第3話 転生するらしい3

「魔法と軍人のスキルを確認という事は

 かなり危険な環境という事ですかね?

 どの様なことが脅威になりえますか?」 


 青白い4号は相変わらずの笑みで返答。


「そうですよねー。気になりますよねー。

 もちろん説明させて頂きますよー。先ずは

 魔獣と呼ばれる動物が存在します。人間が

 飼い慣らす事は絶対不可能です。遭遇する

 と必ず向こうは敵対します。それから対人の

 環境も状況によっては、命が軽くなります。

 なんせ中世レベルの世界、文化なのでー…

 犯罪の解決力は…ご理解下さい」


語尾を伸ばしがちな4号が最後にしっかりと した口調で答え終えた。当たり前だが凄く 重要な事だと理解した。

一拍置いて4号が元の笑みに戻り、口を開く


「…さて、基本的な情報、説明はこの位ですかねー。ノマキさんが落ち着いた方なのでこのまま送ってしまいそうでしたが、少しお話

しましょうかー」


4号は相変わらずの笑みでどこから出したかわからないティーカップを口に運ぶ。当然の様

に自分の目の前にも紅茶の入った、ティー

カップが置いてある。湿らす程度に口を付けた。


「先ずははどうでもいいかもしれませんがー

 ノマキさんは自分の事を、俺とか僕、私等

 の一人称で喋りませんねー?」


よく観察している。


「…死んでからこれでも戸惑っていましてね

 己の事がわからなくなってまして…それで

 だと思います」


 4号は微笑み、頷き、納得。


「なるほどー。ちなみにあなたが転生する

 カラダは、10代後半です。冷静なあなた

 は俺、僕、私、丁寧語、尊敬語、謙譲語

 上手く使いこなすでしょうねー。後はここ

 ではせっかくなんで砕けた口調で話をして

 下さいよー。有意義な時間にして、伝達の

 忘れがない様にしたいですのでー」

 

情報は多ければ多い程良い。砕けた口調で

話すとしよう。紅茶を一口飲んで、俺は喋る


「分かったよ4号。俺も少しでも情報があった

 方がいいしね。…ところでなんで俺が転生

 する人間に選ばれた理由は何だ?」


重要な話か微妙なところから会話を繋げようとしてみる。4号は笑みを保ったまま答える。


「それはですねー、ノマキさんの魂には自我

 がまだ残っていたからですねー。他の魂は

 自我はもうありませんよー。彼等は真っ新

 になって、他の人間が住む星々に行きます

 ねー。転生…呼べるかもしれませんがー

 前の記憶は一切ありませんのでー、ノマキ

 さんとは全然違いますよー」



 成程。…という事は次に聞くべきは…。



 



 

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