第28話 愛が重すぎる女 ※ノア視点

「ふふ、優希······いやゆいちゃん、今日は楽しかった、ね?」


 一生嗅いでられる匂いが充満している部屋から、ゆいちゃんの家の方向に向かってそう呟いた。

 

 何時間もこの神聖な部屋を密閉しており空気がこもっていたので、もったいないと思いつつ窓を開いた。


 あれがなければあと3日は密閉していた。







 がなければ。







 女装させたのは私の趣味でもあるが、1番はゆいちゃんの制服を手に入れる口実を作るためであった。


 ちなみにゆいちゃんは素材があまりにも完璧すぎて信じられないほどの美少女に変身していた。


 クローゼットにコスプレ衣装一式とかウィッグとかがあったのは、ゆいちゃんに着せるために準備したわけではない。


 コスプレ姿を何となくtwetterに投稿したらバズってしまった。

 そしてそのまま投稿していく内に、twetterのフォロワーも増えていき、次第にコスプレ衣装やウィッグやメイク用品などが増えていった。


 今では趣味でやっているだけなのにtwetterのフォロワーが約26万人もいる、そこそこ有名人らしい。


 地毛は黒髪という設定にしているので、身バレの心配はほとんどない。


 その趣味のおかげでゆいちゃんの制服が手に入った。

 

「ゆいちゃんの制服をじっくり堪能する前に、やることがあるんだった。」


 毎週金曜日の夜9時に、何か自撮りを投稿するって決めてたんだった。

 最低でも毎週金曜には自撮りを投稿し続けている。

 少ないと思われるかもしれないが、最低なので別に投稿したくなったら自由な時間に投稿すればいい。


 月曜日にゆいちゃんが女の子用の制服で登校してくるの楽しみだな~とか思いながら、クローゼットを開いて何を投稿するのか考える。

 

 フォロワーさんからのリクエストとゆいちゃんの投稿のバズ状況を確認するためにtwetterを開いた。

 

 twetterを開いてみると速攻でゆいちゃんの自撮りがおすすめに流れてきた。


「ゆいちゃんの自撮り投稿から数時間しかたってないのに、もう3枚とも万バズしてる·········」


 一応ゆいちゃんに「バズるに決まってるじゃん!」とは忠告しておいたが、まさかここまで伸びるとは思わなかった······

 今頃通知が止まらなくて驚いているだろう。

 

 とうとうこの世にゆいちゃんという男の娘が解き放たれてしまった······かわいすぎる、ずるい、首筋舐めたい。




 ゆいちゃんに実質監禁みたいなことをしてみたが、そんなに嫌がられなかった。

 気のせいだと思うが何なら喜んでいるようにも感じられた。

 本当に監禁しようかゆいちゃんとの帰り道で悩んだが、流石に止めておいた。


 一生遊んで暮らせるお金はまだ持っていない。

 ゆいちゃんとの幸せな未来を掴み取るために、もっーとお金を稼がなければならない。

 それに中学2年生2人が突然消えたら事件になりかねない。


 中学を卒業して高校生になったら1人暮らしを始めて、そしてそのタイミングでゆいちゃんに告白する。

 ゆいちゃんがいくら何も気づかない鈍感系男子だとしても、私からの好意には気づいてると信じたい。

 

 






 もしゆいちゃんが私からの告白を断ることがあったりしたら、ねぇ?


 1人暮らし始めるんだし、お金も贅沢しなければ暮らしていけるくらいには稼げてる予定だし·········一世一代の告白を断られたら、監禁しないわけにはいかないよね。

 


 犯罪者とかいくらでも言われようが、私にはゆいちゃんだけが隣にいてくれればいい。



 私1人だけしかいない家にゆいちゃんを招待し、もし告白を受け入れてくれたならば、私とゆいちゃんの自堕落ラブラブ生活♡が待っており監禁はせずに済む。


 もしも告白を断られたら、その瞬間ゆいちゃんを気絶させる。

 睡眠薬を飲ませる安全な方法もあるが、断られたらそんなことしてられない。

 気絶させたら睡眠薬よりも媚薬をたっぷりと飲ませてあげる。


 ゆいちゃんを自分だけの物にしたい独占欲と、このままでは他の雌に奪われてしまう絶望感が体全体から滲み出てきてそれどころではなくなると思う。




 これまでの話はゆいちゃんを狙う不届き物が現れなかった場合の話であり、ゆいちゃんに対して好意を抱くメスが雌の顔をしていた場合においては大きく異なってくる。


 私はいきなり襲って既成事実を作るのはあまり好きではない。

 どちらかというと、じりじりとした甘酸っぱい青春を過ごしてみたい。


 じりじりとしすぎても私の独占欲が溢れ出てしまい、ゆいちゃんと愛を営みたくなってしまうだろう。


 そこでタイムリミットを設けて、中学を卒業するまでは我慢する······私のゆいちゃんをNTRねとろうとする雌がいなければ。


 ゆいちゃんは優しいし何でもしてくれるしかっこいいしかわいいしかわいいしかわいいから、彼女の1人や2人や49人くらいはできてしまうかもしれない。


 ゆいちゃんと念願の友達になれたことだし、学校ではゆいちゃんに近づく雌がいないかを監視できる。

 

