第3話 アルバイト②

楓くんは

彼女とかいるの?


初対面なのに直球で質問出来る人って凄いと思う、嫌われたらどうしようとか考えないんだろうな


居ないですよ

ずっと産まれてから今まで


「えーーー!」

「かっこいいのに!」

「勿体無い!」

「女も見る目が無いよ!」


店内に須田さんの声が響いた

すると店長が


「すだこ!うるさい!ちゃんと仕事しろ!」


ご、ご、御免なさい!


すると店内のスタッフがクスクスと、笑い出した。

いつもの光景なんだろうと確信した。

気がつくと店内は忙しくなっていた

僕もアイドルタイムで習った仕事を一生懸命やっていた。

周りの先輩達は声をかけながら効率よく動いている、しかも、皆んな笑顔だ

その中心に居るのが須田さんだ

完璧に全員の動きを見ながら行動指示をだしているあの可愛らしさからは想像が出来なかった。


暫くすると、店長が須田さんを呼び何かを話している。

楓っち疲れたでしょ?

一緒に休憩いけだって

初日からロングで疲れちゃうよね?

大丈夫?


はい、なんとか


私、コンビニ行くけどどうする?


僕は考える事なく行きますと返事をした。


僕たち2人は他愛もない会話し休憩時間を過ごした。

家どの辺?とか好きなタレントさんは?みたいな内容が無い様な会話だったけど

何か話しやすく疲れた心と身体が癒されていく感じがした


「さて!後半戦だよ!」

「楓っち!がんばろうね!」


はい!

宜しくお願いします。


須田さん、、、

とても、可愛らしく

皆んなから愛されてる人


仕事に対する姿勢や

普段の仕草や話し方が僕の心をくすぐってくる

いつの間にか僕は

須田さんを追いかける様になっていく


二十歳の夏の出来事






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