第2話 ちょっと汚いくらいが
第一話の更新から少し間が空いてしまいましたね。すみません。
新連載なので、第三話くらいまではテンポよく更新していきたかったのですが、イモリちゃんのお肌で「あれ?」と思ったことがあったので、しばらく様子を見ておりました。
「あれ?」と思ったことというのは、イモリちゃんの、穴が二つ開いているだけのちっちゃいお鼻の横に、赤いような白いような点ができていたことです。
以前に撮影した写真を見ると無いので、最近になってどこかにぶつけたのか、皮膚の病気か何かにかかってしまったのかな? と心配していたのですが、よく見ると、その点の色はお腹の色とそっくりですし、できもののように腫れていたり、ぐちゅぐちゅしていたりするような様子もありません。
なので、おそらく、自然な体色の変化かなと。
でも、暑い日が続く中、窓に近い場所に水槽を置いていたので、水を換えて清潔にし、涼しい場所に水槽を移動させて、引き続き様子を見ることにしました。
ごはんもモリモリ食べて元気なのですが、イモリの仲間は暑い場所が苦手だそうですし(株式会社小学館、2017年、『小学館の図鑑NEO 6 [新版]両生類・はちゅう類』)、気温が高いと、水槽の茶色いコケが増える速度が上がるような感覚があります。
――というわけで今回は、水替えのお話。
まず、うちの子の場合は、水を
その理由には、家の構造の事情のほかに、イモリのとある行動が関係しています。
イモリには、一般的なヤモリが指先に持っているような、壁や天井に張りつくことのできる構造はありません(ヤモリが壁に張りつける理由をここで説明するのは難しいので、興味がある方はぜひ、調べてみてください)。
ですがイモリは、体がほとんど常に濡れています。
その、ぴちょぴちょの体を水槽の壁にくっつけ、わっせわっせと登ります。
これはつまり、濡れたティッシュがつるつるした面にくっついているような状態だと思うのですが(イモリが壁を登る原理について、はっきりとしたことは分かりません……)、なかなか馬鹿にできません。
イモリが水槽の壁をわっせわっせと登り、そのままぴょろんと外へ出てしまうと、イモリは水槽に戻ることができずに、乾燥して死んでしまうことがあるそうなのです。
シリケンイモリは陸に上がって過ごすこともありますから、飼い主がすぐに見つけて水槽に戻すことができれば問題ないのですが、長時間水に浸かれないと、イモリにとっては危険なようです。
そのような事故が起こらないようにするためには、水槽に
虫かごの蓋は、水槽の上部を隙間なく覆ってくれますし、爪の部分を噛ませておけば、ちょっとしたことで開いてしまうこともありません。
虫かごの蓋には大抵、網目のような穴が開いていますから、通気も確保できます。
しかし、水槽の上部を覆ってしまうと、水槽の壁の上端に掛けるようなフィルターは設置できません。
水槽の底に置くタイプのフィルターであれば、水槽の中から外に出るのは基本的に細いチューブだけなので、工夫をすれば虫かごにも設置できると思うのですが、うちの子は一匹飼いのため、水槽が小さく、中にフィルターを置けるようなスペースはありません。
そのため、うちではフィルターを使わず、水が汚れたら換える、という方法をとっています(フィルターを使っていても水替えは必要ですが、綺麗な状態は長く保てます)。
さて、やっと水替えの話になりました。
うちのイモリちゃんは、水替えが嫌いです。
というより、新しいお水が嫌いなようです。
水槽を水道水で洗ってから新しいお水(カルキ抜き済み)を入れ、待機用のプラケースで待っていたイモリちゃんを綺麗になった水槽に戻すと、「イヤー!」と叫んでいるかのような勢いでバタバタ泳ぎ回り、その勢いでバタバタ陸に上がっては、そこでウンチをすることも。
せっかく綺麗にしたのに、トホホ、ですが、飼い主はぷりんとしたウンチを拭き拭き。
うん、水を換えた飼い主が悪いのです。
しかし、古い水を少し残して新しい水と混ぜても、イモリちゃんの反応はあまり変わりません。
ですが、イモリは肉食性でよく食べるからか、水が餌(うちではほとんど人工飼料です)やウンチで汚れてくると、
なので、古い水をたくさん残すわけにもいきません。
ただ、水替えから数日が経つと、餌やウンチ、自分の匂いが水に付くからか、イモリちゃんはけろりと落ち着きます。
お気に入りの隙間に隠れたり、どこにも隠れなかったりして、こっちをじっと見つめ、「ごはんはまだでしょうか」の目。
――この子は、水を換えた翌日でもバクバク食べますが。
しかし私も、あまりに綺麗すぎる場所より、少し物があって自分の匂いもする部屋の方がリラックスできます。イモリちゃんに気持ちがあるとしたら、同じような気持ちなのかもしれません。
結論。
うちの子はきっと、『ちょっと汚いくらいが落ち着く派』。
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