戦争を終わらせる、ただ一つの方法
腹がいっぱいになったから、それだけで戦地に送られた。「腹が減っては戦はできぬ」の逆意ってことだ。戦地では銃弾が豪雨みたいに降ってくる。敵さんも死んでるし、こっちも死んでる。とにかくたくさんだ。
敵ってのはどの国で、誰なのか知らされていない。曹長が撃たれた。軍曹も。俺たち二等兵も、ここでは平等だ。さっきは少佐が戦死した。戦死した人間は、島に連れ戻されて食料にされるって話だ。クソ!。
銃弾の雨、比喩だ。だが、陽がさすと虹が見えた。俺ももうお迎えか!撃たれた左足の感覚がない。虹の奥から、少年が見える。神々しい。少年は鎌を持ったバケモノに命令している。バケモノは頷き、大声で叫んだ。
「戦争を止めたいものは手を挙げろ」ドスの効いた声だ。なぜか、体面や体裁など吹き飛び素直さが身体を突き動かす。俺をはじめほとんどの兵士が手を挙げた。
手を挙げていない兵士たちが一瞬で、豚に姿を変えられた。そして、戦争が終わった。
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