第4話 妖しいヘビの飲み会

今夜もまた、ヤマタノオロチとツチノコが森の中で酒宴を開いている。


「でもさあヤマタノオロチ」

とツチノコが、空になったヤマタノオロチのお猪口に酒を注ぎながら話しかける。

すでにツチノコは酩酊しており、声がやたらと大きい。


「なんじゃ、ツチノコ」


「ほらあれさ、あの……マネキネコだ、あれがフレンズになった時の! あの時のダンザブロウダヌキの半信半疑な顔、よかったなぁ!」


ジャハハハハハ! とヤマタノオロチも高らかに笑った。


「あの顔な! ははははは! 真面目くさいやつめ、奴にはまだ酔いが足らんかったみたいじゃなぁ」


ヤマタノオロチは盃をぐいっと傾けて、冷たい日本酒を一気に流し込んだ。


「っはー! 秋といえばやっぱりひやおろしじゃのお」


ツチノコもご機嫌で、自分の盃に酒を注ぎながら、調子ハズレの歌を口ずさんだ。


「〽︎10月はハロウィンで酒が飲めるぞー」


ヤマタノオロチも酒に焼けた声を重ねる。


「「酒が飲める飲めるぞー酒が飲めるぞー!!」」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る