第24話 男の娘になろっか♡♡♡
「
★★★★★
ということで現在、鏡の前の椅子に座らされて、そろそろノアによるメイクが始まりそうです。
女の子になる準備が着実に進んでいっています。
そもそもノアはメイクが上手いのか?などの不安要素はある······あるがコスプレイヤーにもなる予定の男なので、こういう人前で披露できる機会は悪くない。
ちょっと友達に女の子の姿を見せるだけ、そうただそれだけ······いやそれが恥ずかしいんだけどね。
しかし、たった女友達1人に見せるだけで恥ずかしがっていたら、数十人、数百人の前でコスプレ姿を見せれるはずがない。
そうこれはコスプレイヤーになるための事前練習であるにすぎないと心に言い聞かせていると、ノアの準備とやらが終わった。
「ゆいちゃん♡先にコスプレするか女装するかどっちがいい?」
「どっちもやるのはもう決定事項なのね。あとそのゆいちゃんって呼び方止めて欲しいんだけど······」
「だ~~~め♡これから女の子になるんだから、ゆうきちゃんよりゆいちゃんの方がかわいいでしょ。」
「ゆいちゃん······かぁ、やっぱかわいいからその呼び名でいいや。」
「あれ優希、じゃなかったゆいちゃんにしてはずいぶん素直。毎回言い訳しまくって逃げようとして、でも最終的にはしっかりとこなしてくれる典型的ツンデレキャラで私の嫁のゆいちゃんなのに。」
「おい勝手に人をツンデレキャラにするなよ。それに嫁ってまだ女の子じゃないし、女の子同士で結婚できないし······でもまあ女の子になるのは嫌じゃない、かな。」
「やっぱりゆいちゃんツンデレじゃん!それでコスプレか女装どっちが先?」
「ツンデレじゃないし······じゃあ女装からがいいな。」
「分かった女装ね······うーん、思ってたより時間ないから女装だけにする。」
「まだ3時手前なのに時間ないんだ、メイクって時間かかるんだね。」
「女の子の大変さを身をもって教えてあげるから。あ!でもまだやらなきゃいけないことがあるんだった······ゆいちゃん♡手を前に出して。」
ノアに言われた通り、鏡の前で椅子に座り手を前に出した。
するとすぐさまノアにアイマスクをつけられ、目の前の視界が奪われた。
ノアは僕にアイマスクをつけたら、部屋を出ていってしまった。
視界を奪われたまま放置する、ドッキリ的な何かかと一瞬思ったが、ドアの開く音が聞こえてきた。
ノアが金属音を鳴らしながら、ゆっくりと歩いてきている。
そして『ガチャ』という音が部屋に響き渡り、手首に謎の物体がつけられた瞬間、視界が開かれた。
僕は手を前に出した状態で、手錠をつけられていた。
「·········何で僕は手錠つけられてるの?」
「ゆいちゃん急に暴れそうだから······あとそういうプレイに興味あると思って。」
「いやそういうプレイに興味あるのはノアの方だろ。てか普通の家には手錠はないと思うけど。」
そう言うと、ノアがそっぽを向いて口笛を吹き始めた······ごまかし方下手すぎるだろこいつ。
ノアがそういう系のプレイに興味あってもいいと思います、人の趣味を否定するのは良くないからね。
遂に女の子になる時がやってきたと思ったが、突然左ポッケをまさぐられてスマホを奪い取られた。
本当に何がしたいんだこいつは······まあ別に見てもいいけど。
「え?スマホの中に何1つ入ってないんだけど。えっちな写真とかも保存されてないし······これでどうやって今まで生きてきたの?」
人のスマホ奪っといて真っ先に確認するのがそれかよ。
てかどうやって生きてきたのかはこっちが知りた
い。
おそらくスマホには、全ての始まりである王様ゲームの時、連絡先を交換するために入れたLIN○しか入っていない。
そして手首を縛られたまま横を向いてみると、ノアが無言でスマホをいじっている。
何か話せよノア······放置プレイみたいになるだろ。
「あ~、ようやくtwetterインストールし終わった。」
アルファベット1文字ではなく、前世とはアプリ名が変わっているが、まあ気にしないでおこう。
twetterをインストールし始めたと思ったら、ノアがそのまま僕のアカウントを作り始めた。
おいだから手錠されてるからって、他人の個人情報でアカウント作成するな。
とうとうアカウント設定を終えたノアは、目の前に僕のスマホを持ってきてプロフィールを見せにきた。
「どれどれ······っては?なんじゃこれぇぇぇぇぇ。」
叫び声が部屋全体に響き渡った。
まずプロフィールを見て驚いたのは名前、『ゆいちゃん』って············twetterぐらい自由にやらせてくれよ。
まだ名前のゆいちゃんの部分は1000歩譲って良いとして、問題はその後である。
ゆいちゃんのあとに、@実は男です♂️と続いていた。
実はじゃねぇよ、生物学的に男だよ、男だよね?
