構わねぇ、俺の店だ
「お腹いっぱい食べたことがない」 事務所で話を聞くと最初にこう言った。万引きしたんだから、まずは「ごめんなさい」だろ、と言うと「ごめんなさい」とオウム返しで謝った。
コロッケ、から揚げ、海老の天ぷらに梅おにぎり、カップ麺にざるうどん、お茶とコーラー。仕舞にゃぁプリンとアイスまで。バランスの悪い食生活だ。
「いくつ?」って聞くと、「十四歳」って言う。「お母さんとお父さんは?」って聞いたが、「いない」と。腹の虫がグルグルっと事務所中鳴り響き、同じ年の娘を持つものとしては、見逃せねぇ。「食え食え、食っちまえ。俺の店だ。残すんじゃねぇぞ」と言ってやった。
「いいの?」と言ったのも束の間、コロッケとざるうどんを飲むように胃に流していく。湯を沸かしてカップ麺作ってやる間に、もうプリンを食ってる。あっという間に完食だ。
「また明日来な」と言って、サラダとリンゴとパンと牛乳を持たせた。食生活はバランスよくが基本だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます