黙って小説を書けって言ってんの!

小さい頃に読んでわくわくした小説を覚えているかい

絵本でも児童書でも

馬鹿みたいに分厚い鈍器みたいな文庫本でもいい


何を読んで育って、どうなって、小説を書こうと思ったの

自分ならどういう世界で、どんな人がいて、

どんな物語が紡がれていくのかって


どこかの異世界に行ったりとか

そんでもってチートスキルもらって無双して

ゲームみたいにステータスオープンしたりとか


気付けばゲームの中にいたりとか

そんでもって悪役令嬢になっちゃったりとか

やり直し人生で愛されにいったりとか


面白いけど最近じゃありふれた設定

面白いけど似たようなお話


わくわくしたのってそんな感じだっけ

自分が小さいころ書きたかったのってそんなだっけ


オリジナリティがどうとかなんて言うつもりはないけど

はやってるから乗っかっちゃったりしてない?


あんたが本当に描きたいものってなんだったのさ

拙くってもいいじゃん

設定が甘くたってもいいじゃん


万人が面白いって言わなくてもいいからさ

書きたいものを設定だけでも箇条書きにでもしてみなよ

それが文章になって小説っぽくて


それってみんなに刺さるより

自分のために書くんだよ

最後まで形になんなくてもいいからさ


設定を練らなきゃとか

世界観が伝わりにくいとか

これって面白くないんじゃ…なんて思う前にさ


黙って小説を書けって言ってんの!

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