飲みさし
これは、友人の彼女である幸奈(ゆきな)さんから聞いた話。
ペットボトルとかでお茶を飲んでいて、一口だけ残しちゃうことありませんか?
私はよくあるんですよ。
会社とかで、通勤途中でお茶を買って午前中に飲むんですけど
お昼食べて午後になるとなんか気分が変わっちゃって別の飲み物買っちゃうんですよね。
あるじゃないですか、午後で眠いからコーヒーとか中だるみしちゃうからミルクティーとか。
そうすると午前に飲んでたお茶、飲む気なくなっちゃってちょうどひと口分くらい残っちゃうんですよ。なんか飲む気なくなっちゃうんですよね。
わりとあるあるだと思っていたんですけど、友達に話したら「だらしない!」って呆れられちゃいました。
しかも、怖い話までされちゃってそれからは残さないようになりましたよ(笑)
なんか、友達もTwitterかなんかで見たらしいんですけど、ひと口分の飲み物を残すのって
背後にいる存在へのお供え物なんだよ、って。
怖いですよね。そんなわけないと思いつつもそれ聞いてからは残すのやめましたよ。
でもなんか、そのあとから変なことが1回だけあったんですよね。
大学の課題をやりたいから喫茶店に行ったんですよ。
なんか家より集中できるんですよね。あ、わかります?そうそう。
友達と一緒だったんですけどお互いしゃべらずに夢中でレポートの作成してて、
課題もそろそろ終わるって時、飲んでたアイスコーヒー見たら久しぶりにやってたんですよ、ひと口残し。
あーあ、やだなあ、っって思ってたら友達もまたお供えしてるとかいうし、意地悪ですよね。
ちがうよー、って言いながらグラスに手を伸ばしたら自分の耳の後ろくらいに場所から声が聞こえたんですよ。
「それ、私のなのに」って。
血の気が引くってああいうこと言うんですよね。
一瞬で体が冷たくなって反射的に振り向いたんです。
もちろん、誰も後ろにいなかったんですけど隣にいた友達に今の聞こえた?って聞こうとしたら友達も真っ青な顔してて、その時わたし、この子も聞こえたんだって思ったんです。
ねえ、今の…って言おうとしたら友達がかぶせるように話し始めたんです。
「あんた、今なんて言ったの?」って。
私はすぐ後ろから聞こえたと思ってた声、私がしゃべってたっていうんです。
しかもそれいうとき、わたし無表情で目が据わってたって。
何が起こったかわからなくて私が何も言えないでいたら友達が言ったんです。
「もう何回もあげちゃってたんだね、後ろの人に」
それから私、しばらくは小さいペットボトルとか少ない量のサイズしかドリンク頼めなかったです。
今でも500ml(ミリ)のペットボトルとか買うとちょっと怖いんですよ。
また、欲しがられたらって思っちゃうんですよね。
あなたもありませんか、こういうこと。
あなたに続く怖い話 @koujitsu_hayama
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