第15話 あざとい誘い方はかわいい女子の特権

 4時間目の授業を受け終え、現在給食の時間······に入ったと思ったのだが、どうやら今日は4時間で下校らしい。

 4時間授業を完走した感想は、とにかく暇だった。

 当時は難しすぎると思っていた内容でも、今は当然ながら簡単すぎる、寝たい···でも寝たら怒られるしなぁ。

 もう4年前とかの内容だったので忘れているとこもあったが、流石にチートスキルを使うまでもない。

 

 早く家に帰って甘々なラブコメを執筆したい気分なのだが······


「私たち友達なんだから一緒に帰るよね?」


 帰る準備を終わらせて歩き出した瞬間、ノアが僕の前に立ち塞がってきた。

 ノアが一緒に帰るのが普通だと言わんばかりに、段々と近づいてきている。

 主にクラスメイトの男子からの視線がとても痛いので、僕はノアの手を取り急いで廊下を走り、階段を降りていき、やがて校門を通りすぎた。




★★★★★


「はぁはぁ、ここまでくれば大丈夫だろ。」


「優希······あなたビビり童貞かと思っていたけど、意外と積極的。」

 

「積極的なのかもな······」


「それって私が好きってこと?付き合う?」


 ノアは今日の朝に振られたにも関わらず、諦めずにまた告白してきた。

 まあ友達···だよな、友達同士の軽いノリで冗談だとは思うが。

 すぐ隣を歩いているノアを横を向いて見てみると、まじで友達なのが信じられないぐらい綺麗。

 胸が大きい代わりにお尻も大きい···のに身長が高い。

 なぜか全てが大きくて大きいのに、脚は細くすべすべしていてスタイルがいい···本当に女性泣かせな身体をしている。


「私の身体全体見てそんなに面白い?」


「いやちょっと友達なのが信じられなくて···てかこの会話朝もしたな。」


「もう私たちの思い出できちゃった······優希の帰り道はどっち?」

 

「急に話題変わったな···僕はあっちの方だよ。」


「私も優希と同じであっち。」


 僕とノアは同じ方向を指差した。

 ノアは一緒に帰れる時間が増えて非常に嬉しそうにしていた…かわいい。

 僕もこんなにかわいい子と一緒に帰れて嬉しい。

 僕とノアは家の方向へ歩き出した。 


 …そして現在、ノアの隣を歩いているのだが、話が盛り上がらない。

 僕は自分から話題を出して話し始めるタイプではなく、あまり会話するのが得意ではない···かわいい子が隣で歩いて少し緊張しているが。

 かといって、今日を過ごしてみてノアもあまり自分から話し始めるタイプではないことが分かった。

 もう少しで僕の家に着いてしまいそうな時に、ノアがとんでもないお誘いをしてきた。

 

「優希···今日4時間授業で時間もあるし、私の家、来ない?」


 ノアは道の端で立ち止まり、上目遣いをしながらお誘いしてきた。

 この世界の女の子、上目遣いすれば何でも了承してくれると思ってるだろ。

 どうしよう···とても行きたい、行きたいが···出会って初日、ましては異性の家にお邪魔するのは流石に、って思ってしまう。


「優希は私の家来るの···嫌、なの?私たち友達、だよね?」


 ノアが若干涙目になりながら訴えかけてきている。

 もしこれが演技だったら相当すごいと思う。

 今の状況を周りから見ると、道の端でかわいい女子生徒を泣かせかけている最低男子生徒になってる···とてもまずい。

 友達なら家に遊びに行くのも普通、なのか?

 道の端で泣かれても困るし、異性の家に行ってみたい気持ちもあるし、4時間授業で時間あるし···OKするか。


「嫌じゃないよ···むしろ行ってみたいよ。」


「うぅ···優希······それじゃあ、行こっか♡」


 そう言って、ノアは朝と同じように腕を絡めて胸を当ててきた。

 下校途中なので、周りから見られててもおかしくないが、ノアはそんなのお構い無しに胸を当ててきている。 

 朝よりも力が強くなっていて、離したくないという意思まで感じる。

 ノアに今日出会ったばかりなのに、心なしか安心感まで覚えてしまっている。

 段々とノアに惹かれていってるのかもしれない······てか僕チョロすぎるだろ。


「てか本当に僕なんかを家に誘って大丈夫?」


「うん···優希だから誘ってる。」


「いやそうじゃなくて、年頃の男女が同じ部屋にいることになるじゃん。ノアはかわいすぎるからさ、2人きりになったら魔が差しちゃうかも。」


「優希が私をかわいいって言ってくれた···嬉しい。魔が差して襲ってもいいよ♡むしろ優希に襲われたい♡」


「おーい、そういうのは好きな人に言う奴···…って好きな人だったわ。」


「勇気を振り絞った盛大な告白がなかったことにされてて悲しい。」


「あの告白のどこが盛大だったんだよ······とりあえずノアの家に向かうか。」


「優希と2人きり······楽しみ。案内してあげるから、優希は私に身を任せててね。」


 ノアの言い方よ······

 そうして、ノアに抱きつかれ身を任せながら家に向かうのであった。




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 まだノアはかわいくていい子ですね。


 ノアの家に連れ込まれて一体優希はどうなっちゃうのー。

 さらに2人きりになってノアの本性発覚!?


 次回、『優希死す』 デュ○ルスタンバイ!

 *死にません、てか次回じゃまだ死なないかも。


 ★100越えました、うおおおおおぉぉぉぉぉ


 



 

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