第20話 マジシャルテ
ここは弾幕街。
いや別名【マジシャルテ】
この街は昔から魔術師が集まり続ける荒れ果てた街だ。
なぜ荒れ果てているのか?その理由は────、
「くらええええええ!!ファイアボール」
「なんだよそんなヘナちょこ魔術、この俺様の───」
「馬鹿め引っかかったな!さっきのあいつは囮だァ!」
「卑怯者っ!それでも魔術師の戦い方か!?」
「ばぁぁぁか!!勝ちゃいいんだよ勝ちゃ!!」
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「見よ!我が魔術の奥義を!!……ふっふっふ、この力はまさに魔法!いやはや私がその先駆けとなるのです!…………行くぞぉ!!……生命は輪転し、暗月は悠久を唄う。漏れいずるは我が乖離の餞別。離別し新たな門出を祝たまえ!───エクスプロージョン・スラスト!!」
「馬鹿野郎、街の中でそんな魔法を撃つんじゃぁねぇ!!」
「黙れ浪漫が足りんクソガキめ!」
「お前の方こそ黙れこのロリっ子!!」
「む!私はロリっ子では無い!ちゃんとれっきとした成人だ!」
「なら余計にダメだわ馬鹿野郎がぁ!」
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「弾幕弾幕!!アヒャヒャ!!見よ見よ見よ見よ見よ見よ見よ!!我が操る最高の───」
「残念、私の弾幕の方が綺麗なのよ?」
「──はっ!綺麗なだけの使い物にならないゴミ弾幕など我ら弾幕道には不要なり!」
「なんでもいいけど、街の中で弾幕撃ち合うんなら片付けぐらいしろよ」
「「断る!」」
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街の至る所で閃光が煌めき、爆音が轟く。
魔術街ことマジシャルテは、街の中で魔術をぶっぱなすやつで溢れかえっている街だ。
ちなみにこの街の中で魔術を利用しても、攻撃を食らっても死ぬことは無い。
何故ならそれが魔術師レヴィ様の持つ結界の中であるからだ。
魔術師レヴィはかつてより生きていたとされる伝説の魔術師だ。
何より、変わった奴であることは誰の目から見ても明らかであるほどだ。
そうでなければ、こんな街をわざわざ創り出したりはしないのだから。
◇
「はぁー退屈ぅ!退屈だってのに、なんで誰も僕に勝負を挑みに来ないのさ!!」
街の中で最も大きな塔、その最上階でレヴィはブリッジをしながらカサカサと地面を這い蹲る。
「カサカサするな!気持ち悪いっ!」
秘書たる【モルガナ】にそう言ってブチ切れられたレヴィは。
「そっかぁー」
そう言って残念そうに立ち上がった男の名はレヴィ。
アルカナ【魔術師】を所持するというか、その力そのもの。
「まあでも僕に意見を言った君には、せっかくだから弾幕の相手になってもらおっかな!」
人呼んで──弾幕道のレヴィ。
この街では、魔術は雨あられのように降り注ぎ、そして人々は常に命の取り合いに近しい事を行い続ける。
故にこの街には、人は滅多に来ない。
来てもすぐに弾幕により命を落としかけて、恐怖から二度と来ることは無いだろう。
そんな街にアレク含む三人の人間、人間かなぁ?
が向かうことになったのは、ある意味変な運命だと言えるのかもしれない。
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