だ、別れの言葉は引越しの準備が出来たら行ってこい」


「…バカ」


そう言って俺は家を抜け出した、何故かと言うと俺には仲の良い友人が沢山いるからだ。




「あなた、ジョーがあまりにも気の毒すぎるわよ」

「ハニー、それは俺がいちばん分かってるさ、急に友人と引き離されたら俺だって嫌さ」

「でも、日本に行けば再会することだってあるんだ、そう、土田さんの家族とね」


「ジョー!どうしたの?私今から……本当にどうしたのよ、暗い顔して」

「ごめんなメリー、俺はもう君に日本語を教えることが出来なくなったんだ、」


俺とメリーは同級生並びに日本語を教えている。

メリーは日本の文化やアニメが好きで論文の発表で先生達をドン引きさせたほどだ


「…なんでよ(小声)なんで(泣きながら)」

「日本の米軍基地に異動になったんだ、だからもう…もう…」


そして無意識に俺はメリーに抱きつき


「俺だって嫌なんだよ、メリーと別れちゃうのが」


そう言うとメリーは


「私だって嫌よ、あなたとは4歳の頃からの友人だったし(泣)」


こうして、連絡用のInstagramを交換し別れの言葉をメリーに告げた、14年間俺と遊んでくれてありがとう。そう泣きながら米軍基地から飛ぶ日本行きの飛行機へと乗り込むのであった。






「………さい」「起きなさい、ジョー」

「あれ?俺もしかして寝てた?」

「10時間越えの睡眠なんて何時ぶりかしら」

「友香ー!お久しぶり〜!」

「由奈っちも元気じゃん!」


どうやら自衛隊の基地に着陸したようだ、母さんもかつての友人と再会したらしい、……てか母さんも土田さん?も両方美人過ぎる…


「キミガコユキサンカナ?ジョーナラソロソロクルトオモウヨ」


ダディが頑張って日本語を喋っていた、あんなのカブトムシがアリに負けるくらい珍し過ぎるぞw


「ジョー!お前こいつのこと覚えてるか?」


「ん?」


そこには俺の知る例の女の子がいなかった、

いるのは身長が160cmほどのとても可愛い女子高生ただ1人…え、おい待て女子高生!?もしかしてだけど、、、

「なぁ、お前、小雪か?」


俺は母さんから5年間教わった日本語で聞く


「…う、うん」


恥ずかしそうにこちらから目線を外し答える。

間違いない、15年前に一緒に遊んだ

土田小雪で間違いなさそうだ。


「コレアゲルカラフタリデオウチニモドッタラ」


またカタコト日本語で俺らに語りかける


「おい、なんでそうなるんだ!」


とっさに英語でダディに話しかけた

そして俺はダディに


「どうしてだよ、俺は米軍の一員だから米軍の寮かなんかに入れられるんじゃないのか?」


するとダディは


「…お前は今日からこの町のスパイに任命する」


どうやらダディの異動には少し訳があるようだった。


「ジョーにだけ説明する、俺が日本に異動になったのはこの基地の元帥に任命されたからとお前がスパイに最適だからだ」


確かに俺は英語と日本語が流暢だし軍でも厚い信頼を得ている。


「ねぇ、ジょ、ジョー?」

「ゴメンナサイ、ハイドウゾ」「俺を魚のように差し出すな」

「そ、それじゃあ、行くか」


こうして俺と小雪は15年振りに再会するのであった


「ね、ねぇ」


新しい家に向かい始めて5分程経っただろうか、勇気を振り絞った声で小雪が俺に話しかける


「どうした?」

「ジョーってもう日本語完璧に喋れるの?」

「うーん、漢字が少し読めないくらいかな」


正直に言います、美少女ゲームで漢字勉強したのであっち系のやつ読めるんですよねーww


「…じゃあ話す時とかは支障ないんだね」

「それじゃあジョーと私は昔みたいに遊びまくるぞー!」


そういやこんな感じだったと思い出し、

これから小雪に翻弄されまくるのかと思うと少し楽しみである


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