コンビニへ
午後の授業中もさっき自分が考えた可能性の事を考える。
女子からの視線は感じるが、男子からは感じない。
なんでこんな事になったんだろう。私が好きなのは、男の人、であって女の人ではない。はず。
考え事をしているうちに午後の授業の終わり、部活の時間になった。私は入りたい部活もなかったので帰宅部である。
そういえば、コンビニの店員さんに名前聞いていなかった事を思い出し、気は進まないが、友達になると言ったのは自分なので、買い物のついでに名前を聞こうとコンビニへ向かうことにした。
コンビニへ着き、中へ入り飲みもをを選ぶ。
レジの方に目を向け、朝の店員さんを探すが見当たらない。
「まぁそうだよね。会えたら聞こう。」
飲み物だけ購入しコンビニを出ると、入り口で朝のコンビニ店員さんとすれ違った。
「あ、朝の」
こちらに気づいていなそうだったので声をかける。
「わ、ちょっと私忘れ物取りに来ただけなので、少し待っててもらえますか・・・!」
慌ててコンビニ内へ入っていったので、大人しく待つことにする。
3分もしない内に戻ってきたので、コンビニ前で話すのも邪魔になると思い、近くの公園へ一緒に行くことになった。向かう途中、気まずさからか、お互い会話はなかった。まぁ、何話していいか分からないしね。
公園へ着き、空いているベンチへ座る。
「朝に名前を聞くのを忘れたので、聞こうと思って来たんですけど、ちょうど会えてよかったです。」
「あ、そうだよね。確かに朝はバタバタして自己紹介できてなかったもんね・・・」
さっきも忘れ物とか言っていたし少し抜けているのかもしれない。
「私の名前は
「神谷さん、ですね。よろしくお願いします。
本当に朝は驚きましたけど」
「う、本当にごめんなさい。」
「でも、嬉しいです。今までそうやって好意向けられたことなかったので」
そう言うと神谷さんは少し顔を上げ、ほんと?と聞いてきた。なんだろう、年上の人なんだろうが、とても可愛く見える。
「ほんと、ですよ。でも、今までそんな素振りなかったですよね?なんで今日は急にタイプとか言ってきたんですか?」
本当に前からなのか、今日急になのか、これで神社で願った事で今の状況があるのか分かると思い、気になっていたことを聞いてみることにした。
「なんでっていうのは難しいかなぁ。なんか今日、あぁ、好きって思っちゃったんだよね。そしたら言わずにいられなくて。」
どうやら、神社での願い事によって好きになった、という事だろう。
少し申し訳ない気分だ。
「でも、これはうその気持ちじゃないよ。本当に、君の事が気になっているの」
神社で願わなければ話すこともなかっただろう。
そう考えると、今の状況は悪くないのかもしれない。
「だから友達から、って言葉嬉しかったんだ。拒絶されてもおかしくなかったから。ありがとう、恵ちゃん」
「よく行くコンビニなので、気まずい関係になりたくなかっただけです。」
照れ臭いのもあり、素っ気なく返事をしてしまった。
分かってるよ、優しいねと言いながら神谷さんは何か書いた紙を渡してきた。
「私の連絡先です。もし、恵ちゃんさえ良かったら、連絡くれると嬉しいな。」
と言い、この日は公園で別れ、帰路に着いた。
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