「どうしたのスマホの画面をずっと見つめて。@実は男です♂️が気になっちゃった?もちろんゆいちゃんの美少女姿はtwetterに投稿するからね。」
「別にいいよ、twetterに投稿して。どうせバズったりしないだろうし。」
「何言ってるのゆいちゃん!バズるに決まってるでしょ!」
「え?知名度も何もないし、1いいねつけばいいな~ぐらいの気持ちじゃないの?いくら美少女(?)だとしても。」
「甘いよゆいちゃん、甘すぎるよゆいちゃん、ゆいちゃんの汗しみしみパンツぐらい甘い。ゆいちゃんのパンツを味に例えるならマシュマロ味。」
「味の例えでマシュマロ使われることあるんだ。てか何で舐めたことあるみたいな言い方してるの?」
「へへ、それはね······今からゆいちゃんのしみしみパンツを嗅いで舐めるから!」
そう言って、手錠をつけられて椅子に座らされている僕に向かって正面から抱きついてきた。
「ふあぁぁぁ♡いい匂いする、1週間はこうしてられる♡」
そしてノアは下に手をかけ、制服を脱が······そうとはせず、がっちりと何もできない僕をホールドして、少したったらホールドを解いて離れていった。
何がしたいんだこいつは、情緒不安定かな?
「話戻すけど、ゆいちゃんの美少女姿をtwetterに投稿する······それがどういうことか分かる?性別は男♂️なのに、見た目は女♀️よりもかわいい男の娘なんだよ!男の娘!!!」
ノアがわざわざ耳のそばに近づいてきて、やたらと男の娘を推してくる。
そんなに男の娘を強調しなくても知ってるって。
もう少ししたら男の娘Vtuberやる予定だからね。
前世では男の娘好きだった······別に今も好きだけど。(決してBLとかではない、BLは嫌い)
そもそも今の日本において、男の娘の人数が圧倒的に足りていない。
男の娘になるには、第1段階として中性的な声や身長やルックスなど、色々恵まれてなければならない。
いや男としては全く恵まれてないのかもしれないが······
まずその時点で男の娘になりたくてもなれない人が多い。
さらに奇跡的に中性的でかわいらしい男の子いても、なぜかその子に限って男の娘をやりたがらない。
そのため現在の日本では男の娘の需要があまりにも高すぎるのに対し、人数が少なく供給が追いついていない。
だから僕自身が男の娘になってしまえばいいと思ったのだ。
加えて今の僕は自由に声を変えられる、この利点を最も活かすためには男の娘が最適である······たぶん。
きっとノアは世間の人々は男の娘に飢えているので、僕ほどの美少女(になる予定の男)が自撮りを投稿したら、確実にバズると思ってるのだろう。
よく
たまに『男である必要なくね?』とか言ってくる輩がいるのだが、本当に何1つ分かっていない······そういう分かってない輩は赤ちゃんからやり直すべき。
まず付いているという事実が重要なのである。
女の子よりもかわいい、男の子だから湧いてくるあのあざとさもいい、男の娘は全てが完璧なのである······しまいには付いている、のでひじょ~~~にお得なのである!!!
「で?そろそろ女の子······いや男の娘になろっか♡♡♡」
そうして僕は手錠をつけられたまま、ノアに男の娘を熱弁されつつメイクされ、女の子······いや男の娘になっていくのであった。
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男の娘と書いて『おとこのこ』って読むことを昨日知りました。
今までずっと『おとこのむすめ』って読んでました。
死んで償いたいと思います。(嘘です)
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