帰り道

帰り道の途中、家に何もない事を思い出し、最寄りのスーパーへ寄る事にした。

普段、夜ごはんぐらいはと作っているがなんだか今日はとても面倒くさい。


「今日はお弁当でいいかな」


安くなっているお弁当と、明日の朝食、昼食を選ぶ。

自分でも思うが、不健康な食生活だと思うが仕方ない。

朝起きられないのだから。まぁ、偉そうにいう事ではないが。


「あ、恵ちゃんもお買物?」


後ろから声がして、振り向くとそこには霧島先輩の姿があった。

昼に告白みたいなことをされたからか、気まずい。


「こんばんは。霧島先輩も、ここでお買物するんですね」


「先輩ってつけなくてもいいのに。」

少しむっと顔を膨らませ、そう言う先輩は私のカゴの中を見て


「そうだ、明日のお昼、また一緒にご飯食べない?

お弁当作ってあげる」


と言ってきた。

確かに先輩の卵焼きが美味しかったし、作ってくれるのなら甘えたい気もする。

しかし、今日知り合ったあかりで甘えていいのだろうか。


「料理するのが好きだし、何より食べて欲しいって思っているからどう?」


自分以外の手料理を久しく食べていないので、霧島先輩に甘えることにした。


「じゃあ、お願いしていいですか・・・?」


「はーい。美味しいの作るから期待しててね」


じゃあまた明日楽しみにしててといい先輩は去ってしまった。

昼食用に買おうと思っていものを売り場に戻し、夜と朝分のご飯だけ購入した。


ご飯を食べ、お風呂に入り、髪を乾かし明日の準備をする。

準備が終わり、ベットへ横になりながら、神谷さんに貰った紙を確認し、連絡をする。

『こんばんは。立花です。よろしくお願いします。』

・・・最初ってなんて送っていいかわからなくない?

中のいい友達とかならわかるけど、出会ったばかりの人に送るメールってこれでいいのかな。


「素っ気ないかな。でも、返事返ってきたら話を広げればいっか」


返事が返ってくるのを待っていたが、待っても返事が来ず、気付いたら寝落ちしていた。

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