第2話
「その白い写真? のこと、聞いてもいいかな」
もしかしたら、誰にも触れられたくない事なのかもしれない。
そう思ってそれまで触れずにいたのだけど、彼が幸せそうな笑顔を浮かべながら真っ白な写真を眺めているのを見ているうちに、つい聞きたくなってしまった。
すると、彼は、ん〜……と困った表情を浮かべて私を見ながら言った。
「全然構わないんだけど、聞いてもきっと信じられないと思う」
「え?」
「俺自身、今でもあれは夢だったのかもって、思う時があるし」
彼は再び、真っ白な写真へと視線を戻す。
「それでも、聞きたい?」
答えは決まっていた。
というより、そんな余計に気になることを言われてしまっては、むしろ知りたい気持ちは大きくなるに決まっている。
「うん! 教えて!」
彼は私を見て笑いながら頷き、静かに話し始めた。
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