第13話 曲がり角でぶつかるラブコメ主人公のテンプレに遭遇した

 優奈のお誘いを拒否して1人で出発したのだが······道に迷いました/(^o^)\

 だってさ、しょうがなくない?別人に転生したせいでさ、実質知らない土地に1人で置いてかれた状態になってる今。

 高校生3年だった男が道に迷うなだって???······うるさい黙れ。

 普通子供でもないんだし道に迷うとは思わないだろ······いや全然中2の子供だったわ。


 もちろん行き道を調べずに出発した僕も悪いが···悪いが······

 うーーーん、どうするか······とりあえず道を間違えててもいいから進んで、大通りにでも出て、同じ制服着てる人探してその人にでもついていくか。

 誰かに聞くという手もあるが、流石に謎のプライドが許さないので却下。

 スマホでも持ってくればよかったな······バレたら生徒指導室行き確定だが、マナーモードにしておけばバレる要素がない。

 バレて生徒指導室で怒られても、当時の僕は真に受けてたかもしれないが、今ならば反省したふりしながらやり過ごして、多分10分後には忘れているだろう···

 

 現在時刻も分からないし先を急ぐか···実質登校初日から遅刻したくない。

 

「わぁっ···!!!」


「きゃっ···!!!」


 少し急ぐために早歩きをしたところ、右から早歩きしてくる人とぶつかった。

 お互いに走りではなく、早歩きでぶつかったのが不幸中の幸いであった。

 急がないといけないのに······ラブコメ主人公のテンプレに遭遇してしまった。


「ごめんなさい大丈夫ですか?少し急いでて······」


「そちらこそ大丈夫でしたか?私も急いでて······」


 ぶつかった人を確認するために見上げてみると、そこには白髪の女の子がいた。

 これもしかしてアルビノってやつ?···すごく綺麗でかわいい。

 透き通って見えるぐらい真っ白なセミロングの髪、サファイアのような青い瞳、お人形さんと間違えるぐらいかわいくて整っている顔、現実とは思えないほど綺麗でかわいい女の子であった。

 身長も中2とは思えないほど高くスタイルもいい、あと胸が大きい。

 見た感じ胸に関しては優奈よりも大きい···Dぐらいはありそう、てか何で僕は胸が大きい人としか出会わないんだ······もしかしてこの世界は平均がEぐらいなのか?

 

「私の顔見てそんなに面白い?」


「いやちょっとあまりにもかわいすぎて······」


 あまりのかわいさに見惚れてしまった。

 

「それって私を口説いてるの?口説いてるつもりなら付き合いましょ。」


「···············は?????」


 は?????ちょっと待て今何て言った?????

 付き合う···つきあう······付き合う!?こんなにもかわいい女の子から告白された!!!???

 でも初対面でかわいいという理由だけで告白をOKするのもなぁ······僕は初対面で告白OKするほど安い男ではない、あっちからしたら全然初対面じゃないと思うけど。

 これで告白OKするのは、がちチョロ男かくそビッチの2択。


「てかあなた学校くるのね···今日登校日じゃないのに。」


「············ちょっと1から説明してくれませんか?」


「説明長くなって一緒に遅刻しても知らないよ。まず私とあなたは同じクラス、しかも隣の席、そこまではいいよね?」


「は、はい······」


 はい、どうやら同じクラス、しかも隣の席の女の子とぶつかったみたいです。

 こんなかわいい女の子が隣の席で登校しないとか、どうなってるんだよ前の僕は。

 むしろ風邪引いてても無理して行くだろこれは。


「あなた、じゃなくて優希はイケメンで私も気になってた。だけど週に1度しか登校してこなくて、話しかけずらい雰囲気を醸し出してた。」


「けど今日、遅刻しそうで急いでたら優希とぶつかった。しかも話しかけずらそうなオーラが消えてる。あの死んだ魚のような目から、瀕死の魚のような目に進化してる。」

 

「おいそれ褒めてないだろ。」


「だから元から気になってた優希に、ぶつかったこのタイミングで告白した。理解できた?」


「ごめん全く理解できなかった。てか告白するタイミング他にあっただろ。」


「今じゃないとだめなの。今まで顔はいいのに······って感じだったのに。それが今みたいに優しくなったら学校中の全女子···は言い過ぎだけど、少なくともクラスメイトの女子は惚れちゃう。泥棒猫にかっさらわれる前に私がもらうの。だから今告白したの。」


「泥棒猫って······あと僕はそんなに優しくないよ。」


「ぶつかった相手にごめんなさいが真っ先に言えてたけど。で、告白の答えは?」


 綺麗でかわいすぎる女の子がこちらを見つめてくる。

 初対面なのに見惚れてしまった時点で、告白をOKしてしまっていいかもしれない。

 ······しれないが、そんなに安い男ではないし、僕にはもったいないぐらいかわいいので、一端友達から始めようという安パイで乗り切るか。


「ごめん、今までのことも謝るから、一端友達から始めない?僕も気になってるからさ。」


「あら振られちゃった···友達から始めようとか、いかにもビビり童貞丸出しみたいな答え。あと今までの対応は逆にありがたかったよ、女が付かなくて。」


「童貞で悪かったな。てか失礼すぎること聞くんだけさ、名前何?」


「隣の席の私でも眼中になかったことは分かった。名前はノア···苗字は付き合ったら教えてあげる。」


「いや隣の席なんだから嫌でも分かるだろ。もしかしてハーフだったりする?」


「いや全然ハーフじゃない···そんなことはどうでもよくて、もちろん私たち友達なんだから一緒に学校行くよね?」


「······一緒に行くか。」


 よかった、中2(高3)なのに道に迷って急いでたら偶然ぶつかったとか口が裂けても言えない。

 

 遅刻しそうなので、急いで学校に向かっているのだが·······


「あの、その、当たってるんですけど·······」


「そりゃわざと当ててるからね。」


 せめて手を繋ぐまでなら理解できるのだが、ノアはニヤリと笑いながら腕を絡めて胸をわざと当ててきた。

 そんなことしたら勘違いされるぞまじで。

 登校時間ギリギリなため、登校している生徒が少なくあまり見られていない····が、他人の視線に疎い僕でも、明らかに男子生徒から嫉妬と憎悪の目を向けられていることは分かる。

 やばい人と友達になったのかも···もしかしてノアってさ、学校に大体1人はいる(いない)周りの人を遠ざける系氷姫だったりするのか?

 平穏な日々は過ごせなそうだけど······まあかわいいからいっか!




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 ノアのヤバさは次回か次次回から増していくので安心してください。


 ★70越えて何か、ほんと、すごいって感じ。



 



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