第13話 ギルド

門から真っ直ぐの大通り。1番奥には領主が

住んでいるであろう、強固な砦を思わせる四

角を組み合わせた無骨な感じがする城があり

横道に入る通りは、細い道が少なく左右に商

店が多くあり、1つの通りには屋台が所狭し

と並んであったりする。


右側の並びに大きな赤い屋根の建屋…冒険者

ギルド。俺はそこを目指して、そんなに多く

ない人混みの中に入って歩く。


数分後、ギルドの正面に到着。西部劇の様な

開き扉の両方を押して中に入る。左側は3段の

階段を降りて、少し低い場所に飲食が出来る

スペースがあり。見たところバーだ。多数の

男女がそこから、ギルドに入った俺を値踏み

する目でチラチラと見ていた。


右側は大きなボードに張り紙が数枚。家事手

伝い募集やら薬草採取、パーティ募集という

ものだ。


正面に、綺麗な女性が座っている。ブラウン

ヘアをポニーテールで纏め、前世で見た紺の

スーツを来ていた。


女性に近づき口を開いた。


「すみません。登録したいのですが、宜しい

 ですか?」


彼女は微笑みんで会釈。


「初めての方ですね。こちらの用紙に、必要

 事項を記入して下さい。あっ!文字は書け

 ますか?代筆もしております」


「はい大丈夫です。文字は書けますよ」


俺は早速記入しようとするが、名前、年齢に

前回住んでいた町。得意スキル、得意魔法。


(げっ!名前意外考えてない!またアドリブ

 力が試されるのか…はぁー)


名前:ヒロ

年齢:18

前の居住地:名もない寒村

得意スキル:なし

得意魔法:生活魔法


俺はこのように記入した。


「…ええと、名前はヒロさん。18才。前のお

 住まいは、名前のない村ですか…生活魔法

 が使用可能という事で宜しいですか?修正

 出来ますよ」


「はい。間違いありません。仕事はできます

 かね?なにせ田舎から出てきた、右も左も

 分からない人間ですが…」


「ええ。大丈夫ですよ!ピシエドの町によう

 こそヒロさん!新生活を応援します。申し遅

 れました。私は当ギルド受付の、ナイラと

 言います。宜しくお願いしますね…では登録

 したカードをお渡しします。しばらくお待ち

 下さい」


ナイラは丁寧に対応してくれて俺が記入した

書類を受付台の奥にある、金属の箱に入れて

箱の下部から出てきたカードを持って来る。


「お待たせしました。こちらが、ヒロさんの

 カードになります。紛失しますと金貨1枚の

 罰金が必要になりますので、御注意下さい

 登録仕立てのヒロさんは7級から始まります

 …受けられる仕事は限られていますがヒロ

 さんから見てギルド右側の掲示板から依頼

 内容を確認して下さい。受ける仕事を決め

 ましたら、受付で受注処理をします。本日は

 仕事を受けますか?」


「いえ。町に着いたばかりなので、今日の所

 は辞めておきます。ところで宿屋を……」


「いつまでナイラとくっちゃべってんだぁ!

 クラァ!!田舎兄ちゃんよぉ!」


(あー。面倒事の予感…俺のゆっくりと町に

 馴染む計画が…)




 




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