第2話 招待客の登場
翌朝、スターオーシャン号は青い海を滑るように進んでいた。私と涼介は、早速船内の探検を再開することにした。船内のアナウンスが響き渡り、今日は特別なイベントが開催されることを告げている。
「香織、今日はオークションの参加者たちが紹介されるんだってさ!」涼介は興奮気味に私に知らせた。
「そうね、どんな人たちが来ているのか楽しみだわ。」私は微笑みながら、船内のメインホールへと向かった。
メインホールに着くと、そこには既に多くの人々が集まっていた。華やかな衣装に身を包んだ参加者たちが、優雅に談笑している。私たちはその中を歩きながら、著名な顔ぶれを確認していった。
「見て、あそこにいるのがエリック・ホールね。」涼介が小声で言った。彼の指差す先には、派手な服装をした中年の男性がいた。彼が今回のオークションの主催者、エリック・ホールだ。
エリック・ホールは派手な服装と独特の話し方で、すぐに目立つ存在だった。彼は多くの人々に囲まれながら、豪華なオークションについて熱心に話していた。
「ようこそ皆さん、スターオーシャン号へ!このオークションは特別なイベントです。世界中から集められた貴重な美術品が出品されますが、その中でも特に注目すべきは『ルビーの涙』です!」
ホールの言葉に、参加者たちの興味が一層高まった。
次に目に留まったのは、気品あふれる女性、クレア・スミス。彼女はエレガントなドレスに身を包み、その美しさが一際目立っていた。クレアは秘宝「ルビーの涙」の所有者であり、その秘宝に対する執着心が感じられた。
「彼女がクレア・スミスね。『ルビーの涙』の所有者か……」私はつぶやいた。
「本当に美しいね。でも、その美しさの裏には何かありそうだね。」涼介が言った。
また、そこには著名な映画監督、天野秀一もいた。彼は中肉中背でメガネをかけ、少し内向的な雰囲気を持っていたが、その存在感は圧倒的だった。彼の映画は世界中で評価されており、彼もまたこのオークションに大きな関心を寄せていた。
「彼が天野秀一。映画監督としてのキャリアはすごいわ。」私は感心して言った。
「彼の映画にはいつも驚かされるよ。きっとこのオークションからも何かインスピレーションを得るんだろうね。」涼介が答えた。
そのほかにも、様々な著名人が参加していた。例えば、冷静で知的な評論家の伊藤志郎、若手の天才画家の山田真琴、そして一流の宝石デザイナーの田中美穂。彼ら全員がこの豪華なオークションに期待を寄せ、独自の狙いを持って参加していた。
その時、エリック・ホールが再びマイクを握り、招待客たちに話しかけた。「さて、皆さん。今日は特別な日です。豪華客船スターオーシャン号での旅を楽しむとともに、夜には素晴らしいオークションが待っています。ぜひ、期待してください!」
拍手と歓声がホール内に響き渡った。その瞬間、私たちはこの豪華な舞台の裏に潜む謎と陰謀を予感していた。
「涼介、これからが本番ね。」私は彼にそう言い、調査の準備を整えた。
「うん、楽しみだね。探偵コンビの出番だ!」涼介はウィンクしながら答えた。
次回、「ルビーの涙の行方」。秘宝を巡る陰謀と事件が動き出す。香織と涼介の探偵コンビが解き明かすミステリーに乞うご期待!
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