第3話 西園寺昌孝の協力
焼畑署から車で一時間ほどの距離にある豪華な邸宅、西園寺家の本邸。藤堂美玲と執事の白鳥龍之介は、祖父である西園寺昌孝に会うため、この邸宅を訪れた。
西園寺邸は緑豊かな広大な敷地に建てられており、重厚な門が訪れる者を迎える。門をくぐると、長いアプローチが続き、その先に壮大な洋館が姿を現す。建物はクラシックなデザインで、白い大理石の外壁と高い柱が特徴的だ。庭園には手入れの行き届いた樹木や花々が咲き誇り、噴水が優雅に水を撒いている。
「お嬢様、昌孝様が応接室でお待ちです。」玄関で出迎えた執事が丁寧に案内する。
玄関ホールは天井が高く、シャンデリアが豪華に輝いている。大理石の床は磨き上げられており、壁には名画が掛けられている。美玲と龍之介は広々としたホールを進み、応接室へと向かった。
応接室はクラシカルなインテリアで統一されており、豪華なカーペットが敷かれた床、暖炉の上には精巧な彫刻が施された鏡が飾られている。壁には年代物の書棚が並び、古い書物や骨董品が収められている。大きな窓からは庭園の美しい景色が見え、自然光が部屋を柔らかく照らしている。
美玲と龍之介は応接室に通される。そこには、壮年の紳士、西園寺昌孝が座っていた。彼は鋭い眼差しで二人を迎え入れた。
「美玲、久しぶりだね。」昌孝が微笑んで言う。
「おじいさま、急にお願いをしてごめんなさい。でも、あなたの助けが必要なんです。」美玲は真剣な表情で答えた。
「もちろんだとも、君のためなら何でもするさ。さて、例のメモを見せてくれないか。」
美玲は持参したメモの写しを昌孝に手渡した。昌孝はそれを受け取り、じっくりと眺めた後、静かに言った。
「これは複雑な暗号だが、解けないわけではない。この暗号には、古い暗号技術が使われているようだ。」
「おじいさま、これを解読することで、次の犠牲者を防ぐ手がかりが得られると信じています。」美玲は真剣な眼差しで訴えた。
「その通りだ、美玲。私が解読に取り掛かろう。ただし、時間がかかるかもしれない。それまで君たちは他の捜査を進める必要がある。」
「ありがとうございます、おじいさま。読者のみなさん、おじいさまが暗号を解読してくれる間に、私たちは他の手がかりを追います。こんな複雑な暗号を解くのは簡単ではないけれど、必ず真実にたどり着くと信じています。あなたもそう思いませんか?」
龍之介が応接室を出る準備を整えた。「お嬢様、次はどこへ向かいますか?」
「まずは被害者の共通点を探るために、彼らの職場や家庭環境を詳しく調べましょう。」美玲が答えた。
二人は西園寺邸を後にし、再び焼畑署へと戻る道を急いだ。美玲は車窓から外の景色を眺めながら、次のステップを考えていた。
「龍之介、今回の事件は何か大きな陰謀が隠されている気がするわ。私たちが解決するべき謎は、暗号だけではないのかもしれない。」
「お嬢様の直感を信じています。どんな困難が待ち受けていようと、我々は必ず真実にたどり着きます。」
「読者のみなさん、私たちの捜査がどんな展開を迎えるのか、どうか見守ってくださいね。」
車は静かに焼畑署へと向かい、美玲と龍之介は新たな捜査の幕開けを迎えようとしていた。
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