 放課後とか休日までは流石に監視できないが、たまには雌が近づいていないか確認するためにストーカーし·········監視してみたりして。


 今日の反応を見て分かる通り、ゆいちゃんは全く女慣れしていない。

 急に女の子に言い寄られたりしたら、確実にボロが出ると思われる。


 学校での様子が少しでもおかしかったりしたら·········それはもうGPSとか盗聴機のご登場かもしれない。


 私にもまだ良心と言うものが残っているのでそんなことはしたくないが、私以外の雌といちゃついてるゆいちゃんが悪い。


 ゆいちゃんが雌といちゃついてることが判明したら、速攻で私の家に呼び出して奪われる前に告白する······私以外の雌といちゃついてるのとか許せない、ゆいちゃんは私だけを見ておけばいい。


 ゆいちゃんを気軽に呼び出せるくらいの関係にはなっておかないと。


 そして告白を断られたら、ゆいちゃんを気絶させる。

 ゆいちゃんを気絶させて手足を手錠で繋ぎ、逃げられないように固定させる。

 



「ゆいちゃんは私が一生愛しながら飼ってあげるからね?????」




 私の親は夜にならないと帰ってこず、更に超放任主義なので、基本的に自分で責任を取るならば何をしてもいい。


 親に迷惑はかけたくないので、ゆいちゃんに告白を受け入れられても断られてもすぐに新しい物件を探して引っ越し、私たち2人の愛の巣で暮らしていく。





「ゆいちゃん、死ぬまで一生一緒だよ······」




 

 ゆいちゃんのtwetterに投稿されている女装姿に向かってそうささやいた。


 ああ、ゆいちゃんかわいいなぁ·······

 






 かわいすぎる、大好き、好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き。

 




 好き······好き。

 




 もう好きという言葉では足りないくらい彼が愛おしい。


 


 最初は一目惚れだったのかもしれない。



 徐々に目を奪われていくようになった。


 

 

 彼を見るたびに胸が熱くなっていく。



 心臓の鼓動が大きく早くなっていき鳴りやまない。



 一体何なんだろうかこの不思議な感情は?









 彼を一目みた時の私は小学校中学年だったと思う。



 その時の彼は優しく、今のゆいちゃんには劣るが相当かっこかわいかった。



 当然彼は女の子から好かれていて、男子にも女子にも隔てなく接していた。




 彼がクラスの女の子と楽しそうに話しているのを遠目で見ていると、胸が締め付けられているような気持ちに陥った。





 当時の私と彼の関係は挨拶をするだけ、彼にとってはただの1クラスメイトとしか思われていなかっただろう。





 それなのに私以外の女の子を見ないで欲しい、私だけを見て欲しい。

 




 私を見てくれないのはなんでなの?私に魅力がないから?それとも私が嫌いなの?





 何とか教室では常に笑みを浮かべていたが、その微笑みは仮面のようであり、その下には計り知れないほどの暗黒が広がっているようであった。










 この感情を突き止めるためにネットで調べてみると、どうやら私は彼がらしい。




 ネットでは愛が重いとか独占欲とかヤンデレがどうのこうのとか書いてあった。






 なんで?好きな人に対する愛は重ければ重いほどいいよね???

 





 好きだと自覚した私は止まることを知らなかった。




 もう一目惚れの範囲をゆうに越えていた。







 彼が運命の人だと確信した。


 彼の全てが欲しい。


 もう彼以外考えられない。


 





 彼と彼氏彼女の関係になって一緒にご飯食べてお風呂に入るラブラブな生活をすごして夜に2人同じ部屋でいい感じの雰囲気になって服を脱がせ合い生まれたばかりの姿になってお互いの大事な所を弄り合って準備が整ったら彼の○ちんちんを私の処女○まんこに挿入しながら激しく動いて○宮にどろどろな白い液体を○出ししてもらってお腹の中に赤ちゃんができて少なくても5人は赤ちゃんを産み結婚しておばあちゃんとおじいちゃんになってもラブラブで死ぬ時は手を繋ぎながら一緒に海に飛び込んで堕ちていくのだと確信した。  












 しかし、彼がある日を境に学校に来なくなってしまった。



 クラスの女どもはとても心配している様子だったが、表向きでは何とかこの感情をコントロールできていた。


 


 表向きではの話であって、部屋ではもう信じられないくらい泣きわめいた。



 私の初恋はこんな所で終わってしまうのかと思った。



 胸が痛い、苦しい·········私に生きる意味ってあるのかな???とまでも思ったりした。






 

 彼が学校に来なくなってから数日は、ご飯が喉を通らなかった。



 私までも不登校になってしまいそうだった。

 


 なってしまいそうだったが、何とか学校には通い続けた。

 


 頭の片隅には常に彼がいた。



 勉強をしている時もご飯を食べている時もお風呂に入っている時も眠っている時にも毎日ように彼が出てきた。




 初恋をいつになっても忘れることができなかった。

 





 元に戻るのを信じて············






 彼が元に戻った日には············




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 1話で終わらす予定だったのですが、思ったよりも長くなりそうだったので次回に続きます。


 愛は重いほうがいいよね?

 




 

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チートスキル与えられて転生したのに変態ヤンデレブラコン姉妹が離してくれません。 @scram

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