第2話 砂糖少女との再会
僕こと
その不幸とは、ここ私立大研高校を一年ダブったことだ。
僕がダブった理由は『
時代遅れのレディースの総長に僕はからまれ、強引に酒を飲まされ、その場面が警察官に見つかり休学扱いになったり、信じていた幼馴染みが僕を裏切りいじめてきたり、カンニング魔として(全くの潔白なのだが)先生に密告されたりと、まあ散々な目に遭ったのだ。
そのせいで僕はクラスで悪目立ちし、クラスに通えなくなってそのままダブることになった。
もう、僕は異性とは関わらないでおこう。自分の身の安全が第一だ。
そう思いながらクラスへと向かった。
―――――――――――――――――――――――――――――
「初めまして。
髪が腰に掛かるくらいの長い黒髪清楚な少女が自己紹介を終え、次に僕の番になった。
「えっと、
すると教室の隅のほうで嘲笑が聞こえた。
僕はもしかしたらまたいじめられるかもしれないな、とか思いながら俯いた。
そうしたら――。
「ねえ、君」
僕の隣から弾んだ声が聞こえて、僕は意識をそちらに向ける。
そこにはあのとき痴漢から助けた女子生徒がいた。
正直言って驚いてしまった。
「ポッキー一本、いる?」
あの時のお返しと言わんばかりに、そう言われたので僕はポッキーを一本もらい、カリっと食べた。
「どう美味しいでしょう」
デレッとまるで甘々のスイーツみたいな笑顔を見せてきた。
その瞬間、僕の胸がざわついた。
そしたらその少女が手招きしてきた。耳を貸せ、ということだろうか。僕はおとなしく近付く。
「先生には、内緒だよ。私たちだけの秘密」
そう、僕の耳元で囁かれた。
やばい。これはまずい。
僕は胸が張り裂けそうだった。
「あのとき聞かなかったけど君の名は?」
「私はね、
僕は、この再会をきっかけに僕たちの恋愛が始まるような気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます