Vol:2.5
特別編SS:お姫様の仰せのままに
Ep.x -お姫様…という事で-
「なぁ、響谷」
「んぁ、どした森谷」
「王様ゲームやらね?」
「また唐突にどうした」
「いやぁ、姫って姫って呼ばれてんじゃん?」
「…姫…あぁ、結華?」
「そそ、そんで姫の連想ゲームで王様ゲームってわけ」
「…あぁ、そう」
「俺と篠宮は参加する、し、多分お前が参加したら姫も自動参戦するだろうしさ」
「…それは暗に俺に参加しろと圧を掛けてるわけだな?」
「大正解、良く分かってんじゃん」
「…まあ良いけどさ」
…で、案の定結華は『響谷くんがするなら、私もやる』と。
「よっしゃ、今年の初詣大吉の俺の運を見とけ!」
「森谷張り切りすぎ、っていうかあれで今年の運勢使い果たしたんじゃないの?」
「そんなわけないだろ~」
「…それじゃあ、私はこれ」
「篠宮、先選んでいいよ」
「いいの?」
「あぁ、うん」
「じゃあこれ」
割り箸で作ったくじを引いて、先端が赤く塗られてるのを持った人が王様、それで、各割り箸に振られた番号で指名して命令する…まあ一般的な王様ゲームだな。…多分。
「そんじゃいくぞ、せーの!王様だーれだ!…っておい言えよ!」
「いやぁ…フフッw…これは最早、…w…通過儀礼だよね…w」
「こらそこ笑わない!…って、お、俺が一番最初の王様だ」
「お~、流石は大吉。…それで、命令は~?」
「そーだなー…んじゃあ1番、コンビニまでダッシュして俺に焼きそばパンを買ってこい」
「…うげ…」
「お、光栄なるパシリに選ばれたのは響谷か、そんじゃあ行ってこーい」
「…行かなきゃダメ?」
「そらもちろん、王様の命令は絶対だからな」
めんどくせぇー…。
「…焼きそばパン買ってくりゃいいの?」
「おう」
「わーったよ、行ってくる」
「ちゃんと走れよ~」
玄関から靴を履いて外に出て、そこから全力ダッシュでコンビニに向かう。…マジでパシリだなこれ。
とまあそんなこんな、無事コンビニで焼きそばパンを買ってダッシュで帰宅する。
「おら帰ったぞ」
「おぅ、おかえり。随分速かったじゃん」
「これでいい?」
「ん、そうそうこれこれ、サンキュ、響谷」
「食べるのは王様ゲーム終わってからにしろよ?」
「まあそりゃもちのろんよ」
「さて、じゃあもう一回王様決めようか、せーの」
「「「「王様だーれだ」」」」
「…あ、私だ」
「お、結華、良かったじゃん」
「…命令、って、何でも良いの?」
「…まぁ、あんまり過激すぎなければ」
「…じゃあ、その…2番が私とキス…」
「お、行くねぇ姫様。…で、2番はだぁれ?」
「俺は1番」
「私も3番だから、よかったじゃん響谷」
「…響谷、キスして」
「はいはい、分かったよ」
その場で目を閉じて待つ結華の頬にキスをする。
「…ん、響谷くん?」
「…流石に人前じゃ、ね」
「…そう」
■
あのあと大体の番号指名に俺が当たり、なおかつ俺が王様になることは無く…。
まあ、結華も森谷も楽しそうだったから良いけどさ。
ちなみに結華とはあの後ちゃんとキスした。
――――――――
作者's つぶやき:はい、SSなのでね、短いです。
そういえば特別編書いてねぇやで作った急増品なのでクオリティお察しですね。
それでは。
――――――――
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