第3話

 あの写真はもともと、俺が昔飼っていた犬とのツーショット写真だったんだ。サモエドっていう種類でね。真っ白いフサフサの毛が特徴の、人懐っこい可愛いやつだった。

 雪みたいに真っ白だから、名前はスノウ。

 スノウはね、暑さには弱かったから夏はすごく苦手だったんだけど、水遊びが大好きでさ。だから、いつか海に連れて行って思い切り遊ばせてやりたいって思ってて。

 ようやく夏に長めの休みが取れた時に、連れて行ったんだ。

 スノウのやつ、目茶苦茶燥いじゃってさ。その時のベストショットがあの写真だった。

 でもね。

 海から帰った数日後に、スノウは突然逝っちまったんだよ。

 あの日は特に暑い日でな。

 だから、俺が暑い中遊ばせすぎたせいなんだ。それしか考えられない。だってスノウは、それまでなんの病気もしたことがない、元気なやつだったんだから。

 写真を見るたびに、スノウに申し訳なくて泣いてたんだ、俺。

 仕事も何も手につかなくてさ。

 それで、部屋でボーっとしてた時、突然目の前にスノウが現れたんだ。

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