いざ、武器屋へ
「さーて、それじゃあ美少女問題は解決したし早速始めるか」
「それもそうだな」
「早くやろうぜ!」
勝の言葉から始まり、俺、透の順に同意、美少女問題(仮名称)がいったん解決した。
「で、どうするよ? 俺このゲームほとんど知らないぞ? 面白そう! っていう理由で始めただけだし……」
「ああ、それなら元βテスターの俺に任せろ! 俺が案内してやる。確かあまり透も詳しくなかったよな」
「ああ、勝が大絶賛してたから買ったって感じだからな。キャラクリのことは調べたけど海樹みたいにそこまで詳しくない」
え、そうなの?
透のことだからこう言った新しいことはすぐに調べそうだったんだけど。
「せっかくだし知識ゼロからやるのも面白そうだはさな」
あぁ、そゆこと。
納得したわ
俺が一方的に透のことに納得していると勝が忠告をした。
「今更だが、これから俺たちはプレイヤーネームで呼び合うぞ。リアルの名前はダメだ。因みに俺はビクト」
「あー、それもそうか。個人情報だしな。俺はブルーウッド」
「おっけー、納得したわ。俺はグラス」
ビクト、グラス……ね。
……俺も人のこと言えないが適当すぎないか!?
勝 → 勝利 → ビクトリー → ビクト
透 → 透明 → ガラス → グラス
全員、連想ゲームじゃねぇか。
俺の場合は
海樹 → 海 • 樹
海 → 青 → ブルー
樹 → 木 → ウッド
……同じようなもんだけどあいつらよりは少しはマシ……か?
まぁいいか。
「それで? ビクト、最初はどうするんだ? やっぱギルドとかか?」
「まぁ、そうだな。お前ら金はあるか?」
「金? それなら初めにもらえる10,000テンスがある」
「同じく」
俺と透が答えると勝は、「そうか……」と考えたが、その後すぐに顔を起こして俺たちに言った。
「よし、まずは武器だな。武器屋に行くぞ!」
え、待て待て待て。
「いや、俺武器持ってるぞ? 初期武器、もらったじゃねぇか。アレで良くないか?」
俺がそういうと、勝は首を横に振った。
「まぁ、お前のいう通り初めのメインとしては問題ないだろう」
「だったら……」
「でもな、サブがない」
サブ?
「メインはいいけど、それが壊れたら? この初期武器は耐久は高めになってあるが無限ではない。いつか壊れる。それに、このゲームは武器を手放してしまう場合もある。その時に戦うためのサブ武器、それが必要なんだ」
武器を手放す……?
そんなこともあるのか。
「なるほどな、この情報はβテスターの特権か」
「まぁな。これからこれは常識になるだろうがな」
オッケーオッケー、わかった。
そんじゃあ行くとしよう武器屋へ。
……まぁ、俺はついていくだけなんだけど。
「おおっ! スッゲェ!」
武器屋についてそうそう歓喜の声を上げたのは新しい物好きな透だった。
「おい、これすごくないか! こんな序盤で手に入る武器じゃないぞ!?」
続けて驚愕の声を上げる。
「いやいや、何そんなに驚いてるんだよ。武器の性能? そんなのまだそこまで強く……は? はぁぁぁぁあ!?」
透のその驚愕の声を嘘くさく思い、その性能を見てみたが……
ごめん、透。
これはお前が正しいわ。
その性能は
夜闇の黒刀 ランクB
攻撃力補正:2000
魔力伝導率:D
武具スキル「夜闇の鼓動」
夜の月が出ている状況では攻撃力が上昇する。
月が満月に近づくほど上昇する。
というものだった。
正直言ってかなり強い。
Aランクレベル攻撃力は2000からだから攻撃力はAランクレベルだ。
この武器がBなのは魔力伝導率が低いからだろう。
魔力伝導率はそのまんま武器に魔力が伝わりやすいかどうからしい。
魔力を武器に纏わせると、纏わせた分攻撃力補正が入るらしい。
因みに「古竜学者の魔術本」の性能は
古竜学者の魔術本 ランクC
攻撃力補正:500
魔力伝導率:B
武具スキル「氷竜吐息ホワイトブレス」
前方にブレス攻撃を放つ。
ブレスに当たると、移動速度が下がる。
と言った感じだ。
初期武器でランクCもあるというのは多分ユニーク職業「古竜学者」が影響しているのだろう。
「性能は勝が教えてくれるからわかるけどさ。具体的にどう言ったものを選べばいいんだ? 近距離? それとも遠距離?」
「いや、それはどっちでもいい。とりあえず自分でも扱えるものを選べばいいさ。変に性能の高いモノを買って扱えなければ宝の持ち腐れだからな」
それもそうか。
俺の場合は防御力が高いから盾を使いたいが……
「盾がない……だと!?」
「ああ、この武具屋には盾がないんだ。だからしばらくは盾無しにしてくれ」
マジかよ……
だったら俺の武器は……
「必然的にこいつになるわけか」
そういいながら俺は氷魔杖アイスワンドを取り出した。
俺は上手く武器を扱えないからな、魔法の範囲攻撃でやるしかないんだよなぁ。
「って! 透おまっ! 何やってんだよ!」
俺がそんなことを思っていると勝のそんな声が聞こえてきた。
何かと思ってみてみると、そこには先ほどの夜闇の黒刀をもっている透がいた。
「お、おい、透。まさかとは思うが……それ、買ったのか?」
「ん? あぁ! どうだ、かっこいいだろ!!」
「お前……盗賊シーフだよな……」
「そうだが?」
「盗賊なのにその長剣……動きづらくないか? それにそれ、一体いくらしてんだよ……」
「10,000テンス、全額だな」
嘘だろ!?
まさかいきなり全額使うとは……
「ま、まぁギルドでクエストを受けるのは金は必要ないからな……とりあえず行こう。早く透の金を稼がなきゃな」
「あっ、おっちゃんこれくれ」
俺はそんなモノを横目に武具屋のNPCのおっちゃんにそう言った。
「おう、5,000テンスだ」
「ほい、これ」
「OK、またきてくれよ」
「わかった、また来るよ」
そうして俺は追いかけるように勝と透へ向かった。
武器のランクは下からE、D、C、B、A、Sの順となっています。
詳しくは
E 攻撃力補正 100から500
D 攻撃力補正500から1000
C 攻撃力補正1000から1500
B 攻撃力補正1500から2000
A 攻撃力補正2000から2500
S 攻撃力補正2500から3000
て感じです。
魔力伝導率によってはランクが変わる場合があります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます