第19話:結ばれたふたり。
俺と真凛はベッドの上で向かい合っていた。
「いい?」
「うん・・・」
ふたりとも言葉が少なかった。
俺は真凛を引き寄せて、優しくハグした・・・やっぱり真凛から石鹸の香りがした。
まだ魂なのに・・・不思議だ。
って、いいのかな?・・・真凛はまだ未成年なんだけど・・・。
日本の法律だと「性交同意年齢」は16才かららしいから17才の真凛は、
春樹から「いい?」って聞かれて、「いいよ」ってオッケーしたら春樹は
犯罪者にはならないらしい。
エッチしても問題にはならない。
「制服着たけど・・・着なくてもよかったね」
「いや、いいよ着ててくれた方が・・・」
「それに俺以外の人に真凛の素肌は見せたくないし・・・。」
「脱ごうか?」
「俺に脱がさせて・・・」
そういうと俺は真凛の制服を優しく少しづつ脱がせていった。
それでも真凛の裸はまともには見れなかった。
触れたら、たちまち壊れそうなガラス細工のような真凛のウブな体。
俺はそっと真凛を抱いてベッドに寝かせた。
(聞けないけど、たぶん真凛は処女だろう・・・)
俺は初エッチをする女性との経験はあったから、初めてセックスをする
真凛の気持ち怖さや恐れや不安を多少は知っていた。
最初はなにも感じないだろう・・・ただあるのは愛する人に抱かれる喜び
ひとつになるって喜び・・・。
セックスを通して気持ちを繋ぐ・・・身も心も一つになることが 大切。
そしてはじめて俺が真凛の中に入る時、彼女は大きく息を吸い込んだ。
俺は一旦動きを止めると真凛に聞いた。
「痛かった?」
「うん・・・」
「ごめん・・・優しくするから・・・」
激しい息遣いもなく真凛は静かに俺を受け入れた。
俺のものが真凛の中に入ってどのくらいの時間が過ぎただろう・・・。
見ると真凛の体は少しづつ透き通っていった。
「え?また・・・また
「真凛・・・大丈夫?」
「春樹・・・私、きっと自分の体に戻るんだと思う」
「だって、
「きっと春樹とひとつになれたからだね・・・」
「春樹・・・私、嬉しい・・・そしてありがとうね・・・」
真凛は泣いていた。
泣きながら、俺にしがみついたまま、そして俺の唇にキスしたまま
静かに消えていった。
彼女がいなくなった部屋で俺は呆然としていた。
悲しくはなかったが愛しい人が目の前からいなくなって、やはり虚しかった。
そして、俺はふと思った。
こんなことしていられない・・・。
すぐに真凛の家に、元に戻ってるか確かめに行かなきゃ・・・。
でも、でも考えてみたら真凛の家の住所も連絡先もなにも聞いてなかった。
バカだった・・・そんなこと最初のうちに聞いとけよって話だろう。
めまぐるしく走り回っていたから肝心なことを真凛に聞き忘れていた。
せっかく元にもどたって言うのにこれじゃ意味ないじゃないか?
そうだ・・・また道満さんの塚に行って真凛の家の住所を聞いてみよう。
道満さんならご先祖様なんだから知ってるだろう。
そこで俺は、急いで道満さんの塚に行った。
それならと道満さんが真凛の住んでる住所を教えてくれた。
「ちゃんとナニはできたようじゃな」
「はい・・・だから真凛の家に魂が体に戻ったか確かめに行こうと思いまして」
「無事、戻っておるといいのう」
「もう二度とわしの手を煩わすことのないよう頼むぞ・・・墓の下で
のんびりしたいでの・・・」
「ありがとうございました」
俺がお辞儀して頭を上げたら道満さんは消えていた。
その足で俺は道満さんから教えてもらった住所へ大至急向かった。
つづく。
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