お弁当

お昼の時間になり、教室がざわざわし始める。

先輩と約束した約束の場所へ向かう。


ベンチに座り、空を眺める。なんともいい天気だ。


「いい天気だなぁ」


「こんにちは。待ったかな?」


上を向いている所に顔を覗かせて霧島先輩が話しかけてきた。少し驚いてむせてしまった。


「び、びっくりした・・・私も今来たのでそこまで待ってないです。それよりも、今日はありがとうございます。」


「ふふ、気にしなくていいよ。さ、一緒に食べよっか」


隣に座り、お弁当を貰った。

包みからして可愛い。

お弁当を開けると、見た目からしてとても美味しそうなのが伝わる。

朝もあまり食べていなかったからか、お腹が鳴ってしまった。


「朝もあまり食べてなかったの?もう、・・・食べなきゃダメだよ」


「う、すいません。先輩のお弁当が楽しみで・・・」


と言い、霧島先輩の顔を見ると少し赤くなっていた。


「お口に合うと嬉しいけど」


顔を手で仰ぎながら霧島先輩はじっと私を見つめる。

見られながら食べるのは恥ずかしいものだが、作ってもらった手前食べない訳にもいかないだろうと、まずは目に付いた卵焼きから口に運ぶ。


「ど、どうかな・・・?」


美味い。というか、美味すぎる。

手料理自体が久しぶりというのもあるが、今まで食べた卵焼きでいちばん美味しい。


「・・・」


人間美味しいものを食べると黙るというのは本当らしい。

先輩が何か言っていたが、美味しさのあまり一気に全部食べてしまった。


「そ、そんなに一気に食べると詰まるよっ」


食べ終わり、先輩に目を向けると慌てた様子でこちらを見ていた。どうやら、一気に食べて詰まると心配してたらしい。


「先輩・・・めちゃくちゃ美味しかったです・・・!!!!」


手を握り目を合わせてお礼を言う。

すると顔がりんごのように赤く染まっていった。


「先輩顔赤すぎですよ。暑いんですか?」


いくら日陰とはいえ外の気温は30度ぐらいありとても暑い。


「違うよ、君のせい、もう、からかわないで。」


うう、と顔を手で多い、ちらちらとこちらを見てくる。


「先輩って、可愛いですね。」


これだけ可愛かったらそりゃ人気者だよなぁと思いながら1人で頷く。


「わ、え、なんなの、ほんと、好き・・・」


先輩が何か呟いてたが聞き取れなかった。


「もう、私が食べ終わるまで待っててね恵ちゃん」


隣で自分のお弁当を食べる先輩を待ち、食べ終わったあとは時間まで話をした。

どうやら私も楽しいと思ってるらしく時間はあっという間に過ぎてしまい、連絡先を交換しこの日は別れた。

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