第2話:法律は当事者を守れるのか ②
私は当事者ではないが、当事者の方と一緒に仕事でご一緒したこと、実際にお食事会で近くの席になったことなど当事者の方とは交流している事は多いため、当事者の方々がどういう気持ちであるかは理解出来る。
ただ、現在の社会において感じているのは“大人と子どもの分断”だ。
これは昨今一定年齢以上の性的マイノリティ当事者に関する話題は出てくるのだが、一定年齢以下の性的マイノリティ当事者に関する話題は出てこない。
そのため、一定年齢以上の性的マイノリティ当事者に対する理解は進んでも、一定年齢以下の当事者に対する理解が進まないことで新たな問題や課題が発生するという可能性もあることから、これらの認識差を少なくしていくことも同時に求められることから今回の判決が大人だけでなく子どもに対しても必要な支援や今回のケースのように将来的に性別変更を検討している場合には法的観点における移行準備などをする際に必要な知識や方法を学ぶことも必要になると思う。
現在は“多様性”が進んでいったとしても、ある分野に関しては理解が進み、ある分野に関しては理解が進まないという事が多い。
仮にこの状態が長期間にわたって定常化していった場合に問題となる部分が出てくる。
それは双方の立場における“正誤判断基準の相違”だ。
今回挙げた事例であっても当事者以外からの誤った情報が社会やネット上に流れるリスクやこれらの情報が差別を助長する可能性がある事から特定業種において追加の安全対策などを求める声が大きくなることで企業の経営を圧迫してしまうなどこれまでの環境から新しい環境への変化を求められることで周囲にとってはストレスの要因につながりかねない状況や不安を連鎖させてしまうことで1種の“風評被害”につながる可能性も出てくることから、企業としてもこの部分をきちんと整備して“安心・安全”を担保しないと客足などに影響が出かねないのだ。
しかし、当事者側としては“私たちはそういう事をしません”・“私たちはそう思いません”などこれらの不安を否定し、彼ら・加除経ちは“社会に認めて欲しい”と社会に発信したとしても、社会的価値観が変化し、不安等を排除しないと共存させることはかなり難しいと思うし、これらの発信によってさらに影響が大きくなることで、当事者が発信した声が十分に届かないだけでなく、この事が更なる誹謗中傷や罵詈雑言といった当事者側の社会的地位の毀損につながりかねないのだ。
その理由として、これまで十分な情報や学習機会が与えられていないことから、当事者側がいくら理解を求めたとしても受け取る側に正しい知識がないと一方通行になるだけでなく、これまでもこれらのマイノリティを模倣する形で犯罪が発生していたこともあり、2性認識(=男女)が強い人にとっては“異なる性の人が出てくる事で何かされるのではないか”という心理が芽生えやすくなることやこれらの理解を進めていくためにはかなり大がかりな改革や一定期間を周知期間として設けて1つ1つ丁寧に説明をしていくことが求められる事から社会的混乱を回避できるようになるまではかなり時間がかかるのではないかと思うのだ。
そのうえ、これまでもこのような判例が出たとしても状況が変化することも法的項目が変更されることもなかったことから、理解だけが進んでいったとしても法律などが変わらないと当事者としては”現状維持“ということになってしまうのだ。
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