第4話 BBQでなくて野外焼肉大会 (前)
しつこいかもですが、ベルティンブルグ領の教育について説明です。
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今期の小等学校は、10歳の子供達は1年生。
11歳と12歳の子供達は、2年生、3年生として通います。
13歳と14歳の子供達は、希望者は3年生として学ぶことが出来ます。
実は、学校を作るために11歳~14歳の子供達は、小等学校を作る前に検証のため、読み書き、算術など王立の王都学園の入試が受けられる程度の教育をしています。
――っていうか、孤児院が幼稚園見たくなっていて、わたし達一年生は、文字も書けるし、足し算や引き算も習得しているのです。
この年の開校は、領主の長女のわたし(エルーシア)が、第一期生になるように大人も子供も意見を出し合い今日の日を迎えたのです。
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小等学校についての説明や自己紹介、各教科の教師の紹介や挨拶が終わりました。
そ し て 夕方からは、親睦を深めるために“野外焼肉大会”が開催されます。
学校に通う児童とその両親、親がいない子は職場の上司が親代わりとして参加してもらいます。当然、学校の教師や関係者も参加です。
この親睦会のために、父兄を呼んだ、講堂や体育館での大きな入学式をしなかったのです。
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領地内の各都市にも小等学校が建をてられ、人口の少ない集落にも、先生が派遣されて1年生が行う勉強をします。
そして希望者は、領都のベルティン及び近くの大きな街で小等学校に2年目から学ぶことができます。(学費・生活費・交通費無料。児童が仕事を求める場合は公爵家から斡旋)
数年後には、各街や村でも三年間、地元の小等学校に通えるようにする計画です。
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登校初日の放課後は、小等学校開校・入学おめでとう会です。
食材の確保のために、冒険者登録しているわたしとメリアは、この日の為に、オークを100体狩ってきました。
わたしがドッドーンって雷を落として、スパーンとメリアが首を切って血抜きをして、サクッとアイテムバッグに入れていたのですが・・・
今回は、“秘密のポケット”にいれました。
さあ! ここで“秘密のポケット”について説明をするよ。
転生前の幼児だった頃観ていた、耳のない青い猫型ロボットの○次元ポケットを思い出してクラーラに
「どんな服にも合う、大きめのポケットを作って!」と言いました。
「お嬢様? ポケットだけで良いのですか?
「そうよ。お日様を半分にしたような形のポケットが欲しいの」
「は、はい。半月のようなポケットですね? 少々お待ちください」
クラーラは、首を傾げながら裁縫できる場所に移動しました。
「お嬢様。出来ましたが本当にポケットだけでいいのですか?」
クラーラは、そのように疑惑の顔をしたまま、わたしに手渡してきました。
わたしは、耳のない猫型ロボットの大好物のどら焼きを半分に切ったような、ポケットです。
因みに猫型ロボットの初期設定では、どら焼きではなく、お餅が好物だったようです。
わたしは、親指を立てて
「クラーラありがとう。
想像したとおりのポケットよ」
「は、はあ。それは良かったです。
でもお嬢様のお腹にぴったりのポケットはどの様にお使いですか?」
「このポッケは、お腹につけて飴ちゃんなどのおやつ、小銭そして短刀やナイフを入れておくのよ」
「お、お嬢様。小銭と食べ物はわかりますが、後半は物騒な事をおっしゃっていたような…… 」
「そ、そんな物騒な事言って無いわ」
と言いながら作ってもらったポケットをじぃーっと見て
《わたしの私物に何でもくっ付くことが出来て、物が何でも入って、ポケットの中は時間が止まっていて、入っている物はリスト化して可視化。そして、いつでもポケットの中から物が出せるようにして!》
テッテテ―
と効果音が鳴ったと思ったら――
なんと、わたしの大きめのポケットが、○次元ポケットになりました。
(自分で入れたモノでないと取り出せませんけれど・・・)
わたしは、秘密のポケット(○次元ポケット)を触りながら
「ひ み つ の ポ ケ ッ ト !」
と大きな声をあげました。
「お、お嬢様。頭おかし…… じゃなくて、意識をはっきり持ってください」
「クラーラ大丈夫よ。そんなに肩を揺らさないで、意識はっきりしているから。
この秘密のポケットがとても気に入ったので、大きな声出しちゃった」
と言って舌を出しました。
そしてわたしの服のポケットの中は、オークのお肉だけでなく、ビスケットも入っています。
ビスケットは叩いても増えないけれど・・・
オーク100体は領地内の各学校のバーベキュー分も合わせてです。
――秘密のポケットの回想はここまでにします。
次回へ続く
(話しが長くなったため後半を次回に投稿します)
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