第20話 課外授業




「わー」と騒ぐわたし。

「きゃー」と騒ぐリーサお姉様。

「…… 」 無言のメリア。 安定の反応。

3人とも顔やお尻に泥がつき泥だらけです。

足下には、小麦の殻とミミズくんがうにょうにょしています。

男の子がミミズに、お○っこかけたら腫れるというのは本当なのでしょうか?



今日は小等学校の課外授業の日。

この日は授業でありながら、労働の対価が払われます。

小麦の収穫で、全児童で麦を刈りに来ています。

生まれてから、農業に関わることがあまり無かったのでとても新鮮です。


収穫時は、児童のほとんど休むため、10日間学校は授業が、お休みになります。

この期間意外にも、お野菜の収穫で課外授業になることもあります。


黄金色に輝く麦を見て、テンションが上がりまくりです。

来年は米も収穫もあるのですよ。

あのふっくらと美味しいお米を食べる日が来るのです。味噌と醤油も完成したので、来年から日本食を再現できるかも知れません。


害虫の多さに気づきました。農薬がないと色々と大変だよね。

来年米が作られるので米酢を作ろうと思いました。

その米酢で農薬を作りましょう。確か薄めるのよね。

前世、家庭菜園でお母さんが使っていたお酢を薄めただけの農薬を思い出しました。


あと、霧吹きの大きい物か~。

シュタインと相談して作りましょう。


 刈り取りしてきた麦を本来は吊して乾燥した方が、良いようですが、今日は魔法使いのわたしがいます。

刈り取った麦は数カ所に集められ、そこには足漕ぎの脱穀機があります。

これは、わたしが考えシュタインが製造しました。

《小麦さん。水分が18%位に乾燥して》

小麦はピカピカと光って水分が飛んでいきました。

わたしが使った魔法はたぶん水属性の魔法の応用です。

火属性魔法と風属性の魔法合わせ技でもできるかな?

 わたしが乾燥した麦を、農家の子供や大人達が脱穀をします。

足踏み脱穀は、足を踏んで回すスピードの調整と、麦を差し込む量とタイミングが難しいからです。


そうして、わたし達がお手伝いする最終日になりました。


麦の収穫が魔法と脱穀機のおかげで早く終わったので、最終日はジャガイモの収穫です。

わたしは、お姉様とメリア達と誰か一番大きいお芋を掘れるか競い合いました。

やっぱり一番大きいお芋を掘ったのは、メリアです。

本当にこういうのでは勝てません。


わたしはここの近くで飼っている、鶏、羊、牛(乳牛)、豚の厩舎を見てまわりました。

養豚所でわたしは、丸々と太った豚を指さしました。

「この豚を出荷する前に、穀物を使った餌を数週間与えてから出荷してもらえますか?

出荷したときには、その豚の母親と種豚を教えてください。もちろんそのお肉はわたしが買い取ります。」

といって、トウモロコシを乾燥させて潰した物や、大豆から油を取った後の糟。麦を乾燥させて潰した物を渡しました。

配合はよくわからないので適当に言いましたが、少しずつ改良していこうと思います。(畜産家に任せますが)

そうして、オーク肉よりも美味しい豚肉を作り、お母様と豚肉専門店を開こうと密かに企んでいます。




数年後、この取り組みで美味しい豚が出来て、貴族達の間で奪い合いが始まるほど大人気になります。

ブランド豚の登場です。

牛は、あまりにも餌を食べ過ぎるので食用だけを目的として飼育すると高額になるので今回は断念しました。

今度ミノタウロスを狩って食べてみよう!

美味しかったら牛肉の代わりにミノタウロスを食べる!


そんなことを考えていたらお屋敷に帰る時間になりました。


わたし達3人はお屋敷にかえりました。

わたしは、汗で体がベタベタなのですぐに入浴。

湯船でうとうとと船をこぎ、使用人に起こされました。

疲れてはいたけれど、収穫したお芋を料理してもらってみんなで美味しく食べました。

何時の時代も女の子はお芋が大好きなのです!

(フライドポテト最高!)

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