第2話 捜査会議

翌朝、焼畑署の捜査会議室には重苦しい空気が漂っていた。刑事たちは連続殺人事件の捜査について激論を交わしていたが、明確な方向性が見えず、議論は行き詰まっていた。


「被害者の共通点を見つけ出さない限り、次の犠牲者を防ぐことはできない。」鎌倉大和が苛立ちを隠せずに声を上げる。


「しかし、現時点では何の手がかりもないんだ。」布引一郎が肩をすくめる。


その時、藤堂美玲が静かに手を挙げた。「あのー、ちょっとよろしいでしょうか?」


全員の視線が美玲に集中する。「どうぞ、藤堂。」署長が促す。


「昨晩、現場で見つけたメモの一部ですが、それが何かの暗号だと思われます。その暗号を解くことで、次の犠牲者を特定できるかもしれません。」


「暗号?」鎌倉が眉をひそめる。「そんなものが本当に役に立つのか?」


美玲は微笑みながら答えた。「ええ、役に立つと信じています。そして、これがその暗号を解く鍵になると考えています。」


彼女は白鳥龍之介を見つめた。龍之介は美玲の意図を理解し、手元の書類を皆に配布した。


「これが昨晩のメモの写しです。」龍之介が説明を加える。「藤堂刑事は、このメモに隠された意味を解明するために、外部の専門家に依頼することを提案しています。」


「専門家?誰だ?」布引が尋ねる。


「私の祖父、西園寺昌孝です。彼は暗号解読の専門家であり、彼の知識と経験がこの捜査に大いに役立つと考えています。」


「西園寺昌孝…あの大富豪の?」署長が驚きを隠せない様子で言う。


「はい、祖父はすでに協力を約束してくれています。」美玲が自信を持って答える。


鎌倉はしばらく考え込んだ後、頷いた。「よし、それならば西園寺氏の協力を得よう。しかし、藤堂、君自身もこの暗号解読に全力を尽くすこと。それが我々の唯一の手がかりだ。」


「もちろんです、鎌倉さん。」美玲が力強く答える。「読者のみなさん、この暗号を解読することで、真実に近づけると信じています。あなたはどう思いますか?」


会議は一旦終了し、美玲と龍之介はすぐに西園寺昌孝に連絡を取り、協力を仰ぐ準備を始めた。捜査は新たな局面を迎え、次なる展開に向けて動き出すのだった。

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