第2話
死ぬってこんな感覚なんだ……痛くて怖いものだと思っていたが、案外軽く逝けた。
即死なんでね、まぁ、というか今俺は何故意識があるんだ?死ぬ間際に走馬灯を見るとはよく聞くが、自分で考えて意識があるなんてことはあまり聞かない。
「あなたが、大輝さんですね?」
神々しさを浴びた女性の声が聞こえた。非リアの極みにこんな知り合いはいないからこんな記憶は見ないはずだが、、
「そ、そうですねぇ、」
初めて話す人って結構緊張するんだよ、どもるし。
ていうかなんで話せてるの?伝承とかどうでもいいから未知の世界に馴染むしかないのか?
「あっていましたね、私は女神のユリシアと申します。本日はあなたを誘いに参りました。」
いきなり本題ですが、はやいですねぇ、
にしても女神……ユリシア、ファンタジー感強いな。
世界というものの未知に迫る。
それはとても神秘的で、非現実的で、だが、実際経験すると頭が狂う。
「誘う?というとどのような?」
「そうですね、簡単に言いますと、あなたに選択肢を授けます。そこであなたに選択してもらい、その後を歩んでもらうという……とにかくは死後どうするかです。」
相槌を打つ。
「その、選択肢というのは?」
「あなたは善人です。」
えっそうなの?
「子供のために命をも惜しまずに助けに行くとは、ですが、あなたがこっちに来る、時、あなたの家族がどう思うかは考えてください。ということで、それを踏まえて選択肢を授けます。」
母さん元気かな、高校入って一人暮らしして、正直何もできてないし、親孝行どころか親不孝ばっかりしている。そんな記憶がある。
「はい」
「まずは一つ目天国へ行く。二つ目記憶を消し去り地球に転載する。最後に、記憶を忘れずに他の世界に転生する。最後の記憶を消さないのは天界なりの罰です。さあ、選んでください。」
女神は輝かしい振る舞いを見せて、そう言った。
天国、よく聞く言葉だ。だが、自分は天国に行けるだけの善人ではない。最後の人助けで死んだ、というのがポイントみたいなので加算されただけだろう。
天国、素直に言うとあまり楽しそうではない。人は甘い蜜もあれば、苦い毒だってある。だからこその人だ。
その毒素をなくしてしまうと人として成長しなくなる。
二つ目、記憶を消し去り地球に転生、これは絶対ない。以上。
では消去法から行くとするならば、三番目が1番良い。
「記憶を忘れずに他の世界に転生をする。
これがいいです。」
決断力の強さに驚く。だが、人生をReスタートするのもそんなに悪くないかもしれない。
「わかりました。では手続きをします。信濃大輝は、本日より、その存在を地球上から移り変え、また新たに、記憶を残したまま転生をさせる。以上を天界からの誘いとする。読み上げるは女神ユリシア。さあ、血判を」
空を向いてそうつぶやく。何かを定める時にはそうするのだろうか。まぁどうでも良い。
血判を、と言われ、ナイフのようなものを渡された。それを何故か元に戻った身体の指の部分に切り込み、その他を指紋とともに入れた。
「以上より、承諾されました。では、新たなる世界へ、新たなる日常へ転生をさせます、というのももう3分も待たないうちに勝手に転生します。」
ユリシアは我々が宇宙というものへ言ったように見えた。いや、言った。
告げるのが早いな。もう転生ですか。
まあいい、新たな人生、新たな未来、異世界というところで、新たに紡ぐ血。
新たなる人へ、今なる。
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