第11話 旧貨物室での捜索

ダイニングルームでクレア・スミスが捕まった後、私たちは旧貨物室に向かう準備を整えた。本物のルビーの涙がそこに隠されていると信じていた。


「旧貨物室に向かいましょう。そこで全ての謎が解けるはずです。」私は涼介に言った。


「行こう、香織。これで全てを終わらせる。」涼介は決意を新たにした。


私たちは旧貨物室に向かう途中、アリサと他の数名の乗客も同行することになった。彼らも事件の真相を知りたがっていた。


「香織さん、これで本当に終わりですか?」アリサが不安げに尋ねた。


「ええ、これが最後の手がかりです。」私は自信を持って答えた。


旧貨物室に到着すると、その古びた扉が私たちを迎えた。涼介が力を込めて扉を開けると、ほこりっぽい空気が私たちを包み込んだ。


「ここが旧貨物室か……随分と古いわね。」涼介が呟いた。


「さあ、手がかりを探しましょう。」私は周囲を見渡しながら言った。


旧貨物室の中は、古びた木箱や積み上げられた荷物でいっぱいだった。私たちは慎重にそれらを調べ始めた。


「香織、この箱を見て。何か書かれている。」涼介が一つの箱を指差した。


私はその箱に近づき、書かれている文字を読んだ。「『宝物』……これが手がかりかしら?」


涼介と私はその箱を開けるために力を合わせた。箱の中には、古い地図や文書が入っていた。


「これは……古い地図だ。」私は地図を広げて言った。


「この地図が旧貨物室のどこかに隠された本物のルビーの涙の場所を示しているのかもしれない。」涼介が推測した。


私たちは地図を詳しく調べ、その指し示す場所に向かった。地図は旧貨物室の奥にある隠し部屋への入り口を示していた。


「ここがその場所ね。」私は地図を頼りに壁を調べた。


「香織、ここに何かある。隠し扉かもしれない。」涼介が壁の一部を叩きながら言った。


涼介と私は協力して壁の一部を押し開くと、小さな隠し部屋が現れた。その中には、輝くルビーの涙が入った小さな金庫があった。


「これが本物のルビーの涙だ。」私は金庫を開け、中身を確認した。


「ついに見つけたんだな。」涼介が安堵の表情を浮かべた。


その時、アリサが金庫の中を覗き込み、驚いた表情を浮かべた。「これは……本物です!」


「やっと事件が解決したわね。」私は微笑みながら言った。


しかし、まだ一つの疑問が残っていた。「でも、誰がリチャードを暗殺したのか?」


「その答えも近くにあるかもしれない。」涼介が周囲を警戒しながら言った。


次回、「真の黒幕」。香織と涼介が真の黒幕を暴き、事件の全貌が明らかになる。お楽しみに!

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