Ep.x+1 -酔っ払いに嫉妬するお姫様-

「たらいまぁ~」

「…おう、おかえり。また随分酔って帰ってきたな」

「うん…」

「おっと…」

 ふらふらと倒れそうな葵を支え、リビングまで介抱してソファに座らせる。

「…水いるか?」

「…ん…」

 葵が頷いたのを確認して、コップに水道水を入れて葵に手渡す。葵はそれを受け取って、水を飲み始める。

 …っていうか、なんだかんだ葵がこんなに酔っぱらった姿を見るのは初めてかもな…。こういう時は大体どっかに泊まって翌日くらいに「頭がくそ痛ぇ」ってメール送ってくるんだけど。

「…ま、とりあえず五体満足で良かったよ」

 葵の隣に少し距離を置いて座ると、葵の頭が俺の足に乗っかる。

「…寝るならベッドで寝てくれ」

「…や…、丁度いい枕…」

 俺の足は枕扱いですかそうですか。…まあ、葵だって疲れてんだから良いけどさ。けど…だ。

「…酒くさ…」



「響谷くん、お風呂上がったよ」

「了解」

「…葵さん…どうしたの?」

「ん?酔っ払って寝てるだけ」

「…ふーん…」

 …なんで結華はジト目なんでしょうか?

「…ずるい」

「え?」

「…葵さんだけ、ずるい。私だって膝枕されたい」

「そうか、でも今は酒臭いけど」

「…それは…ちょっと嫌、かも」

「んじゃあ明日だな。結華、悪いけど、先寝ててくれると助かるかも…」

「…じゃあ、明日」

「ん?」

「明日、絶対に一緒に寝て」

「分かった、おやすみ結華」

「うん、おやすみ」



「…ん…」

 …あ、家…?

 …そっか、帰ってきたんだっけか…。

「あ゛ー…頭いてぇ…」

 二日酔いだな…こりゃ…。

「…?響谷、なんでここで寝て…」

 …っていうかこの体勢…。…あー…そういう事か…。…なんかすっげぇ罪悪感。

「仕方ねぇ、明日は私が飯作るか」


 ■


「…ん…」

「おはよう響谷」

「あ…おう、おはよう葵」

「…昨日のお詫びっていうかなんというか、朝飯作っといてやったぞ」

「…え…あ、おう…サンキュ」

「…おはよ、響谷くん」


――――――――

作者's つぶやき:ちょっと今日はここまでで許してください…。

次回はこれの続編…結華さんと響谷くんのイチャつきを書きます。

次回をお楽しみに。それでは。

――――――――

よろしければ、応援のハートマークと応援コメントをポチッと、よろしくお願いします!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る